関数 $x^n$ の微分が $nx^{n-1}$ であることを、二項定理を用いて証明してください。

解析学微分関数二項定理極限
2025/7/9

1. 問題の内容

関数 xnx^n の微分が nxn1nx^{n-1} であることを、二項定理を用いて証明してください。

2. 解き方の手順

微分は、定義より
(xn)=limh0(x+h)nxnh (x^n)' = \lim_{h \to 0} \frac{(x+h)^n - x^n}{h}
で与えられます。ここで、二項定理を用いて (x+h)n(x+h)^n を展開します。
(x+h)n=k=0n(nk)xnkhk=xn+(n1)xn1h+(n2)xn2h2++hn (x+h)^n = \sum_{k=0}^{n} \binom{n}{k} x^{n-k} h^k = x^n + \binom{n}{1} x^{n-1} h + \binom{n}{2} x^{n-2} h^2 + \dots + h^n
この式を微分に代入すると
(xn)=limh0(xn+(n1)xn1h+(n2)xn2h2++hn)xnh (x^n)' = \lim_{h \to 0} \frac{(x^n + \binom{n}{1} x^{n-1} h + \binom{n}{2} x^{n-2} h^2 + \dots + h^n) - x^n}{h}
=limh0(n1)xn1h+(n2)xn2h2++hnh = \lim_{h \to 0} \frac{\binom{n}{1} x^{n-1} h + \binom{n}{2} x^{n-2} h^2 + \dots + h^n}{h}
=limh0((n1)xn1+(n2)xn2h++hn1) = \lim_{h \to 0} \left( \binom{n}{1} x^{n-1} + \binom{n}{2} x^{n-2} h + \dots + h^{n-1} \right)
h0h \to 0 の極限を取ると、 hh を含む項はすべて 0 になるので
(xn)=(n1)xn1 (x^n)' = \binom{n}{1} x^{n-1}
二項係数 (n1)\binom{n}{1}nn に等しいので
(xn)=nxn1 (x^n)' = n x^{n-1}
が得られます。

3. 最終的な答え

(xn)=nxn1(x^n)' = nx^{n-1}

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