関数 $f(x,y) = x^3 - 3axy + y^3 = b$ ($a > 0$, $b \neq 0$)で表される曲線$C$が特異点を持つとき、以下の問いに答えます。 (1) $a, b$が満たすべき条件を求めます。 (2) 曲線$C$上で、$y = mx + n$が恒等的に満たされる$m, n$を求めます。 (3) $x^2 - xy + y^2 - ax - ay + a^2 = 0$ の解$(x, y)$を求めます。 (4) 曲線$C$を図示します。

解析学陰関数偏微分特異点曲線葉線
2025/7/11
はい、承知しました。問題文を読み解き、順番に解いていきます。

1. 問題の内容

関数 f(x,y)=x33axy+y3=bf(x,y) = x^3 - 3axy + y^3 = b (a>0a > 0, b0b \neq 0)で表される曲線CCが特異点を持つとき、以下の問いに答えます。
(1) a,ba, bが満たすべき条件を求めます。
(2) 曲線CC上で、y=mx+ny = mx + nが恒等的に満たされるm,nm, nを求めます。
(3) x2xy+y2axay+a2=0x^2 - xy + y^2 - ax - ay + a^2 = 0 の解(x,y)(x, y)を求めます。
(4) 曲線CCを図示します。

2. 解き方の手順

(1) 特異点を持つ条件
特異点とは、fx=0\frac{\partial f}{\partial x} = 0 かつ fy=0\frac{\partial f}{\partial y} = 0となる点です。
まず、偏微分を計算します。
fx=3x23ay=0\frac{\partial f}{\partial x} = 3x^2 - 3ay = 0
fy=3y23ax=0\frac{\partial f}{\partial y} = 3y^2 - 3ax = 0
これから、x2=ayx^2 = ayy2=axy^2 = axが得られます。
x2=ayx^2 = ayyyについて解くと、y=x2ay = \frac{x^2}{a}となります。
これをy2=axy^2 = axに代入すると、(x2a)2=ax(\frac{x^2}{a})^2 = axが得られます。
整理すると、x4a2=ax\frac{x^4}{a^2} = axとなり、x4=a3xx^4 = a^3xとなります。
x(x3a3)=0x(x^3 - a^3) = 0なので、x=0x = 0またはx=ax = aです。
- x=0x = 0のとき、y=02a=0y = \frac{0^2}{a} = 0となり、f(0,0)=033a(0)(0)+03=0=bf(0, 0) = 0^3 - 3a(0)(0) + 0^3 = 0 = bとなります。問題文の条件よりb0b \neq 0なので、x=0x = 0は不適です。
- x=ax = aのとき、y=a2a=ay = \frac{a^2}{a} = aとなり、f(a,a)=a33a(a)(a)+a3=a33a3+a3=a3=bf(a, a) = a^3 - 3a(a)(a) + a^3 = a^3 - 3a^3 + a^3 = -a^3 = bとなります。
したがって、b=a3b = -a^3となります。また、a>0a > 0なので、b<0b < 0となります。
(2) y=mx+ny = mx + nが曲線CC上で恒等的に満たされる条件
まず、x33axy+y3=bx^3 - 3axy + y^3 = by=mx+ny = mx + nを代入します。
x33ax(mx+n)+(mx+n)3=bx^3 - 3ax(mx + n) + (mx + n)^3 = b
x33amx23anx+m3x3+3m2nx2+3mn2x+n3=bx^3 - 3amx^2 - 3anx + m^3x^3 + 3m^2nx^2 + 3mn^2x + n^3 = b
(1+m3)x3+(3m2n3am)x2+(3mn23an)x+n3b=0(1 + m^3)x^3 + (3m^2n - 3am)x^2 + (3mn^2 - 3an)x + n^3 - b = 0
これが恒等的に成り立つためには、各係数が0でなければなりません。
1+m3=01 + m^3 = 0
3m2n3am=03m^2n - 3am = 0
3mn23an=03mn^2 - 3an = 0
n3b=0n^3 - b = 0
1+m3=01 + m^3 = 0より、m3=1m^3 = -1なので、m=1m = -1です。
3m2n3am=03m^2n - 3am = 0より、3n+3a=03n + 3a = 0なので、n=an = -aです。
3mn23an=03mn^2 - 3an = 0より、3(1)a2+3a2=03(-1)a^2 + 3a^2 = 0となり、これは常に成り立ちます。
n3b=0n^3 - b = 0より、(a)3=b(-a)^3 = bなので、b=a3b = -a^3です。これは(1)の結果と一致します。
したがって、m=1m = -1, n=an = -aです。
(3) x2xy+y2axay+a2=0x^2 - xy + y^2 - ax - ay + a^2 = 0 の解(x,y)(x, y)
この式を変形します。
x2x(y+a)+y2ay+a2=0x^2 - x(y + a) + y^2 - ay + a^2 = 0
xxについて解くと、
x=(y+a)±(y+a)24(y2ay+a2)2=(y+a)±y2+2ay+a24y2+4ay4a22x = \frac{(y + a) \pm \sqrt{(y + a)^2 - 4(y^2 - ay + a^2)}}{2} = \frac{(y + a) \pm \sqrt{y^2 + 2ay + a^2 - 4y^2 + 4ay - 4a^2}}{2}
x=(y+a)±3y2+6ay3a22=(y+a)±3(ya)22x = \frac{(y + a) \pm \sqrt{-3y^2 + 6ay - 3a^2}}{2} = \frac{(y + a) \pm \sqrt{-3(y - a)^2}}{2}
実数解を持つためには、3(ya)20-3(y - a)^2 \geq 0である必要があります。
しかし、3(ya)2-3(y - a)^2は常に0以下なので、これが成り立つのはy=ay = aのときのみです。
y=ay = aを代入すると、x=(a+a)±02=2a2=ax = \frac{(a + a) \pm \sqrt{0}}{2} = \frac{2a}{2} = a
したがって、解は(x,y)=(a,a)(x, y) = (a, a)です。
(4) 曲線CCの図示
f(x,y)=x33axy+y3=b=a3f(x,y) = x^3 - 3axy + y^3 = b = -a^3
x33axy+y3=a3x^3 - 3axy + y^3 = -a^3
これは、葉線(Folium of Descartes)と呼ばれる曲線です。漸近線はx+y+a=0x + y + a = 0となります。

3. 最終的な答え

(1) b=a3b = -a^3
(2) m=1m = -1, n=an = -a
(3) (x,y)=(a,a)(x, y) = (a, a)
(4) 曲線CCx33axy+y3=a3x^3 - 3axy + y^3 = -a^3で表される葉線であり、漸近線はx+y+a=0x + y + a = 0である。

「解析学」の関連問題

(1) 曲線 $y = \cosh x$ の $0 \le x \le 2$ の範囲における長さを求めます。 (2) 媒介変数 $\theta$ $(0 \le \theta \le 2\pi)$ で...

曲線の長さ積分双曲線関数媒介変数表示
2025/7/15

問題は、関数 $y = \cos^2 x$ のグラフに関する記述の正誤を問うものです。ただし、画像が不鮮明なため、正確な問題文は判断できません。ここでは、$y = \cos^2 x$ のグラフの概形や...

三角関数グラフ周期関数偶関数
2025/7/15

関数 $f(x) = \frac{x^2}{4 + x^2}$ の最大値と最小値を求める問題です。

関数の最大値関数の最小値極限微分
2025/7/15

関数 $f(x) = \frac{px + q}{x^2 + 3x}$ について、以下の問いに答えます。 (1) $f(x)$ が $x = -\frac{1}{3}$ で極値 $-9$ をとるとき、...

関数の極値微分分数関数変曲点
2025/7/15

次の定積分の値を計算します。 $\int_{-2}^{0} (-2x^2 - 3x + 2) dx + \int_{0}^{2} (-2x^2 - 3x + 2) dx$

定積分積分多項式
2025/7/15

次の3つの関数 $f(x)$ について、$n$ 次導関数 ($n \geq 1$) を求める問題です。 a) $f(x) = \frac{1}{1+x}$ b) $f(x) = \log(1-x)$ ...

導関数微分数学的帰納法関数の微分
2025/7/15

関数 $f(x) = \log(1 - x)$ の $n$ 次導関数 ($n \ge 1$) を求める。ここで $\log$ は自然対数とする。

導関数自然対数数学的帰納法微分
2025/7/15

以下の関数の$n$次導関数 ($n \geq 1$)を求めよ。 a) $f(x) = \frac{1}{1+x}$ b) $f(x) = \log(1-x)$ c) $f(x) = (1+x)^{\f...

導関数微分n次導関数関数の微分階乗
2025/7/15

$0 \le \theta \le \frac{\pi}{2}$ の範囲において、方程式 $\sqrt{2} \sin \theta = k$ の解の個数が1個となるときの、実数 $k$ の値の範囲を...

三角関数方程式解の個数sin範囲
2025/7/15

関数 $f(x, y) = \arctan(\frac{y}{x})$ について、二階偏導関数 $f_{xx}(x, y)$, $f_{xy}(x, y)$, $f_{yy}(x, y)$ を求めよ。

偏微分二階偏導関数アークタンジェント
2025/7/15