(1) $x$ の多項式 $x^3 - 3x^2 - ax + b$ を $x-2$ で割ったときの余りが4、$x+1$ で割ったときの余りが1となるような定数 $a$, $b$ の値を求める。 (2) ある多項式 $P(x)$ を $(x+1)(x+2)$ で割ると $4x-7$ 余り、$(x-1)(x-3)$ で割ると $3x+1$ 余る。このとき、$P(x)$ を $x+1$ で割った余りを求め、また、$P(x)$ を $(x+2)(x-3)$ で割った余りを求める。

1. 問題の内容

(1) $x$ の多項式 $x^3 - 3x^2 - ax + b$ を $x-2$ で割ったときの余りが4、$x+1$ で割ったときの余りが1となるような定数 $a$, $b$ の値を求める。

(2) ある多項式 $P(x)$ を $(x+1)(x+2)$ で割ると $4x-7$ 余り、$(x-1)(x-3)$ で割ると $3x+1$ 余る。このとき、$P(x)$ を $x+1$ で割った余りを求め、また、$P(x)$ を $(x+2)(x-3)$ で割った余りを求める。

2. 解き方の手順

(1)

剰余の定理より、$P(x) = x^3 - 3x^2 - ax + b$ を $x-2$ で割った余りは $P(2)$、$x+1$ で割った余りは $P(-1)$ である。

したがって、

$P(2) = 2^3 - 3(2^2) - 2a + b = 8 - 12 - 2a + b = -4 - 2a + b = 4$

$P(-1) = (-1)^3 - 3(-1)^2 - a(-1) + b = -1 - 3 + a + b = -4 + a + b = 1$

これらの式から、

$-2a + b = 8$ (1)

$a + b = 5$ (2)

(2) - (1) より、$3a = -3$ なので、$a = -1$。

(2) に代入して、$b = 5 - a = 5 - (-1) = 6$

(2)

$P(x)$ を $(x+1)(x+2)$ で割った余りが $4x-7$ であるから、

$P(x) = (x+1)(x+2)Q_1(x) + 4x - 7$ (3)

$P(x)$ を $(x-1)(x-3)$ で割った余りが $3x+1$ であるから、

$P(x) = (x-1)(x-3)Q_2(x) + 3x + 1$ (4)

ここで、$Q_1(x)$, $Q_2(x)$ はそれぞれある多項式である。

$P(x)$ を $x+1$ で割った余りは、剰余の定理より $P(-1)$。 (3) より $P(-1) = 4(-1) - 7 = -4 - 7 = -11$。

$P(x)$ を $(x+2)(x-3)$ で割った余りを $ax + b$ とすると、

$P(x) = (x+2)(x-3)Q_3(x) + ax + b$ (5)

(3) より、$P(-2) = 4(-2) - 7 = -8 - 7 = -15$

(4) より、$P(3) = 3(3) + 1 = 9 + 1 = 10$

(5) より、$P(-2) = -2a + b = -15$

$P(3) = 3a + b = 10$

2つの式を連立して解く。

$(3a+b) - (-2a+b) = 10 - (-15)$

$5a = 25$

$a = 5$

$b = 10 - 3a = 10 - 3(5) = 10 - 15 = -5$

したがって、$P(x)$ を $(x+2)(x-3)$ で割った余りは $5x - 5$。

3. 最終的な答え

(1) $a = -1, b = 6$

(2) $P(x)$ を $x+1$ で割った余り: $-11$

$P(x)$ を $(x+2)(x-3)$ で割った余り: $5x-5$