正の整数 $n$ に対して、$n$ の正の約数すべての和を $\sigma(n)$ と表す。$100$ 以上 $150$ 以下の $10$ の倍数 $n$ のうち、$\frac{\sigma(n)}{n}$ が整数の値をとる $n$ が1つだけ存在する。その $n$ とそのときの $\frac{\sigma(n)}{n}$ の値をそれぞれ求める。

数論約数約数関数整数の性質
2025/7/11

1. 問題の内容

正の整数 nn に対して、nn の正の約数すべての和を σ(n)\sigma(n) と表す。100100 以上 150150 以下の 1010 の倍数 nn のうち、σ(n)n\frac{\sigma(n)}{n} が整数の値をとる nn が1つだけ存在する。その nn とそのときの σ(n)n\frac{\sigma(n)}{n} の値をそれぞれ求める。

2. 解き方の手順

まず、100100以上150150以下の1010の倍数を列挙する。
n=100,110,120,130,140,150n = 100, 110, 120, 130, 140, 150
次に、それぞれのnnについてσ(n)\sigma(n)を計算する。
n=100=22×52n=100 = 2^2 \times 5^2, σ(100)=(1+2+22)(1+5+52)=7×31=217\sigma(100) = (1+2+2^2)(1+5+5^2) = 7 \times 31 = 217σ(100)100=217100=2.17\frac{\sigma(100)}{100} = \frac{217}{100} = 2.17
n=110=2×5×11n=110 = 2 \times 5 \times 11, σ(110)=(1+2)(1+5)(1+11)=3×6×12=216\sigma(110) = (1+2)(1+5)(1+11) = 3 \times 6 \times 12 = 216σ(110)110=216110=10855\frac{\sigma(110)}{110} = \frac{216}{110} = \frac{108}{55}
n=120=23×3×5n=120 = 2^3 \times 3 \times 5, σ(120)=(1+2+22+23)(1+3)(1+5)=15×4×6=360\sigma(120) = (1+2+2^2+2^3)(1+3)(1+5) = 15 \times 4 \times 6 = 360σ(120)120=360120=3\frac{\sigma(120)}{120} = \frac{360}{120} = 3
n=130=2×5×13n=130 = 2 \times 5 \times 13, σ(130)=(1+2)(1+5)(1+13)=3×6×14=252\sigma(130) = (1+2)(1+5)(1+13) = 3 \times 6 \times 14 = 252σ(130)130=252130=12665\frac{\sigma(130)}{130} = \frac{252}{130} = \frac{126}{65}
n=140=22×5×7n=140 = 2^2 \times 5 \times 7, σ(140)=(1+2+22)(1+5)(1+7)=7×6×8=336\sigma(140) = (1+2+2^2)(1+5)(1+7) = 7 \times 6 \times 8 = 336σ(140)140=336140=16870=8435=125\frac{\sigma(140)}{140} = \frac{336}{140} = \frac{168}{70} = \frac{84}{35} = \frac{12}{5}
n=150=2×3×52n=150 = 2 \times 3 \times 5^2, σ(150)=(1+2)(1+3)(1+5+52)=3×4×31=372\sigma(150) = (1+2)(1+3)(1+5+5^2) = 3 \times 4 \times 31 = 372σ(150)150=372150=18675=6225\frac{\sigma(150)}{150} = \frac{372}{150} = \frac{186}{75} = \frac{62}{25}
n=120n=120 のとき、σ(120)120=3\frac{\sigma(120)}{120}=3 が整数となる。

3. 最終的な答え

n=120n = 120, σ(n)n=3\frac{\sigma(n)}{n} = 3

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