与えられた極限を求める問題です。具体的には、 $\lim_{x \to \infty} x \tan^{-1}(\frac{1}{x})$ を計算します。

解析学極限テイラー展開ロピタルの定理逆正接関数
2025/7/11

1. 問題の内容

与えられた極限を求める問題です。具体的には、
limxxtan1(1x)\lim_{x \to \infty} x \tan^{-1}(\frac{1}{x})
を計算します。

2. 解き方の手順

この極限を計算するために、変数を置換します。
t=1xt = \frac{1}{x} と置くと、xx \to \infty のとき、t0t \to 0 となります。
したがって、極限は次のように書き換えられます。
limxxtan1(1x)=limt01ttan1(t)=limt0tan1(t)t\lim_{x \to \infty} x \tan^{-1}(\frac{1}{x}) = \lim_{t \to 0} \frac{1}{t} \tan^{-1}(t) = \lim_{t \to 0} \frac{\tan^{-1}(t)}{t}
ここで、tan1(t)\tan^{-1}(t) のマクローリン展開(またはテイラー展開)を利用します。
tan1(t)=tt33+t55t77+\tan^{-1}(t) = t - \frac{t^3}{3} + \frac{t^5}{5} - \frac{t^7}{7} + \cdots
したがって、
tan1(t)t=1t23+t45t67+\frac{\tan^{-1}(t)}{t} = 1 - \frac{t^2}{3} + \frac{t^4}{5} - \frac{t^6}{7} + \cdots
t0t \to 0 のとき、tan1(t)t1\frac{\tan^{-1}(t)}{t} \to 1 となります。
したがって、極限は1となります。
あるいは、ロピタルの定理を使うこともできます。
limt0tan1(t)t\lim_{t \to 0} \frac{\tan^{-1}(t)}{t}00\frac{0}{0} の不定形なので、ロピタルの定理を適用できます。
ddttan1(t)=11+t2\frac{d}{dt} \tan^{-1}(t) = \frac{1}{1+t^2}
ddtt=1\frac{d}{dt} t = 1
したがって、
limt0tan1(t)t=limt011+t21=limt011+t2=11+02=1\lim_{t \to 0} \frac{\tan^{-1}(t)}{t} = \lim_{t \to 0} \frac{\frac{1}{1+t^2}}{1} = \lim_{t \to 0} \frac{1}{1+t^2} = \frac{1}{1+0^2} = 1

3. 最終的な答え

1

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