$x^2 + y^2 = 1$ という制約条件のもとで、$f(x, y) = x - y$ の極値を、ペナルティ法を用いて求める問題です。

応用数学最適化ペナルティ法多変数関数制約付き最適化
2025/7/8

1. 問題の内容

x2+y2=1x^2 + y^2 = 1 という制約条件のもとで、f(x,y)=xyf(x, y) = x - y の極値を、ペナルティ法を用いて求める問題です。

2. 解き方の手順

ペナルティ法では、制約条件を満たさない場合にペナルティを与える関数を導入し、制約なしの最適化問題に帰着させます。ここでは、g(x,y)=x2+y21g(x, y) = x^2 + y^2 - 1 として、ペナルティ関数 P(x,y)=12(x2+y21)2P(x, y) = \frac{1}{2} (x^2 + y^2 - 1)^2 を導入します。
ペナルティパラメータを μ>0\mu > 0 として、拡張された目的関数は次のようになります。
Q(x,y;μ)=f(x,y)+μ2g(x,y)2=xy+μ2(x2+y21)2Q(x, y; \mu) = f(x, y) + \frac{\mu}{2} g(x, y)^2 = x - y + \frac{\mu}{2} (x^2 + y^2 - 1)^2
この Q(x,y;μ)Q(x, y; \mu) の極値を求めるために、偏微分を計算し、それらをゼロと置きます。
Qx=1+μ(x2+y21)(2x)=0\frac{\partial Q}{\partial x} = 1 + \mu (x^2 + y^2 - 1) (2x) = 0
Qy=1+μ(x2+y21)(2y)=0\frac{\partial Q}{\partial y} = -1 + \mu (x^2 + y^2 - 1) (2y) = 0
上の2式より
1+2μx(x2+y21)=01 + 2\mu x (x^2 + y^2 - 1) = 0
1+2μy(x2+y21)=0-1 + 2\mu y (x^2 + y^2 - 1) = 0
この2式を足すと
2μ(x+y)(x2+y21)=02\mu(x+y)(x^2+y^2-1) = 0
μ0\mu \neq 0 より
x+y=0x+y=0 または x2+y2=1x^2 + y^2 = 1
もし x2+y2=1x^2+y^2=1 なら、上の2式は 1=01=01=0-1=0 になり矛盾。よって x+y=0x+y=0. つまり、y=xy = -x
これを x2+y2=1x^2 + y^2 = 1 に代入すると、x2+(x)2=1x^2 + (-x)^2 = 1となり、2x2=12x^2 = 1 より x=±12x = \pm \frac{1}{\sqrt{2}}
したがって、(x,y)=(12,12)(x, y) = (\frac{1}{\sqrt{2}}, -\frac{1}{\sqrt{2}}) または (x,y)=(12,12)(x, y) = (-\frac{1}{\sqrt{2}}, \frac{1}{\sqrt{2}})
f(x,y)=xyf(x,y) = x - y について考えると
(x,y)=(12,12)(x, y) = (\frac{1}{\sqrt{2}}, -\frac{1}{\sqrt{2}}) のとき、f(x,y)=12(12)=22=2f(x, y) = \frac{1}{\sqrt{2}} - (-\frac{1}{\sqrt{2}}) = \frac{2}{\sqrt{2}} = \sqrt{2} (最大値)
(x,y)=(12,12)(x, y) = (-\frac{1}{\sqrt{2}}, \frac{1}{\sqrt{2}}) のとき、f(x,y)=1212=22=2f(x, y) = -\frac{1}{\sqrt{2}} - \frac{1}{\sqrt{2}} = -\frac{2}{\sqrt{2}} = -\sqrt{2} (最小値)

3. 最終的な答え

最大値: 2\sqrt{2} (座標 (12,12)(\frac{1}{\sqrt{2}}, -\frac{1}{\sqrt{2}}))
最小値: 2-\sqrt{2} (座標 (12,12)(-\frac{1}{\sqrt{2}}, \frac{1}{\sqrt{2}}))

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