(1)
まず、アレル頻度を求めます。暗色型のアレルをA、明色型のアレルをaとします。明色型の個体の割合が20%なので、aのアレル頻度をqとすると、q2=0.2となります。 したがって、q=0.2≈0.447となります。 暗色型のアレル頻度をpとすると、p=1−q=1−0.2≈0.553となります。 次に、ヘテロ接合体(Aa)の割合が60%ということから、ハーディー・ワインベルグの法則と比較して考えます。ハーディー・ワインベルグの法則では、ヘテロ接合体の割合は2pqとなるはずですが、この問題では異なっています。ヘテロ接合体の割合が0.6であるという情報から、暗色型ホモ接合体(AA)の割合を求めます。 集団全体に占めるAA, Aa, aaの割合をそれぞれx, 0.6, 0.2とすると、x+0.6+0.2=1なので、x=0.2です。 よって、AA, Aa, aaの割合は0.2, 0.6, 0.2となります。
アレル頻度p, qはすでに求めたので、暗色型アレルAの頻度は0.553、明色型アレルaの頻度は0.447です。
(2)
暗色型どうしの交配(AA x AA, AA x Aa, Aa x Aa)から生まれる子どもの表現型の比率を求めます。
前提として、ハーディー・ワインベルグの法則が成立し、集団内の遺伝子型の割合はAA: p2, Aa: 2pq, aa: q2となります。 このとき、Aの頻度をp, aの頻度をqとすると、p2+2pq+q2=1を満たします。問題文から、遺伝子型の頻度に性差がなく、交配が無作為に行われ、かつ自然選択が働かない場合、集団はハーディーワインベルグ平衡にあるとみなせるので、この前提を使用します。 (1)より明色型(aa)の割合は20%なので、q2=0.2です。よって、q=0.2、p=1−0.2となります。 暗色型の遺伝子型はAAとAaなので、AAの割合はp2=(1−0.2)2=1−20.2+0.2=1.2−20.2、Aaの割合は2pq=2(1−0.2)(0.2)=20.2−0.4となります。 暗色型同士の交配はAA x AA, AA x Aa, Aa x Aaの3パターンです。
AA x AAからは100%暗色型の子どもが生まれます。
AA x Aaからは100%暗色型の子どもが生まれます。
Aa x Aaからは75%暗色型の子ども、25%明色型の子どもが生まれます。
暗色型同士の交配におけるAAの割合はAA+AaAA=p2+2pqp2=1.2−20.2+20.2−0.41.2−20.2=0.81.2−20.2=23−50.2となります。Aaの割合はAA+AaAa=p2+2pq2pq=0.820.2−0.4=250.2−1となります。 したがって、生まれる子どもの割合は、AA x AA: (23−50.2)2, AA x Aa: 2⋅(23−50.2)⋅(250.2−1), Aa x Aa: (250.2−1)2となります。 暗色型の割合は(23−50.2)2+2⋅(23−50.2)⋅(250.2−1)+0.75⋅(250.2−1)2 明色型の割合は0.25⋅(250.2−1)2 暗色型と明色型の比率は0.25⋅(250.2−1)2(23−50.2)2+2⋅(23−50.2)⋅(250.2−1)+0.75⋅(250.2−1)2=13(21)2 しかし、これは間違いで、より簡単な解き方があります。
AAとAaの割合をそれぞれp2と2pqとすると、暗色型どうしの交配から生まれる暗色型の割合は1 - (明色型の割合)となります。暗色型同士の交配において、明色型が生まれるのはAa x Aaの交配のみです。 Aa x Aaの交配からは25%の割合で明色型が生まれます。
暗色型同士の交配におけるAaの割合はAa/(AA+Aa)であるので、p2+2pq2pqとなります。 したがって、明色型の生まれる割合は(p2+2pq2pq)2×0.25となります。 (1)より、q=0.2, p=1−0.2であるから、(1−0.2)2+20.2(1−0.2)20.2(1−0.2)=1.2−20.220.2−0.4=3−50.250.2−1となります。 4(3−50.250.2−1)2が明色型の生まれる割合なので、暗色型の生まれる割合は1−4(3−50.250.2−1)2となります。 これより暗色型と明色型の比率を求めるのは難しいので、条件付き確率を考慮して考えます。
AAの頻度をx、Aaの頻度をyとすると、x+y=1−0.2=0.8となります。この時、p=x+2y、q=0.2+2yとなります。 暗色型どうしの交配はAA x AA, AA x Aa, Aa x Aaの3通りですが、AAの割合はx+yx=0.8x、Aaの割合は0.8yとなります。 AA x AAからは100%暗色型、AA x Aaからは100%暗色型、Aa x Aaからは75%暗色型と25%明色型が生まれるので、暗色型と明色型の比率は3:1となります。