6個の球を3つの箱に入れる方法の数を求める問題です。球と箱に区別があるかないか、空箱を許すか許さないかで場合分けされています。

離散数学組み合わせ重複組み合わせ場合の数分割数
2025/7/7

1. 問題の内容

6個の球を3つの箱に入れる方法の数を求める問題です。球と箱に区別があるかないか、空箱を許すか許さないかで場合分けされています。

2. 解き方の手順

(1) 球に区別がなく、箱に区別があるとき。
(a) 空箱があってもよい。
これは、6個の球を3つの箱に分配する重複組み合わせの問題です。
x1+x2+x3=6x_1 + x_2 + x_3 = 6 を満たす非負整数の組 (x1,x2,x3)(x_1, x_2, x_3) の数を求めます。
重複組み合わせの公式より、求める場合の数は 3+61C6=8C6=8C2=8×72×1=28{}_{3+6-1}C_{6} = {}_8C_6 = {}_8C_2 = \frac{8 \times 7}{2 \times 1} = 28 通りです。
(b) 空箱はない。
x1+x2+x3=6x_1 + x_2 + x_3 = 6 を満たす正の整数の組 (x1,x2,x3)(x_1, x_2, x_3) の数を求めます。
yi=xi1y_i = x_i - 1 とおくと、yiy_i は非負整数で、xi=yi+1x_i = y_i + 1 となります。
(y1+1)+(y2+1)+(y3+1)=6(y_1 + 1) + (y_2 + 1) + (y_3 + 1) = 6 より、y1+y2+y3=3y_1 + y_2 + y_3 = 3 を満たす非負整数の組 (y1,y2,y3)(y_1, y_2, y_3) の数を求めます。
重複組み合わせの公式より、求める場合の数は 3+31C3=5C3=5C2=5×42×1=10{}_{3+3-1}C_{3} = {}_5C_3 = {}_5C_2 = \frac{5 \times 4}{2 \times 1} = 10 通りです。
(2) 球にも箱にも区別があり、空箱はない。
まず、6個の球を3つのグループに分けます。これは、分割数ではなく、分割されたグループに箱を割り当てる順列も考える必要があります。
グループ分けとして考えられるのは、(4,1,1), (3,2,1), (2,2,2) の3パターンです。
(4,1,1)の場合:6個から4個選び、残り2個から1個選び、残り1個から1個選びます。選んだ4個,1個,1個のグループを3つの箱に割り当てる方法は3!/2! = 3通りです。したがって、(64)(21)(11)×3=15×2×1×3=90\binom{6}{4} \binom{2}{1} \binom{1}{1} \times 3 = 15 \times 2 \times 1 \times 3 = 90 通り。
(3,2,1)の場合:6個から3個選び、残り3個から2個選び、残り1個から1個選びます。選んだ3個,2個,1個のグループを3つの箱に割り当てる方法は3! = 6通りです。したがって、(63)(32)(11)×6=20×3×1×6=360\binom{6}{3} \binom{3}{2} \binom{1}{1} \times 6 = 20 \times 3 \times 1 \times 6 = 360 通り。
(2,2,2)の場合:6個から2個選び、残り4個から2個選び、残り2個から2個選びます。選んだ2個,2個,2個のグループを3つの箱に割り当てる方法は3!/3! = 1通りです。(62)(42)(22)/3!×3!=15611=90\binom{6}{2} \binom{4}{2} \binom{2}{2} / 3! \times 3!= 15*6*1 *1=90. 選んだ3つのグループを3つの箱に割り当てる方法は1通りなので、 (62)(42)(22)3!×3!=15×6×1=90\frac{\binom{6}{2}\binom{4}{2}\binom{2}{2}}{3!} \times 3! = 15 \times 6 \times 1=90
合計で 90+360+90=54090 + 360 + 90 = 540 通り。
(3) 球に区別があり、箱に区別がなく、空箱はない。
球に区別があり、箱に区別がない場合、前の問題(2)と同様に(4,1,1),(3,2,1),(2,2,2)のグループに分け、箱の区別がないため、(4,1,1)のグループ分けの数は(64)=15\binom{6}{4} = 15。(3,2,1)のグループ分けの数は(63)(32)=20×3=60\binom{6}{3}\binom{3}{2} = 20 \times 3=60。(2,2,2)のグループ分けの数は(62)(42)=15×6=90\binom{6}{2}\binom{4}{2} = 15 \times 6 = 90。グループの区別がないため、90/3!=1590/3!=15。したがって、15+60+15=90。

3. 最終的な答え

(1) (a) 28通り
(b) 10通り
(2) 540通り
(3) 90通り

「離散数学」の関連問題

順列 ${}_8P_4$ から組合せ ${}_8C_4$ を引いた値を計算する問題です。つまり、${}_8P_4 - {}_8C_4$ を求めることになります。

順列組合せ組み合わせ
2025/7/10

先生2人と生徒3人が1列に並ぶ場合の並び方について、以下の4つの場合について場合の数を求める問題です。 (1) 全ての並び方 (2) 生徒3人が連続して並ぶ並び方 (3) 両端が生徒である並び方 (4...

順列組み合わせ場合の数数え上げ
2025/7/10

大人3人と子供3人が輪になって並ぶ場合の数を求める問題です。 (1) 全ての並び方を求めます。 (2) 大人と子供が交互に並ぶ並び方を求めます。

順列組み合わせ円順列
2025/7/9

無限集合 $X$ の部分集合 $A$ について、以下の2つの命題が正しいか否かを判断し、正しければ証明し、正しくなければ反例を挙げる。 (1) $A$ が有限集合ならば、$X-A$ は $X$ と対等...

集合論無限集合対等全単射証明反例
2025/7/9

男子4人と女子4人が手をつないで円を作るとき、次の問いに答えます。 (1) 円の作り方は全部で何通りあるか。 (2) 男子と女子が交互になる円の作り方は何通りあるか。 (3) 男子の太郎君と次郎君が向...

円順列順列組み合わせ場合の数
2025/7/9

図のような道のある町で、AからBまでの最短経路の総数、Qを通る最短経路の総数、PまたはQを通る最短経路の総数をそれぞれ求める問題です。

組み合わせ最短経路順列
2025/7/9

「KAWAGOE」の7文字を1列に並べる場合の数を求める問題です。ただし、Aが2つあるので、同じものを含む順列の考え方を使います。

順列組み合わせ場合の数重複順列
2025/7/9

正六角形を6個の正三角形に分割し、各三角形を異なる色で塗り分ける問題です。ただし、回転して一致する塗り方は同じものとみなします。 (1) 6色すべてを使って塗り分ける方法の数を求めます。 (2) 6色...

組み合わせ場合の数順列円順列正多角形
2025/7/9

(1) 集合 $A = \{1, 2, 3, 4, 6, 12\}$ の部分集合を、与えられた集合 $P = \{1, 2, 3, 5\}$, $Q = \{1, 2, 4, 6\}$, $R = \...

集合部分集合補集合共通部分和集合
2025/7/9

与えられた問題は、組み合わせ (combination) に関する計算問題と、正六角形に関する問題です。具体的には、以下の問題があります。 - 問題54: 組み合わせの計算 (6問) - 問題55: ...

組み合わせnCr正六角形組み合わせの計算
2025/7/9