ある疾病Xを検査する試薬Aがある。 - 陽性と判定された被験者の25%は誤り(実際は罹患していない)。 - 試薬Aは10%の割合で誤った判定をする。 (1) 被験者全体のうち、疾病Xに罹患している者の割合を求める。 (2) 無作為に選ばれた被験者が試薬Aで陰性と判定されたとき、実際には疾病Xに罹患している確率を求める。

確率論・統計学条件付き確率ベイズの定理確率統計
2025/7/8

1. 問題の内容

ある疾病Xを検査する試薬Aがある。
- 陽性と判定された被験者の25%は誤り(実際は罹患していない)。
- 試薬Aは10%の割合で誤った判定をする。
(1) 被験者全体のうち、疾病Xに罹患している者の割合を求める。
(2) 無作為に選ばれた被験者が試薬Aで陰性と判定されたとき、実際には疾病Xに罹患している確率を求める。

2. 解き方の手順

(1) 疾病Xに罹患している者の割合を求める。
* 罹患している者の割合を xx とする。
* 罹患していない者の割合は 1x1-x となる。
試薬Aが陽性と判定するのは、
* 実際に罹患していて正しく陽性と判定される場合。
* 実際には罹患していないが誤って陽性と判定される場合。
陽性と判定された被験者の25%が誤りであることから、以下の式が成り立つ。
(1x)×0.1x×0.9+(1x)×0.1=0.25\frac{(1-x) \times 0.1}{x \times 0.9 + (1-x) \times 0.1} = 0.25
この式を解いて xx を求める。
(2) 陰性と判定されたときに実際に疾病Xに罹患している確率を求める。
条件付き確率を求める。P(XY)P(X | Y)を「Yという条件のもとでXが起こる確率」と表記する。
今回は、P(罹患陰性判定)P(\text{罹患} | \text{陰性判定}) を求める。
ベイズの定理を用いる。
P(罹患陰性判定)=P(陰性判定罹患)×P(罹患)P(陰性判定)P(\text{罹患} | \text{陰性判定}) = \frac{P(\text{陰性判定} | \text{罹患}) \times P(\text{罹患})}{P(\text{陰性判定})}
P(罹患)=xP(\text{罹患}) = x
P(陰性判定罹患)=0.1P(\text{陰性判定} | \text{罹患}) = 0.1
P(陰性判定)=P(陰性判定罹患)×P(罹患)+P(陰性判定非罹患)×P(非罹患)=0.1×x+0.9×(1x)P(\text{陰性判定}) = P(\text{陰性判定} | \text{罹患}) \times P(\text{罹患}) + P(\text{陰性判定} | \text{非罹患}) \times P(\text{非罹患}) = 0.1 \times x + 0.9 \times (1-x)

3. 最終的な答え

(1)
(1x)×0.1x×0.9+(1x)×0.1=0.25\frac{(1-x) \times 0.1}{x \times 0.9 + (1-x) \times 0.1} = 0.25
(1x)×0.1=0.25×(0.9x+0.10.1x)(1-x) \times 0.1 = 0.25 \times (0.9x + 0.1 - 0.1x)
0.10.1x=0.25×(0.8x+0.1)0.1 - 0.1x = 0.25 \times (0.8x + 0.1)
0.10.1x=0.2x+0.0250.1 - 0.1x = 0.2x + 0.025
0.075=0.3x0.075 = 0.3x
x=0.25x = 0.25
疾病Xに罹患している者の割合:25%
(2)
P(罹患陰性判定)=0.1×0.250.1×0.25+0.9×0.75=0.0250.025+0.675=0.0250.7=25700=128P(\text{罹患} | \text{陰性判定}) = \frac{0.1 \times 0.25}{0.1 \times 0.25 + 0.9 \times 0.75} = \frac{0.025}{0.025 + 0.675} = \frac{0.025}{0.7} = \frac{25}{700} = \frac{1}{28}
陰性と判定されたときに実際に疾病Xに罹患している確率:128\frac{1}{28}

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