正方行列 $A$ が正則であるための必要十分条件は、$A$ の固有値がすべて $0$ でないことを示す問題です。

代数学線形代数正方行列正則固有値行列式必要十分条件
2025/7/10

1. 問題の内容

正方行列 AA が正則であるための必要十分条件は、AA の固有値がすべて 00 でないことを示す問題です。

2. 解き方の手順

必要十分条件なので、以下の2つの方向を示す必要があります。
(i) AA が正則 \Longrightarrow AA の固有値はすべて 00 でない。
(ii) AA の固有値はすべて 00 でない \Longrightarrow AA が正則。
(i) AA が正則であると仮定します。このとき、AA は逆行列 A1A^{-1} を持ちます。
もし、AA が固有値 λ=0\lambda = 0 を持つとすると、あるベクトル v0\mathbf{v} \neq \mathbf{0} が存在して、Av=λv=0v=0A\mathbf{v} = \lambda\mathbf{v} = 0\mathbf{v} = \mathbf{0} となります。
もし A1A^{-1} が存在すれば、A1Av=A10A^{-1}A\mathbf{v} = A^{-1}\mathbf{0}。つまり Iv=v=0I\mathbf{v} = \mathbf{v} = \mathbf{0}となり、これは v0\mathbf{v} \neq \mathbf{0} に矛盾します。
したがって、AA が正則ならば、AA の固有値はすべて 00 でないことが示されました。
(ii) AA の固有値がすべて 00 でないと仮定します。つまり、AA の固有値を λ1,λ2,...,λn\lambda_1, \lambda_2, ..., \lambda_n とすると、すべての ii に対して λi0\lambda_i \neq 0 です。
行列 AA の行列式 det(A)\det(A) は、その固有値の積に等しいことが知られています。
つまり、
det(A)=λ1λ2...λn\det(A) = \lambda_1 \lambda_2 ... \lambda_n
すべての λi0\lambda_i \neq 0 であるから、det(A)0\det(A) \neq 0 となります。
行列式が 00 でない行列は正則であるため、AA は正則となります。

3. 最終的な答え

正方行列 AA が正則である必要十分条件は、AA の固有値がすべて 00 でないことです。

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