必要条件と十分条件の定義を確認します。
* 「P ならば Q」が真であるとき、P は Q であるための十分条件、Q は P であるための必要条件であると言います。
* 「P ならば Q」と「Q ならば P」の両方が真であるとき、P は Q であるための必要十分条件であると言います。
まず、a=b ならば ax=bx が成り立つか検討します。 ax=bx と仮定すると、ax−bx=0 となり、x(a−b)=0 です。a=b なので、a−b=0 となります。したがって、x=0 であれば ax=bx となり、ax=bx は成り立ちません。 したがって、a=b ならば ax=bx は一般には成り立ちません。例えば、x=0 の場合、a=b であっても ax=0、bx=0 となり、ax=bx が成立します。 次に、ax=bx ならば a=b が成り立つか検討します。 ax=bx を仮定すると、ax−bx=0 となり、x(a−b)=0 です。したがって、x=0 かつ a−b=0 である必要があります。a−b=0 より、a=b となります。 したがって、ax=bx ならば a=b が成立します。 以上より、ax=bx ならば a=b は真ですが、a=b ならば ax=bx は真ではありません。つまり、a=b は ax=bx であるための必要条件ですが、十分条件ではありません。