与えられた極限の式が成り立つように、定数 $a$, $b$ の値を求める問題です。 (1) $\lim_{x\to1} \frac{x^2+ax+b}{x-1}=3$ (2) $\lim_{x\to\infty} (\sqrt{x^2+4x+ax+b}-x)=5$

解析学極限有理化代入
2025/4/1

1. 問題の内容

与えられた極限の式が成り立つように、定数 aa, bb の値を求める問題です。
(1) limx1x2+ax+bx1=3\lim_{x\to1} \frac{x^2+ax+b}{x-1}=3
(2) limx(x2+4x+ax+bx)=5\lim_{x\to\infty} (\sqrt{x^2+4x+ax+b}-x)=5

2. 解き方の手順

(1)
極限 limx1x2+ax+bx1=3\lim_{x\to1} \frac{x^2+ax+b}{x-1}=3 が存在するためには、分子 x2+ax+bx^2+ax+bx1x-1 を因数に持つ必要があります。つまり、x=1x=1 を代入すると分子が0になる必要があります。
12+a(1)+b=01^2+a(1)+b = 0
1+a+b=01+a+b = 0
b=a1b = -a-1
これを元の式に代入します。
limx1x2+axa1x1=3\lim_{x\to1} \frac{x^2+ax-a-1}{x-1}=3
limx1(x1)(x+a+1)x1=3\lim_{x\to1} \frac{(x-1)(x+a+1)}{x-1}=3
limx1(x+a+1)=3\lim_{x\to1} (x+a+1)=3
1+a+1=31+a+1=3
a+2=3a+2=3
a=1a=1
b=a1=11=2b = -a-1 = -1-1 = -2
したがって、a=1a=1, b=2b=-2
(2)
極限 limx(x2+4x+ax+bx)=5\lim_{x\to\infty} (\sqrt{x^2+4x+ax+b}-x)=5 を考えます。
まず、x2+4x+ax+bx\sqrt{x^2+4x+ax+b}-x を有理化します。
x2+(4+a)x+bx=(x2+(4+a)x+bx)(x2+(4+a)x+b+x)x2+(4+a)x+b+x\sqrt{x^2+(4+a)x+b}-x = \frac{(\sqrt{x^2+(4+a)x+b}-x)(\sqrt{x^2+(4+a)x+b}+x)}{\sqrt{x^2+(4+a)x+b}+x}
=x2+(4+a)x+bx2x2+(4+a)x+b+x= \frac{x^2+(4+a)x+b-x^2}{\sqrt{x^2+(4+a)x+b}+x}
=(4+a)x+bx2+(4+a)x+b+x= \frac{(4+a)x+b}{\sqrt{x^2+(4+a)x+b}+x}
これを xx で割ります。
=(4+a)+bx1+4+ax+bx2+1= \frac{(4+a)+\frac{b}{x}}{\sqrt{1+\frac{4+a}{x}+\frac{b}{x^2}}+1}
xx\to\infty のとき、1x0\frac{1}{x}\to0, 1x20\frac{1}{x^2}\to0 なので、
limx(4+a)+bx1+4+ax+bx2+1=4+a1+1\lim_{x\to\infty} \frac{(4+a)+\frac{b}{x}}{\sqrt{1+\frac{4+a}{x}+\frac{b}{x^2}}+1} = \frac{4+a}{\sqrt{1}+1}
=4+a2= \frac{4+a}{2}
この極限が 55 に等しいので、
4+a2=5\frac{4+a}{2} = 5
4+a=104+a = 10
a=6a = 6
bb の値は極限に影響しないので任意の値を取ります。よって、bbは任意の値をとります。
ここではb=0としておきます。

3. 最終的な答え

(1) a=1a=1, b=2b=-2
(2) a=6a=6, bbは任意。ここではb=0b=0とします。

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