関数 $f: X \rightarrow Y$ と部分集合 $A, B \subset X$ および $C, D \subset Y$ が与えられているとき、以下の2つの包含関係の逆の包含関係が一般的に正しいかどうかを議論する問題です。 (1) $f^{-1}(f(A)) \supset A$ (2) $f(X \setminus A) \supset f(X) \setminus f(A)$
2025/7/9
1. 問題の内容
関数 と部分集合 および が与えられているとき、以下の2つの包含関係の逆の包含関係が一般的に正しいかどうかを議論する問題です。
(1)
(2)
2. 解き方の手順
(1) について
まず、 が常に成り立つことを示す必要があります。
ならば です。したがって、 となります。
よって、 は常に成り立ちます。
逆の包含関係 は、一般には成り立ちません。
反例として、(定数関数)と で となるものを考えます。
このとき、 となり、 となります。
なので、 となります。
したがって、 の逆は一般には正しくありません。
(2) について
が成り立つことを示す必要があります。
ならば、 かつ です。
なので、 が存在して です。
なので、 です。
したがって、 であり、 となります。
よって、 は常に成り立ちます。
逆の包含関係 は、一般には成り立ちません。
反例として、 と および を考えます。
このとき、 となり、 です。
かつ なので、 となります。
この場合はたまたま、が成り立ちます。
別の例を考えます。
(定数関数)と と で かつ となるものを考えます。
このとき、 なので、 です。
また、 かつ なので、 です。
このとき、 となります。
したがって、 の逆は一般には正しくありません。
3. 最終的な答え
(1) の逆は一般には正しくありません。
(2) の逆は一般には正しくありません。