$n \geq 3$ とする。関数 $f(x) = x^2 \log x$ の第 $n$ 次導関数を求めよ。答えは共通因子でくくってきれいにまとめること。

解析学導関数対数関数数学的帰納法微分
2025/7/11

1. 問題の内容

n3n \geq 3 とする。関数 f(x)=x2logxf(x) = x^2 \log x の第 nn 次導関数を求めよ。答えは共通因子でくくってきれいにまとめること。

2. 解き方の手順

まず、f(x)f(x) の導関数をいくつか計算し、規則性を見つける。
f(x)=x2logxf(x) = x^2 \log x
f(x)=2xlogx+x21x=2xlogx+xf'(x) = 2x \log x + x^2 \cdot \frac{1}{x} = 2x \log x + x
f(x)=2logx+2x1x+1=2logx+2+1=2logx+3f''(x) = 2 \log x + 2x \cdot \frac{1}{x} + 1 = 2 \log x + 2 + 1 = 2 \log x + 3
f(x)=2xf'''(x) = \frac{2}{x}
f(4)(x)=2x2f^{(4)}(x) = -\frac{2}{x^2}
f(5)(x)=4x3=22x3f^{(5)}(x) = \frac{4}{x^3} = \frac{2 \cdot 2}{x^3}
f(6)(x)=12x4=223x4f^{(6)}(x) = -\frac{12}{x^4} = -\frac{2 \cdot 2 \cdot 3}{x^4}
n3n \geq 3 のとき、一般的に f(n)(x)=C1xn2f^{(n)}(x) = C \cdot \frac{1}{x^{n-2}} の形になることが予想される。
f(n)(x)=(1)n32(n3)!xn2f^{(n)}(x) = (-1)^{n-3} \frac{2(n-3)!}{x^{n-2}} を数学的帰納法で示す。
n=3n=3 のとき、f(x)=(1)332(33)!x32=21x=2xf'''(x) = (-1)^{3-3} \frac{2(3-3)!}{x^{3-2}} = \frac{2 \cdot 1}{x} = \frac{2}{x} で成立。
n=kn=k のとき、f(k)(x)=(1)k32(k3)!xk2f^{(k)}(x) = (-1)^{k-3} \frac{2(k-3)!}{x^{k-2}} が成り立つと仮定する。
n=k+1n=k+1 のとき、
f(k+1)(x)=ddxf(k)(x)=ddx((1)k32(k3)!xk2)=(1)k32(k3)!ddx(x(k2))f^{(k+1)}(x) = \frac{d}{dx} f^{(k)}(x) = \frac{d}{dx} \left( (-1)^{k-3} \frac{2(k-3)!}{x^{k-2}} \right) = (-1)^{k-3} 2(k-3)! \frac{d}{dx} (x^{-(k-2)})
=(1)k32(k3)!((k2))x(k1)=(1)k22(k2)(k3)!x(k1)= (-1)^{k-3} 2(k-3)! (-(k-2)) x^{-(k-1)} = (-1)^{k-2} 2(k-2)(k-3)! x^{-(k-1)}
=(1)k22(k2)!xk1= (-1)^{k-2} \frac{2(k-2)!}{x^{k-1}}
よって、n=k+1n=k+1 でも成立する。したがって、n3n \geq 3 のとき、
f(n)(x)=(1)n32(n3)!xn2f^{(n)}(x) = (-1)^{n-3} \frac{2(n-3)!}{x^{n-2}}

3. 最終的な答え

f(n)(x)=2(1)n3(n3)!xn2f^{(n)}(x) = \frac{2(-1)^{n-3}(n-3)!}{x^{n-2}}

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