1. 問題の内容
正方行列 が正則であるための必要十分条件は、 の固有値がすべて でないことを示す問題です。
2. 解き方の手順
必要十分条件なので、以下の2つの方向を示す必要があります。
(i) が正則 の固有値はすべて でない。
(ii) の固有値はすべて でない が正則。
(i) が正則であると仮定します。このとき、 は逆行列 を持ちます。
もし、 が固有値 を持つとすると、あるベクトル が存在して、 となります。
もし が存在すれば、。つまり となり、これは に矛盾します。
したがって、 が正則ならば、 の固有値はすべて でないことが示されました。
(ii) の固有値がすべて でないと仮定します。つまり、 の固有値を とすると、すべての に対して です。
行列 の行列式 は、その固有値の積に等しいことが知られています。
つまり、
すべての であるから、 となります。
行列式が でない行列は正則であるため、 は正則となります。
3. 最終的な答え
正方行列 が正則である必要十分条件は、 の固有値がすべて でないことです。