三角形ABCにおいて、$a=BC$, $b=CA$, $c=AB$とする。次の等式が成り立つとき、三角形ABCはどのような三角形であるか。 (1) $\sin^2 A = \sin^2 B + \sin^2 C$ (2) $b \cos B = c \cos C$

1. 問題の内容

三角形ABCにおいて、$a=BC$, $b=CA$, $c=AB$とする。次の等式が成り立つとき、三角形ABCはどのような三角形であるか。

(1) $\sin^2 A = \sin^2 B + \sin^2 C$

(2) $b \cos B = c \cos C$

2. 解き方の手順

(1) $\sin^2 A = \sin^2 B + \sin^2 C$

正弦定理より、$\sin A = \frac{a}{2R}$, $\sin B = \frac{b}{2R}$, $\sin C = \frac{c}{2R}$ ($R$は三角形ABCの外接円の半径)が成り立つ。

したがって、与えられた等式は、

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\left(\frac{a}{2R}\right)^2 = \left(\frac{b}{2R}\right)^2 + \left(\frac{c}{2R}\right)^2

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\frac{a^2}{4R^2} = \frac{b^2}{4R^2} + \frac{c^2}{4R^2}

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両辺に$4R^2$を掛けると、

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a^2 = b^2 + c^2

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これは三平方の定理であるから、$\angle A = 90^\circ$の直角三角形である。

(2) $b \cos B = c \cos C$

余弦定理より、$\cos B = \frac{c^2+a^2-b^2}{2ca}$, $\cos C = \frac{a^2+b^2-c^2}{2ab}$

与えられた等式に代入すると、

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b \cdot \frac{c^2+a^2-b^2}{2ca} = c \cdot \frac{a^2+b^2-c^2}{2ab}

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両辺に$2a$を掛けると、

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b \cdot \frac{c^2+a^2-b^2}{c} = c \cdot \frac{a^2+b^2-c^2}{b}

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両辺に$bc$を掛けると、

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b^2(c^2+a^2-b^2) = c^2(a^2+b^2-c^2)

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b^2c^2 + a^2b^2 - b^4 = c^2a^2 + b^2c^2 - c^4

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a^2b^2 - b^4 = c^2a^2 - c^4

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a^2b^2 - c^2a^2 = b^4 - c^4

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a^2(b^2 - c^2) = (b^2 - c^2)(b^2 + c^2)

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(b^2 - c^2)(a^2 - (b^2 + c^2)) = 0

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したがって、$b^2 - c^2 = 0$ または $a^2 - (b^2 + c^2) = 0$

$b^2 - c^2 = 0$ のとき、$b^2 = c^2$ より $b = c$。

$a^2 - (b^2 + c^2) = 0$ のとき、$a^2 = b^2 + c^2$。これは$\angle A = 90^\circ$の直角三角形である。

ゆえに、$b = c$の二等辺三角形、または$\angle A = 90^\circ$の直角三角形、または$b=c$かつ$\angle A=90^\circ$の直角二等辺三角形。まとめて二等辺三角形または直角三角形。

3. 最終的な答え

(1) $\angle A = 90^\circ$の直角三角形

(2) 二等辺三角形または直角三角形