## 1. 問題の内容

離散数学二項係数数列組み合わせ二項定理総和
2025/7/10
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1. 問題の内容

問題13.5Bについて
(1) nCkn C_k は数列 {an}\{a_n\} の第何項になるかを答える問題です。ただし、数列 {an}\{a_n\} は、二項係数 0C0,1C0,1C1,2C0,2C1,2C2,3C0,3C1,3C2,3C3,4C0, _0C_0, _1C_0, _1C_1, _2C_0, _2C_1, _2C_2, _3C_0, _3C_1, _3C_2, _3C_3, _4C_0, \dots のように並べられています。また、0C0=1 _0C_0 = 1 とします。
(2) k=12n2ak\sum_{k=1}^{2n^2} a_k を求める問題です。
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2. 解き方の手順

(1) 数列 {an}\{a_n\} の並び方から、mm段目までには、
0C0,1C0,1C1,2C0,2C1,2C2,,mC0,mC1,,mCm _0C_0, _1C_0, _1C_1, _2C_0, _2C_1, _2C_2, \dots, _mC_0, _mC_1, \dots, _mC_m
の項が含まれています。
k=0k=0からk=mk=mまでの組み合わせの総数はm+1m+1個なので、
00段目からmm段目までの項の数は、
i=0m(i+1)=i=1m+1i=(m+1)(m+2)2\sum_{i=0}^{m} (i+1) = \sum_{i=1}^{m+1} i = \frac{(m+1)(m+2)}{2}
個となります。
nCknC_k は、nn段目の k+1k+1 番目に現れるので、nCknC_k が数列の第何項になるかは、(n1)(n-1)段目までの項数に、k+1k+1 を足せばよいです。
したがって、nCknC_k
n(n+1)2+(k+1)=n(n+1)2+k+1\frac{n(n+1)}{2} + (k+1) = \frac{n(n+1)}{2} + k + 1
番目の項になります。
(2) k=12n2ak\sum_{k=1}^{2n^2} a_k を求めるためには、まず数列のどこまで足し合わせるかを考える必要があります。数列{an}\{a_n\}は、二項係数を順に並べた数列であるため、二項定理
(1+x)^m = \sum_{k=0}^{m} _mC_k x^k
を利用します。x=1x=1を代入すると
2^m = \sum_{k=0}^{m} _mC_k
となります。つまり、mm段目の項の総和は 2m2^m となります。
問題はk=12n2ak\sum_{k=1}^{2n^2} a_kを求めることでした。まず、m(m+1)22n2\frac{m(m+1)}{2} \le 2n^2を満たす最大の整数mmを求めます。するとmm段目までの総項数はm(m+1)2\frac{m(m+1)}{2}なので、残りの項数は2n2m(m+1)22n^2 - \frac{m(m+1)}{2}となります。
m(m+1)2m22\frac{m(m+1)}{2} \approx \frac{m^2}{2}なので、m4n2=2nm \approx \sqrt{4n^2} = 2nとなります。正確にはm(m+1)4n2m(m+1) \le 4n^2なので、m1+1+16n22m \le \frac{-1 + \sqrt{1+16n^2}}{2}となります。
二項係数の和は、
\sum_{k=1}^{2n^2} a_k = \sum_{i=0}^{m-1} 2^i + \sum_{j=0}^{2n^2 - \frac{m(m+1)}{2} - 1} _mC_j = \frac{2^m - 1}{2-1} + \sum_{j=0}^{2n^2 - \frac{m(m+1)}{2} - 1} _mC_j = 2^m - 1 + \sum_{j=0}^{2n^2 - \frac{m(m+1)}{2} - 1} _mC_j
この式をさらに簡略化することは難しいようです。
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3. 最終的な答え

(1) nCknC_k は数列 {an}\{a_n\} の第 n(n+1)2+k+1\frac{n(n+1)}{2} + k + 1 項。
(2) \sum_{k=1}^{2n^2} a_k = 2^m - 1 + \sum_{j=0}^{2n^2 - \frac{m(m+1)}{2} - 1} _mC_j
ここで、mmm(m+1)22n2\frac{m(m+1)}{2} \le 2n^2を満たす最大の整数。

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