数列$\{a_n\}$において、ある条件の下で不等式$|a_{n+1}-3|<\frac{2}{3}|a_n-3|$が成り立つとき、不等式$|a_n - 3| < (\frac{2}{3})^{n-1}|a_1 - 3|$が成り立つ理由を問う問題です。

解析学数列不等式数学的帰納法極限
2025/4/1

1. 問題の内容

数列{an}\{a_n\}において、ある条件の下で不等式an+13<23an3|a_{n+1}-3|<\frac{2}{3}|a_n-3|が成り立つとき、不等式an3<(23)n1a13|a_n - 3| < (\frac{2}{3})^{n-1}|a_1 - 3|が成り立つ理由を問う問題です。

2. 解き方の手順

この問題は、数学的帰納法を使って解くことができます。
(1) n=1n=1のとき:
a13<(23)11a13|a_1 - 3| < (\frac{2}{3})^{1-1}|a_1 - 3|
a13<(23)0a13|a_1 - 3| < (\frac{2}{3})^0|a_1 - 3|
a13<a13|a_1 - 3| < |a_1 - 3|
これは、n=1n=1のとき不等式は明らかに成り立ちません。しかし、これは問題文の質問には影響しません。なぜなら、問題は「もしan+13<23an3\left| a_{n+1} - 3 \right| < \frac{2}{3} \left| a_n - 3 \right|が成り立つとき、なぜan3<(23)n1a13\left| a_n - 3 \right| < \left( \frac{2}{3} \right)^{n-1} \left| a_1 - 3 \right|が成り立つのか?」を尋ねているからです。以下、n ≧ 2 で考えます。
(2) n=kn=kのとき、不等式が成り立つと仮定する。つまり、
ak3<(23)k1a13|a_k - 3| < (\frac{2}{3})^{k-1}|a_1 - 3| …(仮定)
(3) n=k+1n=k+1のとき:
ak+13<23ak3|a_{k+1} - 3| < \frac{2}{3}|a_k - 3| (問題で与えられた条件)
ak3|a_k - 3|に(2)の仮定を代入すると、
ak+13<23(23)k1a13|a_{k+1} - 3| < \frac{2}{3}(\frac{2}{3})^{k-1}|a_1 - 3|
ak+13<(23)ka13|a_{k+1} - 3| < (\frac{2}{3})^k|a_1 - 3|
これは、n=k+1n=k+1のときも不等式が成り立つことを示しています。
したがって、数学的帰納法により、n2n \geq 2において、an3<(23)n1a13|a_n - 3| < (\frac{2}{3})^{n-1}|a_1 - 3|が成り立ちます。
条件an+13<23an3\left| a_{n+1} - 3 \right| < \frac{2}{3} \left| a_n - 3 \right|を繰り返し用いることで、an3|a_n - 3|は、nnが増加するにつれて、a13|a_1 - 3|(23)n1(\frac{2}{3})^{n-1}をかけた値よりも小さくなるということがわかります。

3. 最終的な答え

an+13<23an3\left| a_{n+1} - 3 \right| < \frac{2}{3} \left| a_n - 3 \right| が成り立つとき、an3<(23)n1a13\left| a_n - 3 \right| < \left( \frac{2}{3} \right)^{n-1} \left| a_1 - 3 \right| が成り立つ理由は、an+13<23an3\left| a_{n+1} - 3 \right| < \frac{2}{3} \left| a_n - 3 \right|の関係を繰り返し適用することで、an3|a_n-3|は初項からの差の絶対値a13|a_1-3|に公比23\frac{2}{3}の等比数列の一般項をかけたものより小さくなるからです。

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