次の微分方程式の一般解を求めます。 $\frac{dy}{dx} + \frac{2x}{1+x^2} y = 0$

解析学微分方程式1階線形微分方程式変数分離法積分因子初期条件
2025/7/16
## 問題I

1. 問題の内容

次の微分方程式の一般解を求めます。
dydx+2x1+x2y=0\frac{dy}{dx} + \frac{2x}{1+x^2} y = 0

2. 解き方の手順

これは1階線形同次微分方程式なので、変数分離法で解くことができます。
まず、式を以下のように変形します。
dyy=2x1+x2dx\frac{dy}{y} = -\frac{2x}{1+x^2} dx
両辺を積分します。
dyy=2x1+x2dx\int \frac{dy}{y} = \int -\frac{2x}{1+x^2} dx
左辺の積分は lny\ln|y| となります。
右辺の積分は、 u=1+x2u = 1+x^2 と置換すると、du=2xdxdu = 2x dx となり、
2x1+x2dx=1udu=lnu+C=ln(1+x2)+C\int -\frac{2x}{1+x^2} dx = \int -\frac{1}{u} du = -\ln|u| + C = -\ln(1+x^2) + C となります。
1+x21+x^2は常に正なので絶対値記号は不要です。)
したがって、
lny=ln(1+x2)+C\ln|y| = -\ln(1+x^2) + C
両辺の指数関数をとります。
y=eln(1+x2)+C=eCeln(1+x2)=eC11+x2|y| = e^{-\ln(1+x^2) + C} = e^C e^{-\ln(1+x^2)} = e^C \frac{1}{1+x^2}
eCe^C を新たな定数 AA (A0A \neq 0) と置き換えると、
y=±A11+x2y = \pm A \frac{1}{1+x^2}
AA は任意の定数なので, y=A11+x2y = A \frac{1}{1+x^2} と表せます。
(A=0A = 0 も含みます)

3. 最終的な答え

y=A1+x2y = \frac{A}{1+x^2} (Aは任意定数)
## 問題II

1. 問題の内容

次の微分方程式の初期条件を満たす解を求めます。
dydx+2x1+x2y=11+x2\frac{dy}{dx} + \frac{2x}{1+x^2}y = \frac{1}{1+x^2}, y(0)=1y(0)=1

2. 解き方の手順

これは1階線形非同次微分方程式なので、積分因子を用いて解くことができます。
まず、積分因子 μ(x)\mu(x) を求めます。
μ(x)=e2x1+x2dx\mu(x) = e^{\int \frac{2x}{1+x^2} dx}
2x1+x2dx=ln(1+x2)\int \frac{2x}{1+x^2} dx = \ln(1+x^2) なので、
μ(x)=eln(1+x2)=1+x2\mu(x) = e^{\ln(1+x^2)} = 1+x^2
与えられた微分方程式の両辺に積分因子 μ(x)=1+x2\mu(x) = 1+x^2 を掛けます。
(1+x2)dydx+2xy=1(1+x^2) \frac{dy}{dx} + 2x y = 1
左辺は積の微分 ddx[(1+x2)y]\frac{d}{dx}[(1+x^2)y] になります。
ddx[(1+x2)y]=1\frac{d}{dx}[(1+x^2)y] = 1
両辺を積分します。
ddx[(1+x2)y]dx=1dx\int \frac{d}{dx}[(1+x^2)y] dx = \int 1 dx
(1+x2)y=x+C(1+x^2)y = x + C
y=x+C1+x2y = \frac{x+C}{1+x^2}
初期条件 y(0)=1y(0)=1 を適用します。
1=0+C1+021 = \frac{0+C}{1+0^2}
1=C11 = \frac{C}{1}
C=1C = 1
したがって、求める解は
y=x+11+x2y = \frac{x+1}{1+x^2}

3. 最終的な答え

y=x+11+x2y = \frac{x+1}{1+x^2}

「解析学」の関連問題

区間 $[0, \frac{\pi}{2}]$ 上の連続関数全体からなるベクトル空間 $C^0([0, \frac{\pi}{2}])$ において、内積を $(f, g) = \int_{0}^{\f...

線形代数内積グラム行列積分三角関数
2025/7/17

次の極限を求めます。 $\lim_{x \to \infty} x \arctan(\frac{1}{x})$

極限ロピタルの定理arctanテイラー展開
2025/7/17

区間 $[0, \frac{\pi}{2}]$ 上の連続関数全体のなすベクトル空間 $C^0([0, \frac{\pi}{2}])$ において、関数 $f, g \in C^0([0, \frac{...

線形代数内積グラム行列積分
2025/7/17

与えられた関数を、カッコ内に指定された変数変換(置換積分)を用いて積分します。

積分置換積分
2025/7/17

与えられた3つの2階線形非同次常微分方程式を解く問題です。 (6) $y'' + a^2 y = \cos bx, (a \ne b)$ (7) $y'' - 2y' + y = x + 2\sin ...

常微分方程式線形微分方程式非同次方程式特殊解一般解
2025/7/17

与えられた4階線形非同次微分方程式 $y^{(4)} - 81y = \sin 2x$ の一般解を求めます。

微分方程式線形微分方程式非同次微分方程式一般解
2025/7/17

与えられた3階線形非同次常微分方程式 $y''' + y = e^{-x}$ を解く問題です。

常微分方程式線形微分方程式非同次方程式特性方程式一般解特殊解
2025/7/17

与えられた微分方程式は、3階の線形非同次微分方程式です。この方程式は次の形で表されます。 $y''' + y'' + y' + y = q(x)$ ここで、$y$ は $x$ の関数であり、$y'$,...

微分方程式線形微分方程式同次方程式非同次方程式特性方程式一般解特殊解
2025/7/17

与えられた3階線形非同次微分方程式を解きます。微分方程式は次のとおりです。 $y''' + y'' - y' - y = e^x$

微分方程式線形微分方程式非同次方程式特性方程式一般解特殊解
2025/7/17

問題は以下の通りです。 [1] 次の図形の体積を求めよ。 1. $y = \sqrt{x+1}$ ($1 \le x \le 4$) を $x$ 軸のまわりに回転してできる回転体。

回転体の体積曲線の長さ積分定積分弧長
2025/7/17