問題3：実数 $\alpha$ に対して、$\lim_{x \to +\infty} x^\alpha$ の値を $\alpha$ に応じて分類せよ。 問題4：実数 $\alpha$ に対して、広義積分 $\int_1^\infty x^\alpha dx$ が存在するための $\alpha$ の条件を求め、そのときの積分の値を求めよ。

1. 問題の内容

問題3：実数 $\alpha$ に対して、$\lim_{x \to +\infty} x^\alpha$ の値を $\alpha$ に応じて分類せよ。

問題4：実数 $\alpha$ に対して、広義積分 $\int_1^\infty x^\alpha dx$ が存在するための $\alpha$ の条件を求め、そのときの積分の値を求めよ。

2. 解き方の手順

問題3：

(i) $\alpha > 0$ のとき: $x$ が正の無限大に近づくと、$x^\alpha$ も正の無限大に近づく。

$$\lim_{x \to +\infty} x^\alpha = +\infty$$

(ii) $\alpha = 0$ のとき: $x^\alpha = x^0 = 1$ なので、極限は1になる。

$$\lim_{x \to +\infty} x^\alpha = 1$$

(iii) $\alpha < 0$ のとき: $\alpha = - \beta$ （$\beta > 0$）とすると、$x^\alpha = x^{-\beta} = \frac{1}{x^\beta}$。 $x$ が正の無限大に近づくと、$x^\beta$ も正の無限大に近づくので、$\frac{1}{x^\beta}$ は0に近づく。

$$\lim_{x \to +\infty} x^\alpha = 0$$

問題4：

広義積分 $\int_1^\infty x^\alpha dx$ を考える。

まず、不定積分を計算する。$\alpha \neq -1$ のとき、

$$\int x^\alpha dx = \frac{x^{\alpha+1}}{\alpha+1} + C$$

したがって、

$$\int_1^\infty x^\alpha dx = \lim_{t \to \infty} \int_1^t x^\alpha dx = \lim_{t \to \infty} \left[ \frac{x^{\alpha+1}}{\alpha+1} \right]_1^t = \lim_{t \to \infty} \left( \frac{t^{\alpha+1}}{\alpha+1} - \frac{1}{\alpha+1} \right)$$

この極限が存在するためには、$\alpha + 1 < 0$ である必要がある。つまり、$\alpha < -1$。

$\alpha < -1$ のとき、$\lim_{t \to \infty} t^{\alpha+1} = 0$ なので、

$$\int_1^\infty x^\alpha dx = \lim_{t \to \infty} \left( \frac{t^{\alpha+1}}{\alpha+1} - \frac{1}{\alpha+1} \right) = - \frac{1}{\alpha+1}$$

$\alpha = -1$ のとき、

$$\int_1^\infty x^{-1} dx = \int_1^\infty \frac{1}{x} dx = \lim_{t \to \infty} \int_1^t \frac{1}{x} dx = \lim_{t \to \infty} [\ln x]_1^t = \lim_{t \to \infty} (\ln t - \ln 1) = \lim_{t \to \infty} \ln t = \infty$$

したがって、積分は発散する。

3. 最終的な答え

問題3：

$\alpha > 0$ のとき: $\lim_{x \to +\infty} x^\alpha = +\infty$

$\alpha = 0$ のとき: $\lim_{x \to +\infty} x^\alpha = 1$

$\alpha < 0$ のとき: $\lim_{x \to +\infty} x^\alpha = 0$

問題4：

積分 $\int_1^\infty x^\alpha dx$ が存在するための条件は $\alpha < -1$ であり、そのときの積分の値は $-\frac{1}{\alpha+1}$ である。