点A(1, 2)を通り、傾きが $m$ の直線を $l$ とする。直線 $l$ と放物線 $C: y = x^2$ で囲まれる部分の面積 $S$ が最小となるような定数 $m$ の値と、そのときの面積 $S$ の最小値を求める。

解析学積分面積放物線直線最小値
2025/7/9

1. 問題の内容

点A(1, 2)を通り、傾きが mm の直線を ll とする。直線 ll と放物線 C:y=x2C: y = x^2 で囲まれる部分の面積 SS が最小となるような定数 mm の値と、そのときの面積 SS の最小値を求める。

2. 解き方の手順

(1) 直線 ll の方程式を求める。
点(1, 2)を通り傾きが mm の直線の方程式は、
y2=m(x1)y - 2 = m(x - 1)
y=mxm+2y = mx - m + 2
(2) 直線 ll と放物線 CC の交点の xx 座標を求める。
x2=mxm+2x^2 = mx - m + 2
x2mx+m2=0x^2 - mx + m - 2 = 0
この2次方程式の解を α\alpha, β\beta (α<β)(\alpha < \beta) とすると、解と係数の関係より、
α+β=m\alpha + \beta = m
αβ=m2\alpha \beta = m - 2
(3) 面積 SSα\alphaβ\beta を用いて表す。
S=αβ(mxm+2x2)dxS = \int_{\alpha}^{\beta} (mx - m + 2 - x^2) dx
S=αβ(x2+mxm+2)dxS = \int_{\alpha}^{\beta} (-x^2 + mx - m + 2) dx
S=αβ(xα)(xβ)dxS = \int_{\alpha}^{\beta} -(x - \alpha)(x - \beta) dx
S=16(βα)3S = \frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3
(4) (βα)2(\beta - \alpha)^2mm を用いて表す。
(βα)2=(α+β)24αβ(\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta
(βα)2=m24(m2)(\beta - \alpha)^2 = m^2 - 4(m - 2)
(βα)2=m24m+8(\beta - \alpha)^2 = m^2 - 4m + 8
(βα)2=(m2)2+4(\beta - \alpha)^2 = (m - 2)^2 + 4
(5) 面積 SSmm を用いて表す。
S=16((m2)2+4)32S = \frac{1}{6}((m - 2)^2 + 4)^{\frac{3}{2}}
(6) 面積 SS が最小となる mm の値を求める。
SS が最小となるのは、(m2)2+4(m - 2)^2 + 4 が最小となるとき。
(m2)20(m - 2)^2 \ge 0 より、m=2m = 2 のとき最小値4をとる。
(7) m=2m = 2 のときの面積 SS の最小値を求める。
m=2m = 2 のとき、
S=16(0+4)32=16432=16(22)32=1623=86=43S = \frac{1}{6}(0 + 4)^{\frac{3}{2}} = \frac{1}{6} \cdot 4^{\frac{3}{2}} = \frac{1}{6} \cdot (2^2)^{\frac{3}{2}} = \frac{1}{6} \cdot 2^3 = \frac{8}{6} = \frac{4}{3}

3. 最終的な答え

m=2m = 2 のとき、面積 SS は最小値 43\frac{4}{3} をとる。

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