正三角形の頂点をA, B, Cとし、P氏の駒をBに、Q氏の駒をAに置く。A氏から交互に硬貨を投げ、表が出たら自分の駒を反時計回りに1マス動かし、裏が出たら動かさない。駒を動かした結果、相手の駒があるマスに移動したら、その駒を動かした側の勝ちとなる。 (1) A氏が勝つ確率を求めよ。 (2) ゲームが終了するまでに硬貨が投げられた回数の期待値を求めよ。

確率論・統計学確率期待値無限等比数列
2025/7/11

1. 問題の内容

正三角形の頂点をA, B, Cとし、P氏の駒をBに、Q氏の駒をAに置く。A氏から交互に硬貨を投げ、表が出たら自分の駒を反時計回りに1マス動かし、裏が出たら動かさない。駒を動かした結果、相手の駒があるマスに移動したら、その駒を動かした側の勝ちとなる。
(1) A氏が勝つ確率を求めよ。
(2) ゲームが終了するまでに硬貨が投げられた回数の期待値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) A氏が勝つ確率
A氏が勝つのは、A氏が駒を動かした結果、Bに移動し、そこにP氏の駒がある場合です。
・1回目でA氏が勝つ確率:A氏が表を出す確率 12\frac{1}{2}
・3回目でA氏が勝つ確率:A氏が裏、Q氏が裏、A氏が表を出す確率 (12)3=18(\frac{1}{2})^3 = \frac{1}{8}
・5回目でA氏が勝つ確率:A氏が裏、Q氏が裏、A氏が裏、Q氏が裏、A氏が表を出す確率 (12)5=132(\frac{1}{2})^5 = \frac{1}{32}
...
A氏が勝つ確率は、上記の無限等比数列の和として求められます。
初項 a=12a = \frac{1}{2}, 公比 r=(12)2=14r = (\frac{1}{2})^2 = \frac{1}{4}
無限等比数列の和の公式: S=a1rS = \frac{a}{1 - r}
S=12114=1234=12×43=23S = \frac{\frac{1}{2}}{1 - \frac{1}{4}} = \frac{\frac{1}{2}}{\frac{3}{4}} = \frac{1}{2} \times \frac{4}{3} = \frac{2}{3}
(2) ゲームが終了するまでに硬貨が投げられた回数の期待値
ゲームが1回で終わる確率: A氏が表を出す確率 12\frac{1}{2}
ゲームが3回で終わる確率: A氏が裏、Q氏が裏、A氏が表を出す確率 (12)3=18(\frac{1}{2})^3 = \frac{1}{8}
ゲームが5回で終わる確率: A氏が裏、Q氏が裏、A氏が裏、Q氏が裏、A氏が表を出す確率 (12)5=132(\frac{1}{2})^5 = \frac{1}{32}
...
ゲームが2n-1回で終わる確率は (14)n1×12(\frac{1}{4})^{n-1} \times \frac{1}{2}
期待値Eは、各回数とその確率の積の和で求められます。
E=1×12+3×18+5×132+...=n=1(2n1)(14)n112E = 1 \times \frac{1}{2} + 3 \times \frac{1}{8} + 5 \times \frac{1}{32} + ... = \sum_{n=1}^{\infty} (2n-1) (\frac{1}{4})^{n-1} \frac{1}{2}
E=12n=1(2n1)(14)n1=n=1n(14)n112n=1(14)n1=12(n=1(2n1)(14)n1)E = \frac{1}{2}\sum_{n=1}^{\infty} (2n-1) (\frac{1}{4})^{n-1} = \sum_{n=1}^{\infty} n (\frac{1}{4})^{n-1} - \frac{1}{2} \sum_{n=1}^{\infty} (\frac{1}{4})^{n-1} = \frac{1}{2}(\sum_{n=1}^{\infty} (2n-1) (\frac{1}{4})^{n-1} )
n=1nxn1=1(1x)2\sum_{n=1}^{\infty} n x^{n-1} = \frac{1}{(1-x)^2}
n=1xn1=11x\sum_{n=1}^{\infty} x^{n-1} = \frac{1}{1-x}
n=1(2n1)(14)n1=2n=1n(14)n1n=1(14)n1=2×1(114)21114=2×(43)243=2×16943=329129=209\sum_{n=1}^{\infty} (2n-1) (\frac{1}{4})^{n-1} = 2 \sum_{n=1}^{\infty} n (\frac{1}{4})^{n-1} - \sum_{n=1}^{\infty} (\frac{1}{4})^{n-1} = 2 \times \frac{1}{(1-\frac{1}{4})^2} - \frac{1}{1-\frac{1}{4}} = 2 \times (\frac{4}{3})^2 - \frac{4}{3} = 2 \times \frac{16}{9} - \frac{4}{3} = \frac{32}{9} - \frac{12}{9} = \frac{20}{9}
E=12×209=109E = \frac{1}{2} \times \frac{20}{9} = \frac{10}{9}

3. 最終的な答え

(1) A氏が勝つ確率: 23\frac{2}{3}
(2) ゲームが終了するまでに硬貨が投げられた回数の期待値: 109\frac{10}{9}

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