ある病気に対して投与する薬の効果の有無を調べたい。薬を投与し、効果有と判断される比率は $p$ であるとする。この病気を持った患者から無作為に $n$ 人を選び、薬を投与したとき、$i$ 番目の患者に薬の効果が認められれば $1$ とし、認められなければ $0$ とする確率変数を $X_i$ とする。標本平均 $\bar{X} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} X_i$ の平均、および分散を求めよ。

確率論・統計学確率変数ベルヌーイ分布標本平均平均分散
2025/7/7

1. 問題の内容

ある病気に対して投与する薬の効果の有無を調べたい。薬を投与し、効果有と判断される比率は pp であるとする。この病気を持った患者から無作為に nn 人を選び、薬を投与したとき、ii 番目の患者に薬の効果が認められれば 11 とし、認められなければ 00 とする確率変数を XiX_i とする。標本平均 Xˉ=1ni=1nXi\bar{X} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} X_i の平均、および分散を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、XiX_i はベルヌーイ分布に従う確率変数であることに注意する。XiX_i は、ii番目の患者に薬の効果がある場合 11、ない場合 00 をとるため、
P(Xi=1)=pP(X_i = 1) = p
P(Xi=0)=1pP(X_i = 0) = 1 - p
となる。ベルヌーイ分布の平均と分散はそれぞれ ppp(1p)p(1-p) である。したがって、
E[Xi]=pE[X_i] = p
V[Xi]=p(1p)V[X_i] = p(1 - p)
標本平均 Xˉ\bar{X} の平均は、
E[Xˉ]=E[1ni=1nXi]=1ni=1nE[Xi]=1ni=1np=1n(np)=pE[\bar{X}] = E[\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} X_i] = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} E[X_i] = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} p = \frac{1}{n} (np) = p
となる。
次に、標本平均 Xˉ\bar{X} の分散を求める。XiX_i は独立であると仮定すると、
V[Xˉ]=V[1ni=1nXi]=1n2i=1nV[Xi]=1n2i=1np(1p)=1n2(np(1p))=p(1p)nV[\bar{X}] = V[\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} X_i] = \frac{1}{n^2} \sum_{i=1}^{n} V[X_i] = \frac{1}{n^2} \sum_{i=1}^{n} p(1 - p) = \frac{1}{n^2} (np(1 - p)) = \frac{p(1 - p)}{n}
となる。

3. 最終的な答え

標本平均 Xˉ\bar{X} の平均は pp である。
E[Xˉ]=pE[\bar{X}] = p
標本平均 Xˉ\bar{X} の分散は p(1p)n\frac{p(1-p)}{n} である。
V[Xˉ]=p(1p)nV[\bar{X}] = \frac{p(1 - p)}{n}

「確率論・統計学」の関連問題

3種類の飲み物から、重複を許して5個取って作る組合せの総数を求める問題です。

組み合わせ重複組合せ場合の数
2025/7/13

7人の大人の中から3人を選び、6人の子供の中から3人を選んで、合計6人の組を作る組み合わせの数を求める問題です。

組み合わせ場合の数順列
2025/7/13

7人の大人の中から3人を選び、6人の子供の中から3人を選んで、合計6人の組を作る組み合わせの数を求めます。

組み合わせ場合の数組み合わせの計算
2025/7/13

7人の中から3人を選んで1列に並べる場合の、並べ方の総数を求めます。これは順列の問題です。

順列組み合わせ場合の数
2025/7/13

## 解答

順列組合せ場合の数
2025/7/13

組み合わせの計算 $_{18}C_{15}$ の値を求めます。

組み合わせ二項係数組み合わせの計算
2025/7/13

組み合わせの数 ${}_{18}C_{15}$ の値を求める問題です。

組み合わせ二項係数計算
2025/7/13

${}_{10}C_4$ の値を求めよ。

組み合わせ二項係数組合せ
2025/7/13

50から100までの番号札が1枚ずつあるとき、その番号が以下の条件を満たす確率を求める問題です。 (1) 3の倍数である確率 (2) 7の倍数である確率 (3) 3の倍数または7の倍数である確率 (4...

確率倍数排反事象集合
2025/7/13

袋の中に赤玉が5個、白玉が3個入っています。この中から同時に3個取り出すとき、以下の問いに答えてください。ただし、玉はすべて区別するものとします。 (1) 3個が同じ色である取り出し方は何通りあるか。...

組み合わせ確率場合の数
2025/7/13