大小2つのサイコロを投げる。大きいサイコロの出た目を2倍、小さいサイコロの出た目に1を加えたものをそれぞれ得点とする。このとき、2つのサイコロを投げたときに得られる得点の分散を求める。

確率論・統計学分散確率変数期待値サイコロ
2025/7/9

1. 問題の内容

大小2つのサイコロを投げる。大きいサイコロの出た目を2倍、小さいサイコロの出た目に1を加えたものをそれぞれ得点とする。このとき、2つのサイコロを投げたときに得られる得点の分散を求める。

2. 解き方の手順

まず、大きいサイコロと小さいサイコロの出る目の組み合わせを考える。大きいサイコロの出目は1から6、小さいサイコロの出目も1から6である。
大きいサイコロの得点は2,4,6,8,10,122, 4, 6, 8, 10, 12、小さいサイコロの得点は2,3,4,5,6,72, 3, 4, 5, 6, 7となる。
次に、大きいサイコロの得点をXX, 小さいサイコロの得点をYYとする。XXYYは独立である。
得点の合計Z=X+YZ = X + Y の分散を求める。分散の性質から、独立な確率変数XXYYに対して、
V(X+Y)=V(X)+V(Y)V(X+Y) = V(X) + V(Y)が成り立つ。ここで、V(X)V(X)XXの分散、V(Y)V(Y)YYの分散を表す。
したがって、XXYYそれぞれの分散を求めればよい。
まず、XXについて考える。
XXの取りうる値は2,4,6,8,10,122, 4, 6, 8, 10, 12で、それぞれ確率1/61/6で出現する。
XXの期待値 E(X)=16(2+4+6+8+10+12)=426=7E(X) = \frac{1}{6}(2+4+6+8+10+12) = \frac{42}{6} = 7
X2X^2の期待値 E(X2)=16(22+42+62+82+102+122)=16(4+16+36+64+100+144)=3646=1823E(X^2) = \frac{1}{6}(2^2+4^2+6^2+8^2+10^2+12^2) = \frac{1}{6}(4+16+36+64+100+144) = \frac{364}{6} = \frac{182}{3}
XXの分散 V(X)=E(X2)[E(X)]2=182372=182349=1821473=353V(X) = E(X^2) - [E(X)]^2 = \frac{182}{3} - 7^2 = \frac{182}{3} - 49 = \frac{182 - 147}{3} = \frac{35}{3}
次に、YYについて考える。
YYの取りうる値は2,3,4,5,6,72, 3, 4, 5, 6, 7で、それぞれ確率1/61/6で出現する。
YYの期待値 E(Y)=16(2+3+4+5+6+7)=276=92E(Y) = \frac{1}{6}(2+3+4+5+6+7) = \frac{27}{6} = \frac{9}{2}
Y2Y^2の期待値 E(Y2)=16(22+32+42+52+62+72)=16(4+9+16+25+36+49)=1396E(Y^2) = \frac{1}{6}(2^2+3^2+4^2+5^2+6^2+7^2) = \frac{1}{6}(4+9+16+25+36+49) = \frac{139}{6}
YYの分散 V(Y)=E(Y2)[E(Y)]2=1396(92)2=1396814=27824312=3512V(Y) = E(Y^2) - [E(Y)]^2 = \frac{139}{6} - (\frac{9}{2})^2 = \frac{139}{6} - \frac{81}{4} = \frac{278 - 243}{12} = \frac{35}{12}
したがって、ZZの分散は、
V(Z)=V(X)+V(Y)=353+3512=140+3512=17512V(Z) = V(X) + V(Y) = \frac{35}{3} + \frac{35}{12} = \frac{140 + 35}{12} = \frac{175}{12}

3. 最終的な答え

17512\frac{175}{12}

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