$xy$平面上の放物線 $y = x^2 - 1$ と円 $x^2 + y^2 = r^2$ (ただし $r > 0$)の共有点の個数が最大になるような $r$ の値の範囲を求めよ。

代数学放物線共有点判別式二次方程式
2025/7/8

1. 問題の内容

xyxy平面上の放物線 y=x21y = x^2 - 1 と円 x2+y2=r2x^2 + y^2 = r^2 (ただし r>0r > 0)の共有点の個数が最大になるような rr の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、放物線と円の式から x,yx, y を消去して、rr の関係式を求める。
x2=y+1x^2 = y + 1x2+y2=r2x^2 + y^2 = r^2 に代入すると、
y+1+y2=r2y + 1 + y^2 = r^2
y2+y+1r2=0y^2 + y + 1 - r^2 = 0
この yy の2次方程式の実数解の個数と、もとの放物線と円の共有点の個数は対応する。なぜなら、yy の値が決まれば x2=y+1x^2 = y+1 より、x=±y+1x = \pm \sqrt{y+1} が得られ、y1y \ge -1 であれば2つの xx が得られるからである。もし y=1y = -1 であれば x=0x = 0 となり、xx の値は1つに決まる。
y<1y<-1 のときは実数解は存在しない。
yy の2次方程式の判別式を DD とすると、
D=124(1r2)=14+4r2=4r23D = 1^2 - 4(1 - r^2) = 1 - 4 + 4r^2 = 4r^2 - 3
D>0D > 0 のとき、2つの異なる実数解を持つ。D=0D = 0 のとき、重解を持つ。D<0D < 0 のとき、実数解を持たない。
したがって、4r23>04r^2 - 3 > 0 より、r2>34r^2 > \frac{3}{4} なので、r>32r > \frac{\sqrt{3}}{2} である。
また、y2+y+1r2=0y^2 + y + 1 - r^2 = 0 の解は
y=1±4r232y = \frac{-1 \pm \sqrt{4r^2 - 3}}{2}
ここで、y1y \ge -1 でなければならない。
もし2つの解がともに y1y \ge -1 であれば、共有点は4つとなる。
もし1つの解のみが y1y \ge -1 であれば、共有点は2つとなる。
もし解が y=1y = -1 であれば、共有点は3つとなる。
2つの解がともに y<1y < -1 であれば、共有点は0個となる。
y=1+4r232y = \frac{-1 + \sqrt{4r^2 - 3}}{2}y=14r232y = \frac{-1 - \sqrt{4r^2 - 3}}{2} である。
yy の2次方程式の解が2つとも y1y \ge -1 となる条件は、解と係数の関係より
2つの解の和: 12-1 \ge -2 これは常に成り立つ。
2つの解の積: 1r211 - r^2 \ge 1 より r20r^2 \le 0 r>0r > 0 より不適。
よって解の一つが -1より小さくなる可能性を考える。
大きい方の解が y=1y = -1 になるときを考える。
y=1y=-1y2+y+1r2=0y^2 + y + 1 - r^2 = 0 に代入すると、
11+1r2=01 - 1 + 1 - r^2 = 0 より r2=1r^2 = 1 r=1r=1
r=1r=1 のとき、解は y=1,0y = -1, 0 となるので、共有点は3個。
共有点が4個となる条件は、32<r<1 \frac{\sqrt{3}}{2} < r < 1 では、yy の2つの解の大きい方は 1<y<0-1 < y < 0 となり、小さい方は y<1y < -1 となるので、xx が実数解を持たない。したがって共有点は2個となる。
r=1r=1 のとき、y=0y = 0 なので、x=±1x = \pm 1 。共有点は (1,0),(1,0)(1, 0), (-1, 0) と、y=1y = -1 のときの (0,1)(0, -1) の計3点となる。
r>1r > 1 のとき、D>0D>0 より2つの実数解を持つ。2つの解 y1,y2y_1, y_2 について、y1>1y_1 > -1 かつ y2>1y_2 > -1 となるための rr の条件を考える。f(y)=y2+y+1r2f(y) = y^2 + y + 1 - r^2 とすると、f(1)=1>0f(-1) = 1 > 0 となる必要があり、1r2>01 - r^2 > 0 より r<1r < 1
ところが、yy の2つの解 y1,y2y_1, y_2 がともに 1<y<0-1 < y < 0 を満たすとき、 f(1)>0f(-1) > 0 かつ f(0)<0f(0) < 0 であり、 f(0)=1r2<0f(0) = 1 - r^2 < 0 より r>1r > 1 となる。
r=5/2r = \sqrt{5}/2のとき、y=1±532=1±22y = \frac{-1 \pm \sqrt{5-3}}{2} = \frac{-1 \pm \sqrt{2}}{2}y1=1+220.207>1y_1 = \frac{-1 + \sqrt{2}}{2} \approx 0.207 > -1 であり、y2=1221.207<1y_2 = \frac{-1 - \sqrt{2}}{2} \approx -1.207 < -1 なので、共有点は2つとなる。
r=2r = \sqrt{2}のとき、y=1±832=1±52y = \frac{-1 \pm \sqrt{8-3}}{2} = \frac{-1 \pm \sqrt{5}}{2}y1=1+520.618>1y_1 = \frac{-1 + \sqrt{5}}{2} \approx 0.618 > -1 であり、y2=1521.618<1y_2 = \frac{-1 - \sqrt{5}}{2} \approx -1.618 < -1 なので、共有点は2つとなる。
共有点が4つとなるのは、x2+(x21)2=r2x^2 + (x^2 - 1)^2 = r^2 が4つの実数解を持つとき。
x4x2+1r2=0x^4 - x^2 + 1 - r^2 = 0
t=x2t = x^2 とすると、t2t+1r2=0t^2 - t + 1 - r^2 = 0。これが正の実数解を2つ持つとき、xx は4つの実数解を持つ。
t=1±14(1r2)2=1±4r232t = \frac{1 \pm \sqrt{1 - 4(1 - r^2)}}{2} = \frac{1 \pm \sqrt{4r^2 - 3}}{2}
4r23>04r^2 - 3 > 0 より、r>32r > \frac{\sqrt{3}}{2}。また、t1,t2>0t_1, t_2 > 0 なので、t1+t2=1>0t_1+t_2 = 1 > 0 かつ t1t2=1r2>0t_1t_2 = 1 - r^2 > 0 より、r<1r < 1

3. 最終的な答え

32<r<1\frac{\sqrt{3}}{2} < r < 1

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