$n$ 人でじゃんけんを1回行う。各人がグー、チョキ、パーを出す確率はそれぞれ $\frac{1}{3}$ である。あいことは、じゃんけんで勝者が1人もいない状態のこととする。 (1) $n=3$ のとき、あいことなる確率を求めよ。 (2) $n=4$ のとき、勝者が1人である確率、および勝者が2人である確率をそれぞれ求めよ。 (3) $n=3, 4, 5, \dots$ のとき、あいことなる確率を $n$ を用いて表せ。

確率論・統計学確率じゃんけん組み合わせ確率分布
2025/7/7

1. 問題の内容

nn 人でじゃんけんを1回行う。各人がグー、チョキ、パーを出す確率はそれぞれ 13\frac{1}{3} である。あいことは、じゃんけんで勝者が1人もいない状態のこととする。
(1) n=3n=3 のとき、あいことなる確率を求めよ。
(2) n=4n=4 のとき、勝者が1人である確率、および勝者が2人である確率をそれぞれ求めよ。
(3) n=3,4,5,n=3, 4, 5, \dots のとき、あいことなる確率を nn を用いて表せ。

2. 解き方の手順

(1) n=3n=3 のとき
あいことなるのは、全員が同じ手を出す場合と、全員が異なる手を出す場合である。
全員が同じ手を出す確率は、 3×(13)3=327=193 \times (\frac{1}{3})^3 = \frac{3}{27} = \frac{1}{9}
全員が異なる手を出す確率は、3!×(13)3=627=293! \times (\frac{1}{3})^3 = \frac{6}{27} = \frac{2}{9}
よって、あいことなる確率は 19+29=39=13\frac{1}{9} + \frac{2}{9} = \frac{3}{9} = \frac{1}{3}
(2) n=4n=4 のとき
勝者が1人である確率:
まず、誰が勝つかを選ぶ。4人の中から1人選ぶので 4C1=4{}_4C_1 = 4 通り。
次に、勝つ手を選ぶ。グー、チョキ、パーの3通り。
残りの3人は、選ばれた手に負ける手を出す必要がある。これは1通りに決まる。
したがって、勝者が1人である確率は 4×3×(13)4=1281=4274 \times 3 \times (\frac{1}{3})^4 = \frac{12}{81} = \frac{4}{27}
勝者が2人である確率:
まず、誰が勝つかを選ぶ。4人の中から2人選ぶので 4C2=6{}_4C_2 = 6 通り。
次に、勝つ手を選ぶ。グー、チョキ、パーの3通り。
残りの2人は、選ばれた手に負ける手を出す必要がある。これは1通りに決まる。
したがって、勝者が2人である確率は 6×3×(13)4=1881=296 \times 3 \times (\frac{1}{3})^4 = \frac{18}{81} = \frac{2}{9}
(3) nn 人のとき、あいことなる確率
あいことなるのは、全員が同じ手を出す場合と、少なくとも2種類の手が出る場合である。
全員が同じ手を出す確率は 3×(13)n=(13)n13 \times (\frac{1}{3})^n = (\frac{1}{3})^{n-1}
全員が同じ手ではないとき、あいこになるのは、全員が異なる手を出す場合ではない。
あいことなるのは、全員が同じ手ではない、かつ勝者がいない場合である。
全員の手の出し方の総数は 3n3^n 通り。
勝者がいない場合、全員が同じ手を出すか、2種類または3種類の手が出ているが、特定の手に対して「勝つ」人がいない状態である。
これは、「ある手を出す人の集合」に対して、その手に「勝つ」人がいない、という条件と等価である。
全員が同じ手の確率はすでに計算済み。
全員の手がバラバラということはありえない(n3n \geq 3)。
したがって、3種類の手が出る場合のみ考える。
ii 種類の人がいるとき、あいこになる確率を P(i)P(i) とおくと
P(1)=(13)n1P(1) = (\frac{1}{3})^{n-1}
P(2)=13nk=0nnCkP(2) = \frac{1}{3^n} \sum_{k=0}^{n} {}_nC_k
P(3)=?P(3) = ?
全員が同じ手を出す確率は (13)n1(\frac{1}{3})^{n-1}
3種類の手が出た場合、3n3^n 通りの手の出し方から勝者がいる場合を除けばよい。
全体から勝者がいる場合を引くことを考える。
勝者がいる場合は、全体からあいこになる場合を引けば良い。
あいこになるのは、全員の手が同じか、2種類以上の手が出て勝者がいないかのどちらか。
全員の手が同じ確率は (13)n1(\frac{1}{3})^{n-1}
全員の手が異なる場合は、n3n \geq 3 なのでありえない。
あいこになる確率は、全体から勝者がいる確率を引けば良い。
勝者がいる確率は 1(あいこになる確率)1 - (\text{あいこになる確率}) なので、
あいこになる確率を PnP_n とすると、
Pn=1(P_n = 1 - (勝者がいる確率))
Pn=13n1k=0nnCk(1)k2nkP_n = \frac{1}{3^{n-1}} \sum_{k=0}^{n} {}_n C_k (-1)^k 2^{n-k}

3. 最終的な答え

(1) 13\frac{1}{3}
(2) 勝者が1人である確率: 427\frac{4}{27}
勝者が2人である確率: 29\frac{2}{9}
(3) 13n1k=0nnCk(1)k2nk\frac{1}{3^{n-1}} \sum_{k=0}^{n} {}_n C_k (-1)^k 2^{n-k}

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