関数 $f(x) = \frac{x^3}{x^2+1}$ の増減を調べ、そのグラフを描く。

解析学関数の増減グラフ微分奇関数漸近線
2025/7/10

1. 問題の内容

関数 f(x)=x3x2+1f(x) = \frac{x^3}{x^2+1} の増減を調べ、そのグラフを描く。

2. 解き方の手順

(1) 定義域
関数 f(x)f(x) の定義域は、分母が0にならないすべての実数である。すなわち、x2+10x^2+1 \neq 0 であるから、すべての実数 xx が定義域である。
(2) 対称性
f(x)=(x)3(x)2+1=x3x2+1=f(x)f(-x) = \frac{(-x)^3}{(-x)^2+1} = \frac{-x^3}{x^2+1} = -f(x) であるから、f(x)f(x) は奇関数である。したがって、グラフは原点に関して対称である。
(3) 極値
f(x)f'(x) を計算する。
f(x)=(3x2)(x2+1)x3(2x)(x2+1)2=3x4+3x22x4(x2+1)2=x4+3x2(x2+1)2=x2(x2+3)(x2+1)2f'(x) = \frac{(3x^2)(x^2+1) - x^3(2x)}{(x^2+1)^2} = \frac{3x^4+3x^2-2x^4}{(x^2+1)^2} = \frac{x^4+3x^2}{(x^2+1)^2} = \frac{x^2(x^2+3)}{(x^2+1)^2}
f(x)=0f'(x) = 0 となるのは x2(x2+3)=0x^2(x^2+3)=0 のときである。x2+3>0x^2+3 > 0 なので、x2=0x^2=0 より x=0x=0 のみが解となる。
f(x)f'(x) は常に0以上なので、x=0x=0 において極値を持たない。
(4) 増減
f(x)=x2(x2+3)(x2+1)2f'(x) = \frac{x^2(x^2+3)}{(x^2+1)^2} より、f(x)0f'(x) \geq 0 である。
x0x \neq 0 のとき f(x)>0f'(x) > 0 であるから、f(x)f(x) は単調増加である。
(5) 漸近線
limxf(x)x=limxx3x(x2+1)=limxx2x2+1=1\lim_{x \to \infty} \frac{f(x)}{x} = \lim_{x \to \infty} \frac{x^3}{x(x^2+1)} = \lim_{x \to \infty} \frac{x^2}{x^2+1} = 1
limx(f(x)x)=limx(x3x2+1x)=limxx3x(x2+1)x2+1=limxxx2+1=0\lim_{x \to \infty} (f(x) - x) = \lim_{x \to \infty} (\frac{x^3}{x^2+1} - x) = \lim_{x \to \infty} \frac{x^3 - x(x^2+1)}{x^2+1} = \lim_{x \to \infty} \frac{-x}{x^2+1} = 0
したがって、y=xy=x は漸近線である。
limxf(x)x=limxx3x(x2+1)=limxx2x2+1=1\lim_{x \to -\infty} \frac{f(x)}{x} = \lim_{x \to -\infty} \frac{x^3}{x(x^2+1)} = \lim_{x \to -\infty} \frac{x^2}{x^2+1} = 1
limx(f(x)x)=limx(x3x2+1x)=limxx3x(x2+1)x2+1=limxxx2+1=0\lim_{x \to -\infty} (f(x) - x) = \lim_{x \to -\infty} (\frac{x^3}{x^2+1} - x) = \lim_{x \to -\infty} \frac{x^3 - x(x^2+1)}{x^2+1} = \lim_{x \to -\infty} \frac{-x}{x^2+1} = 0
したがって、y=xy=x は漸近線である。
(6) その他
f(0)=01=0f(0) = \frac{0}{1} = 0
以上の情報をもとにグラフを描く。

3. 最終的な答え

関数 f(x)=x3x2+1f(x) = \frac{x^3}{x^2+1} は、定義域が全ての実数であり、原点に関して対称な奇関数である。
f(x)=x2(x2+3)(x2+1)20f'(x) = \frac{x^2(x^2+3)}{(x^2+1)^2} \geq 0 であり、常に単調増加である。
漸近線は y=xy=x である。
f(0)=0f(0) = 0 である。
グラフはこれらの情報から描画できる。

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