(1) 区間 $I = [0, \infty)$ で定義された関数 $f(x) = \sqrt{x}$ が $I$ 上で一様連続であることを示す。 (2) 区間 $I = (0, 1)$ で定義された関数 $f(x) = \sin(\frac{1}{x})$ が $I$ 上で一様連続でないことを示す。

1. 問題の内容

(1) 区間 $I = [0, \infty)$ で定義された関数 $f(x) = \sqrt{x}$ が $I$ 上で一様連続であることを示す。

(2) 区間 $I = (0, 1)$ で定義された関数 $f(x) = \sin(\frac{1}{x})$ が $I$ 上で一様連続でないことを示す。

2. 解き方の手順

(1) $f(x) = \sqrt{x}$ が $I = [0, \infty)$ で一様連続であることを示す。

一様連続の定義は、任意の $\epsilon > 0$ に対して、ある $\delta > 0$ が存在し、任意の $x, y \in I$ について、 $|x - y| < \delta$ ならば $|f(x) - f(y)| < \epsilon$ が成り立つことである。

$|f(x) - f(y)| = |\sqrt{x} - \sqrt{y}| = \frac{|x - y|}{\sqrt{x} + \sqrt{y}}$

$x, y$ が十分大きい時、$\sqrt{x} + \sqrt{y}$ も大きくなるので、$\frac{|x - y|}{\sqrt{x} + \sqrt{y}}$ を $\epsilon$ より小さくするためには、$|x - y|$ を $\delta$ より小さくする必要がある。

$x, y \geq 0$ より、$\sqrt{x} + \sqrt{y} \geq 0$. 任意の $\epsilon > 0$ が与えられた時、$|x - y| < \delta$ ならば $|\sqrt{x} - \sqrt{y}| < \epsilon$ となる $\delta$ を見つける。

$|\sqrt{x} - \sqrt{y}| = \frac{|x - y|}{\sqrt{x} + \sqrt{y}}$.

$x, y$ が小さい領域では、$\sqrt{x} + \sqrt{y}$ も小さくなるため、注意が必要である。

$x \geq 0, y \geq 0$ のとき, $x,y$ が大きいほど $\sqrt{x} + \sqrt{y}$ が大きくなる。

$|x - y| < \delta$ を仮定する。

$|\sqrt{x} - \sqrt{y}| = \frac{|x-y|}{\sqrt{x}+\sqrt{y}} \leq \frac{|x-y|}{\sqrt{|x-y|}} < \frac{\delta}{\sqrt{\delta}} = \sqrt{\delta}$

したがって、$\sqrt{\delta} = \epsilon$ となるように $\delta$ を選べば良い。

$\delta = \epsilon^2$ とすれば、 $|x-y| < \delta$ ならば $|\sqrt{x} - \sqrt{y}| < \epsilon$ が成り立つ。

したがって、$f(x) = \sqrt{x}$ は $[0, \infty)$ 上で一様連続である。

(2) $f(x) = \sin(\frac{1}{x})$ が $I = (0, 1)$ で一様連続でないことを示す。

一様連続でないことを示すには、ある $\epsilon > 0$ が存在し、任意の $\delta > 0$ に対して、ある $x, y \in I$ が存在し、 $|x - y| < \delta$ であるにもかかわらず $|f(x) - f(y)| \geq \epsilon$ となることを示せば良い。

$\epsilon = 1$ とおく。任意の $\delta > 0$ に対して、$x = \frac{1}{\pi/2 + 2n\pi}$ と $y = \frac{1}{3\pi/2 + 2n\pi}$ を選ぶ。ただし、$n$ は自然数。

このとき、$f(x) = \sin(\pi/2 + 2n\pi) = 1$ であり、$f(y) = \sin(3\pi/2 + 2n\pi) = -1$ である。

したがって、$|f(x) - f(y)| = |1 - (-1)| = 2 > 1 = \epsilon$ となる。

$|x - y| = |\frac{1}{\pi/2 + 2n\pi} - \frac{1}{3\pi/2 + 2n\pi}| = |\frac{(3\pi/2 + 2n\pi) - (\pi/2 + 2n\pi)}{(\pi/2 + 2n\pi)(3\pi/2 + 2n\pi)}| = |\frac{\pi}{(\pi/2 + 2n\pi)(3\pi/2 + 2n\pi)}|$

$= \frac{\pi}{(2n\pi + \pi/2)(2n\pi + 3\pi/2)} = \frac{1}{(2n + 1/2)(2n + 3/2)\pi} = \frac{1}{\pi(4n^2 + 4n + 3/4)}$

任意の $\delta > 0$ に対して、十分大きな $n$ を選べば、$|x - y| < \delta$ とできる。

例えば、$n > \frac{\sqrt{1/\delta}}{2}$ のような $n$ を取れば良い。

よって、関数 $f(x) = \sin(1/x)$ は $I = (0, 1)$ 上で一様連続ではない。

3. 最終的な答え

(1) $f(x) = \sqrt{x}$ は $[0, \infty)$ 上で一様連続である。

(2) $f(x) = \sin(\frac{1}{x})$ は $(0, 1)$ 上で一様連続ではない。