片面が白色、もう片面が黒色の正方形の板が3枚あり、最初は全て白色の面が見えるように並べられています。3枚の板から無作為に1枚を選んで裏返す操作を $n$ 回行ったとき、板が「黒白白」と並ぶ確率を求める問題です。

確率論・統計学確率漸化式確率過程等比数列
2025/7/11

1. 問題の内容

片面が白色、もう片面が黒色の正方形の板が3枚あり、最初は全て白色の面が見えるように並べられています。3枚の板から無作為に1枚を選んで裏返す操作を nn 回行ったとき、板が「黒白白」と並ぶ確率を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、状態を定義します。
* PnP_n: nn 回の操作後、「黒白白」という状態になっている確率
* QnQ_n: nn 回の操作後、それ以外の状態になっている確率
初期状態は「白白白」なので、P0=0P_0 = 0です。
n+1n+1回目の操作で「黒白白」の状態になるのは、以下の2つの場合です。
* nn回目の操作で「黒白白」以外の状態にあり、選んだ1枚の板を裏返した結果、「黒白白」になる場合。
* nn回目の操作で「黒白白」の状態にあり、選んだ1枚の板を裏返した結果、「黒白白」以外の状態になる場合。
「黒白白」以外の状態は全部で7通りあります。
すなわち、「白白白」、「黒黒白」、「黒白黒」、「白黒白」、「白白黒」、「黒黒黒」、「白黒黒」です。
nn 回目の操作後に「黒白白」でない状態から「黒白白」の状態になる確率は、13\frac{1}{3}の場合と23\frac{2}{3}の場合が存在します。状態が「白白白」の場合、1枚裏返して「黒白白」になる確率は 13\frac{1}{3}です。一方、他の状態から「黒白白」になる確率は 13\frac{1}{3} もしくは 23\frac{2}{3}です。 しかし、全ての状態を分けて考えるのは複雑なので、ここでは確率の遷移を考えるのではなく、PnP_nとそれ以外の状態QnQ_nとに分けて考えることにします。
このとき、Qn=1PnQ_n = 1 - P_nです。
n+1n+1回目の操作で状態が「黒白白」になる確率Pn+1P_{n+1}は、以下のように表すことができます。
Pn+1=(1Pn)13+Pn23=13(1+Pn)P_{n+1} = (1 - P_n) \cdot \frac{1}{3} + P_n \cdot \frac{2}{3} = \frac{1}{3}(1+P_n)
したがって、
Pn+1=13+13PnP_{n+1} = \frac{1}{3} + \frac{1}{3}P_n
この漸化式を解きます。特性方程式は
x=13+13xx = \frac{1}{3} + \frac{1}{3}x
3x=1+x3x = 1+x
2x=12x = 1
x=12x = \frac{1}{2}
したがって、
Pn+112=13(Pn12)P_{n+1} - \frac{1}{2} = \frac{1}{3}(P_n - \frac{1}{2})
数列{Pn12}\{P_n - \frac{1}{2}\}は、初項P012=12P_0 - \frac{1}{2} = -\frac{1}{2}、公比13\frac{1}{3}の等比数列である。
よって、
Pn12=(12)(13)nP_n - \frac{1}{2} = (-\frac{1}{2}) (\frac{1}{3})^n
したがって、
Pn=1212(13)n=12(1(13)n)P_n = \frac{1}{2} - \frac{1}{2}(\frac{1}{3})^n = \frac{1}{2}(1 - (\frac{1}{3})^n)

3. 最終的な答え

12(1(13)n)\frac{1}{2}(1 - (\frac{1}{3})^n)

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