$\lim_{x \to \infty} (\sqrt{x^2+4x+ax+b}) = 5$ を満たす $a$ と $b$ を求める問題です。ただし、二項定理は使わないように指示されています。

解析学極限ルート関数代数
2025/4/1

1. 問題の内容

limx(x2+4x+ax+b)=5\lim_{x \to \infty} (\sqrt{x^2+4x+ax+b}) = 5 を満たす aabb を求める問題です。ただし、二項定理は使わないように指示されています。

2. 解き方の手順

まず、x2+4x+ax+b\sqrt{x^2+4x+ax+b}xx の式で近似することを考えます。xx が大きいとき、x2+4x+ax+b\sqrt{x^2+4x+ax+b}x2\sqrt{x^2} に近い値になることが予想できます。
そこで、x2+4x+ax+bx\sqrt{x^2+4x+ax+b} - x の極限を考えます。
x2+4x+ax+bx=(x2+4x+ax+bx)(x2+4x+ax+b+x)x2+4x+ax+b+x\sqrt{x^2+4x+ax+b} - x = \frac{(\sqrt{x^2+4x+ax+b} - x)(\sqrt{x^2+4x+ax+b} + x)}{\sqrt{x^2+4x+ax+b} + x}
=(x2+4x+ax+b)x2x2+4x+ax+b+x=(4+a)x+bx2+(4+a)x+b+x= \frac{(x^2+4x+ax+b) - x^2}{\sqrt{x^2+4x+ax+b} + x} = \frac{(4+a)x+b}{\sqrt{x^2+(4+a)x+b} + x}
この式の分子と分母を xx で割ると、
(4+a)+bx1+4+ax+bx2+1\frac{(4+a) + \frac{b}{x}}{\sqrt{1+\frac{4+a}{x}+\frac{b}{x^2}} + 1}
xx \to \infty のとき、bx0\frac{b}{x} \to 04+ax0\frac{4+a}{x} \to 0bx20\frac{b}{x^2} \to 0 なので、
limx(x2+4x+ax+bx)=4+a1+1=4+a2\lim_{x \to \infty} (\sqrt{x^2+4x+ax+b} - x) = \frac{4+a}{\sqrt{1}+1} = \frac{4+a}{2}
与えられた条件から、limx(x2+4x+ax+b)=5\lim_{x \to \infty} (\sqrt{x^2+4x+ax+b}) = 5 なので、
limx(x2+4x+ax+bx+x)=5\lim_{x \to \infty} (\sqrt{x^2+4x+ax+b} - x + x) = 5
limx(x2+4x+ax+bx)+limxx=5\lim_{x \to \infty} (\sqrt{x^2+4x+ax+b} - x) + \lim_{x \to \infty} x = 5
4+a2+x=5\frac{4+a}{2} + x = 5
limx(x2+4x+ax+b)x=5limxx\lim_{x \to \infty} (\sqrt{x^2+4x+ax+b}) - x = 5 - \lim_{x \to \infty} x
limxx\lim_{x \to \infty} x は発散するので、このままでは aa を求めることは出来ません。
そこで、limx(x2+4x+ax+b(x+c))=0 \lim_{x \to \infty} (\sqrt{x^2+4x+ax+b} - (x+c)) = 0 となる cc を考えることで、極限が有限の値になるようにします。
x2+4x+ax+b=x+5\sqrt{x^2+4x+ax+b} = x+5 となるようにするには、
x2+(4+a)x+b=(x+5)2=x2+10x+25x^2+(4+a)x+b = (x+5)^2 = x^2+10x+25
となる必要があります。
したがって、4+a=104+a = 10 かつ b=25b = 25 である必要があります。
a=104=6a = 10-4 = 6
したがって、a=6a = 6 かつ b=25b = 25 が答えとなります。
limx(x2+10x+25)=limx((x+5)2)=limx(x+5)=\lim_{x \to \infty} (\sqrt{x^2+10x+25}) = \lim_{x \to \infty} (\sqrt{(x+5)^2}) = \lim_{x \to \infty} (x+5) = \infty となって 5 に収束しません。
x2+(4+a)x+b\sqrt{x^2 + (4+a)x + b}x+4+a2x+\frac{4+a}{2} に近い値になるので、limx(x2+(4+a)x+bx)\lim_{x \to \infty} (\sqrt{x^2+(4+a)x+b} - x)4+a2\frac{4+a}{2} になります。そこで、極限値が 55 であることから、4+a=104+a = 10 つまり a=6a = 6 となります。
このとき、x2+10x+b\sqrt{x^2 + 10x + b} となります。ここで、bbxx \to \infty の極限には影響を与えないので、特に条件はありません。
limx(x2+10x+bx)=5\lim_{x \to \infty} (\sqrt{x^2+10x+b} - x) = 5
limx10x+bx2+10x+b+x=5\lim_{x \to \infty} \frac{10x+b}{\sqrt{x^2+10x+b}+x} = 5
limx10+bx1+10x+bx2+1=102=5\lim_{x \to \infty} \frac{10 + \frac{b}{x}}{\sqrt{1+\frac{10}{x}+\frac{b}{x^2}} + 1} = \frac{10}{2} = 5

3. 最終的な答え

a=6a = 6
bb は任意の実数

「解析学」の関連問題

与えられた2つの微分方程式の一般解を求める問題です。 (1) $\frac{dy}{dx} = \frac{3x - 2y}{2x + y}$ (2) $\frac{dy}{dx} = \frac{3...

微分方程式同次形変数分離法積分
2025/5/14

与えられた3つの二変数関数 $f(x, y)$ について、それぞれの偏導関数 $\frac{\partial f}{\partial x}$ と $\frac{\partial f}{\partial...

偏微分多変数関数微分
2025/5/14

与えられた式 $y = e^{\log 2} + 2e^{-\log 2}$ を簡略化して、$y$ の値を求めます。ここで、対数は自然対数 (底が $e$) であると仮定します。

指数関数対数関数式の簡略化自然対数
2025/5/14

次の極限を計算します。 $\lim_{x \to 0} \frac{\sin 3x - \sin x}{x}$

極限三角関数sin微分
2025/5/14

$\lim_{x \to 0} \frac{\sin(x)}{x} = 1$ を示してください。

極限三角関数挟みうちの原理ロピタルの定理
2025/5/14

次の極限を求めます。 $\lim_{x \to 0} x \sin(2/x)$

極限はさみうちの原理三角関数
2025/5/14

$0 \leq \theta \leq 2\pi$ の範囲で、次の方程式を満たす $\theta$ を求めよ。 $\sin \theta + \sqrt{3} \cos \theta = \sqrt{...

三角関数三角関数の合成方程式
2025/5/14

$\lim_{x \to 0} \frac{\sin^{-1} x}{x}$ を計算する問題です。ここで $\sin^{-1} x$ は逆正弦関数(アークサイン)を表します。

極限逆正弦関数ロピタルの定理微分
2025/5/14

与えられた問題は、極限 $\lim_{x \to 0} \frac{\sin(x^{-1})}{x}$ を計算することです。

極限三角関数関数の振る舞い
2025/5/14

$\lim_{x \to 0} \frac{\tan x}{x}$ の極限値を求めよ。

極限三角関数ロピタルの定理
2025/5/14