一辺の長さが1の正四面体OABCにおいて、辺OAを3:2に内分する点をPとする。辺OB上の点QをPQ+QCが最小となるようにとるとき、OQ:QBとPQ+QCの値を求める。

幾何学空間図形正四面体内分点最小値ベクトル余弦定理メネラウスの定理
2025/7/11

1. 問題の内容

一辺の長さが1の正四面体OABCにおいて、辺OAを3:2に内分する点をPとする。辺OB上の点QをPQ+QCが最小となるようにとるとき、OQ:QBとPQ+QCの値を求める。

2. 解き方の手順

まず、点Cから平面OABに下ろした垂線の足をHとする。正四面体OABCにおいて、Hは正三角形OABの中心となる。
このとき、OH=13(OA+OB+OC)\overrightarrow{OH} = \frac{1}{3}(\overrightarrow{OA} + \overrightarrow{OB} + \overrightarrow{OC})
PQ + QCが最小となるのは、点Cの平面OABに関する対称点をC'としたとき、点Qが線分PC'とOBの交点となるときである。
ここで、正四面体の対称性から、OC' = OC = 1である。
OCの中点をMとすると、OM = 12\frac{1}{2}
OH=13(OA+OB)\overrightarrow{OH} = \frac{1}{3}(\overrightarrow{OA} + \overrightarrow{OB})
OP=35OA\overrightarrow{OP} = \frac{3}{5}\overrightarrow{OA}
OC=OC\overrightarrow{OC'} = \overrightarrow{OC}
C'からOBに下ろした垂線の足をRとする。
三角形OBCにおいて、OB = BC = CO = 1である。
CからOBに下ろした垂線の足をRとすると、OR = 12\frac{1}{2}となる。
つまり、OR=12OB\overrightarrow{OR} = \frac{1}{2}\overrightarrow{OB}
ここで、PQ + QC = PQ + QC' = PC'なので、PC'を最小にすればよい。
点Cの平面OABに関する対称点をC'とすると、PQ + QCが最小となるのは、点Qが線分PC'とOBの交点となるときである。
OP=35OA\overrightarrow{OP} = \frac{3}{5}\overrightarrow{OA}である。
Oを原点とし、OA=a,OB=b,OC=c\overrightarrow{OA} = \vec{a}, \overrightarrow{OB} = \vec{b}, \overrightarrow{OC} = \vec{c}とする。
PC=OCOP=OCOP=c35a\overrightarrow{PC'} = \overrightarrow{OC'} - \overrightarrow{OP} = \overrightarrow{OC} - \overrightarrow{OP} = \vec{c} - \frac{3}{5}\vec{a}
点QはOB上にあるので、OQ=kOB=kb\overrightarrow{OQ} = k\overrightarrow{OB} = k\vec{b}と表せる。
点Qは線分PC'上にあるので、OQ=(1t)OP+tOC=(1t)35a+tc\overrightarrow{OQ} = (1-t)\overrightarrow{OP} + t\overrightarrow{OC'} = (1-t)\frac{3}{5}\vec{a} + t\vec{c}
よって、kb=(1t)35a+tck\vec{b} = (1-t)\frac{3}{5}\vec{a} + t\vec{c}となるが、a,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}は一次独立なので、矛盾する。
PQ + QCが最小になるのは、PからOBに垂線を下ろしたときの足がQになる時ではなく、OBで折り返したPの像P'とCを結んだ線分がOBと交わるときです。
OAP\triangle OAPにおいて、OP=3/5,OA=1,O=60OP = 3/5, OA = 1, \angle O = 60^\circであり、PのOBに関する対称点をP'とすると、OAPOBP\triangle OAP \equiv \triangle OBP'
よって、OP=OP=3/5OP' = OP = 3/5
POB=AOB=60\angle P'OB = \angle AOB = 60^\circ
CとP'を結んだ線分とOBの交点がQとなる。
OCP\triangle OCP'を考える。OC=1, OP'=3/5, COP=120\angle COP' = 120^\circ
余弦定理より、CP2=OC2+OP22OCOPcos120=1+9/25+213/51/2=1+9/25+3/5=25/25+9/25+15/25=49/25CP'^2 = OC^2 + OP'^2 - 2*OC*OP'*cos120^\circ = 1 + 9/25 + 2 * 1 * 3/5 * 1/2 = 1 + 9/25 + 3/5 = 25/25 + 9/25 + 15/25 = 49/25
CP=7/5CP' = 7/5
PQ+QC=PQ+QC=PC=7/5PQ + QC = P'Q + QC = P'C = 7/5
OQ=sOB\overrightarrow{OQ} = s\overrightarrow{OB}
OQ=(1t)OP+tOC\overrightarrow{OQ} = (1-t)\overrightarrow{OP'} + t\overrightarrow{OC}
OP=xOA+yOB\overrightarrow{OP'} = x\overrightarrow{OA}+y\overrightarrow{OB}とすると、
sOB=(1t)(xOA+yOB)+tOCs\overrightarrow{OB} = (1-t)(x\overrightarrow{OA}+y\overrightarrow{OB}) + t\overrightarrow{OC}
x(1t)=0x=0ort=1x(1-t) = 0 \rightarrow x = 0 \quad or \quad t = 1
y(1t)=sy(1-t) = s
t=0t = 0
ここで、A,O,Bが一直線上にないためOAB\triangle OABにおいてOBに関するPの対称点がP'になるのはOP=OPOP'=OPかつ、POB=POB\angle POB = \angle P'OBとなるときである。なので、COP=60+60=120°\angle COP'= 60 + 60 = 120°
OC = 1, OP' = 3/5なので、CP2=1+9/252×1×3/5×cos120=1+9/252×1×3/5×1/2=1+9/25+3/5=49/25CP'^2= 1 + 9/25 -2×1×3/5 × cos120 = 1 + 9/25 -2×1×3/5 × -1/2 = 1 + 9/25 + 3/5 = 49/25
CP=7/5CP'=7/5
COP\triangle COP'にメネラウスの定理を用いると、
OQ/QBBC/CPPO/OC=1OQ/QB * BC/CP' * P'O/OC = 1
OQ/QB1/(7/5)(3/5)/1=1OQ/QB * 1/(7/5) * (3/5)/1 = 1
OQ/QB5/73/5=1OQ/QB * 5/7 * 3/5 = 1
OQ/QB3/7=1OQ/QB * 3/7 = 1
OQ/QB=7/3OQ/QB = 7/3
OQ:QB = 7:3

3. 最終的な答え

OQ:QB = 7:3
PQ+QC = 7/5

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