座標平面において、媒介変数 $t$ を用いて $x = t - \sin t$ , $y = 1 - \cos t$ $(0 \le t \le \pi)$ で表される曲線 $C$ が与えられている。曲線 $C$ の概形を求める。

1. 問題の内容

座標平面において、媒介変数 $t$ を用いて $x = t - \sin t$ , $y = 1 - \cos t$ $(0 \le t \le \pi)$ で表される曲線 $C$ が与えられている。曲線 $C$ の概形を求める。

2. 解き方の手順

(1) $x$ と $y$ の $t$ による微分を求める。

$\frac{dx}{dt} = 1 - \cos t$

$\frac{dy}{dt} = \sin t$

(2) $\frac{dy}{dx}$ を計算する。

$\frac{dy}{dx} = \frac{dy/dt}{dx/dt} = \frac{\sin t}{1 - \cos t}$

(3) $t=0$ と $t=\pi$ での座標と $\frac{dy}{dx}$ を求める。

$t=0$ のとき、$x=0-\sin 0 = 0$, $y = 1-\cos 0 = 0$。

$t=\pi$ のとき、$x=\pi - \sin \pi = \pi$, $y = 1 - \cos \pi = 1 - (-1) = 2$。

$\frac{dy}{dx} = \frac{\sin t}{1 - \cos t}$ において、$t=0$ のとき、$0/0$ の不定形になるので、$t=0$ に近づくときを考える。$\lim_{t \to 0} \frac{\sin t}{1 - \cos t} = \lim_{t \to 0} \frac{\cos t}{\sin t} = \infty$　（ロピタルの定理）。

$t=\pi$ のとき、$\frac{dy}{dx} = \frac{\sin \pi}{1 - \cos \pi} = \frac{0}{1 - (-1)} = \frac{0}{2} = 0$。

(4) $0 \le t \le \pi$ の範囲で、$x$ は $t$ の増加関数である（$\frac{dx}{dt} = 1 - \cos t \ge 0$）。

$y$ は、$0 \le t < \pi$ で増加し、$t = \pi$ で $y=2$ を取る。

(5) 以上から、$C$ は $(0, 0)$ から $(\pi, 2)$ まで、$x$ が増加し、$y$ が増加する曲線であり、$(0, 0)$ での接線の傾きは無限大（y軸に平行）、$(\pi, 2)$ での接線の傾きは 0 （x軸に平行）である。

3. 最終的な答え

曲線 C の概形は、点 (0,0) から点 (π,2) へと滑らかにつながる曲線で、(0,0) で y軸に接し、(π,2) で x軸に接する。