斜辺の長さが $p$、他の2辺の長さが $q, r$ である直角三角形について、以下の条件を満たすものを考える。 (a) $p, q, r$ は自然数であり、そのうち少なくとも2つは素数である。 (b) $p + q + r = 132$ (1) $q, r$ のどちらかは偶数であることを示す。 (2) $p, q, r$ の組をすべて求める。

算数ピタゴラスの定理直角三角形整数問題素数
2025/7/9

1. 問題の内容

斜辺の長さが pp、他の2辺の長さが q,rq, r である直角三角形について、以下の条件を満たすものを考える。
(a) p,q,rp, q, r は自然数であり、そのうち少なくとも2つは素数である。
(b) p+q+r=132p + q + r = 132
(1) q,rq, r のどちらかは偶数であることを示す。
(2) p,q,rp, q, r の組をすべて求める。

2. 解き方の手順

(1) q,rq, r のどちらかは偶数であることを示す。
p,q,rp, q, r は直角三角形の辺の長さなので、ピタゴラスの定理より p2=q2+r2p^2 = q^2 + r^2 が成り立つ。
p+q+r=132p + q + r = 132 より、p=132(q+r)p = 132 - (q + r)
これを p2=q2+r2p^2 = q^2 + r^2 に代入すると、(132(q+r))2=q2+r2(132 - (q + r))^2 = q^2 + r^2 となる。
展開して整理すると、
1322264(q+r)+(q+r)2=q2+r2132^2 - 264(q + r) + (q + r)^2 = q^2 + r^2
1322264q264r+q2+2qr+r2=q2+r2132^2 - 264q - 264r + q^2 + 2qr + r^2 = q^2 + r^2
1322264q264r+2qr=0132^2 - 264q - 264r + 2qr = 0
2qr=264(q+r)13222qr = 264(q + r) - 132^2
qr=132(q+r)132×66qr = 132(q + r) - 132 \times 66
qr=132(q+r66)qr = 132(q + r - 66)
ここで、q,rq, r がともに奇数であると仮定すると、q+rq + r は偶数なので、q+r66q + r - 66 も偶数となる。
したがって、qrqr は偶数になる。
しかし、q,rq, r がともに奇数であると仮定したので、qrqr は奇数となり矛盾する。
よって、q,rq, r のどちらかは偶数である。
(2) p,q,rp, q, r の組をすべて求める。
q,rq, r のどちらかが偶数なので、ここでは qq が偶数であると仮定する。
qq は素数であるか、または自然数である。
もし、qq が素数であれば、q=2q = 2 である。
p+r=130p + r = 130
p2=4+r2p^2 = 4 + r^2
p=130rp = 130 - r より、
(130r)2=4+r2(130 - r)^2 = 4 + r^2
1302260r+r2=4+r2130^2 - 260r + r^2 = 4 + r^2
16900260r=416900 - 260r = 4
260r=16896260r = 16896
r=16896/260=64.98...r = 16896 / 260 = 64.98...
これは自然数ではないので、q=2q = 2 の場合は不適。
p2=q2+r2p^2 = q^2 + r^2
p+q+r=132p + q + r = 132 より、p=132qrp = 132 - q - r
(132qr)2=q2+r2(132 - q - r)^2 = q^2 + r^2
1322+q2+r2264q264r+2qr+264qr=q2+r2132^2 + q^2 + r^2 - 264q - 264r + 2qr + 264qr = q^2 + r^2
1322264q264r+2qr=0132^2 - 264q - 264r + 2qr = 0
p,q,rp, q, r の少なくとも2つは素数である。
ここで、qqが偶数で素数でない場合、rrが素数である必要がある。
r=2r = 2であると仮定する。
p+q=130p + q = 130
p2=q2+4p^2 = q^2 + 4
p=130qp = 130 - q
(130q)2=q2+4(130 - q)^2 = q^2 + 4
1302260q+q2=q2+4130^2 - 260q + q^2 = q^2 + 4
16900260q=416900 - 260q = 4
260q=16896260q = 16896
q=64.98q = 64.98 (自然数ではない)
したがって、r2r \neq 2
p,rp, r が素数であると仮定すると、p,rp, r は奇数である。p=5,r=3,q=124p=5, r=3, q=124は偶数。
p,qp, qがともに素数の場合を考える。
q+r=132pq+r=132-p.
このとき、p2=q2+r2p^2=q^2+r^2.
r=132pqr = 132-p-q.
p=5,q=3p = 5, q = 3 のとき 52=32+r25^2 = 3^2+r^2 から r=4r=4.
p+q+r=5+3+4=12132p+q+r=5+3+4 = 12\neq132なので不適。
5,13,1305, 13, 130
p=61,q=60,r=11p=61, q = 60, r = 11
p+q+r=132p+q+r=132
p=61,q=11p=61, q=11 のとき r=60r=60.
612=112+60261^2 = 11^2 + 60^2
3721=121+36003721 = 121 + 3600
3721=37213721 = 3721
p=61p = 61, q=11q = 11 (r=60r = 60は偶数) は条件を満たす。
61,11,6061, 11, 60
また、61,60,1161, 60, 11の組み合わせも可能。

3. 最終的な答え

(p,q,r)=(61,11,60),(61,60,11)(p, q, r) = (61, 11, 60), (61, 60, 11)

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