## 問題の内容

確率論・統計学確率期待値条件付き確率ゲーム
2025/7/12
## 問題の内容
正六角形の頂点を移動するゲームについて,以下の確率や期待値を求める問題です.
* (1) 2回の移動で点PがA3A_3の位置にある確率
* (2) 3回の移動で点PがA1A_1の位置にある確率
* (3) 4回以内の移動で点PがA1A_1の位置に到達する確率
* (4) 4回以内の移動で点PがA1A_1の位置に到達したとき、3回目に点PがOOの位置にあった条件付き確率
* (5) 4回以内の移動でA1A_1に到達した場合の賞金の期待値と、参加料200円を比較して,ゲームに参加することが得かどうかを判断する
## 解き方の手順
(1) 2回の移動で点PがA3A_3の位置にある確率
* 最初A1A_1からスタートし,A3A_3に到達するパターンを考える.
* 1回目: 1,2の目が出ると反時計回りに1つ移動.3,4の目が出ると時計回りに1つ移動.5,6の目が出ると中心OOに移動.
* 2回目: OOにいる場合は必ずA1A_1に移動する.A1,A2,A3,A4,A5,A6A_1, A_2, A_3, A_4, A_5, A_6のいずれかにいる場合は,1,2で反時計回り,3,4で時計回り,5,6でOOに移動する.
* A1A_1からA2A_2へ移動し、A2A_2からA3A_3へ移動するパターン: 1,2の目が出て、さらに1,2の目が出る.確率は 26×26=436\frac{2}{6} \times \frac{2}{6} = \frac{4}{36}
* A1A_1からOOへ移動し、OOからA1A_1へ移動するパターン: 5,6の目が出て,A1A_1に移動.確率0(A1A_1から開始なので中心に移動した時点でゲームが終わってしまう。したがってこれはありえない。)
* A1A_1からA6A_6へ移動し、A6A_6からA3A_3へ移動するパターン: 3,4の目が出て, さらに3,4の目が出て3回動く。なのでありえない。
* よって,A1A_1からA3A_3へ2回で移動するパターンは、A2A_2を通る436\frac{4}{36}のみ。
*2回の移動でA1A_1からOOに移動した場合, 以降はA1A_1からスタートするのと同じなので、A1A_1からA1A_1からA3A_3へ2回で移動するパターンは、1つ隣りに移動することを2回繰り返すパターンのみ。*
(2) 3回の移動で点PがA1A_1の位置にある確率
* A1A_1からスタートし,A1A_1に到達するパターンを考える.
* 1回目A2A_2へ移動 (A1A2A_1 \to A_2)
* 2回目A3A_3へ移動 (A2A3A_2 \to A_3)
* 3回目A4A_4へ移動 (A3A4A_3 \to A_4)
* 1回目A6A_6へ移動 (A1A6A_1 \to A_6)
* 2回目A5A_5へ移動 (A6A5A_6 \to A_5)
* 3回目A4A_4へ移動 (A5A4A_5 \to A_4)
* 上記以外にも1回目でOOに移動すると22回目にA1A_1に移動してゲームオーバー。それからさらに移動することはありえない。
* A1A2A3A4A_1 \to A_2 \to A_3 \to A_4のパターンは3回の移動でA1A_1に到達せず、A4A_4で終了してしまう。
* A1A2A1OA_1 \to A_2 \to A_1 \to Oのパターンも同様
* A1A6A5A4A_1 \to A_6 \to A_5 \to A_4のパターンは3回の移動でA1A_1に到達せず、A4A_4で終了してしまう。
* A1A2A3OA_1 \to A_2 \to A_3 \to O は存在せず、ゲームが継続しない。
* A1A2A1A1A_1 \to A_2 \to A_1 \to A_1は、ゲーム終了条件を満たす。(A1A_1で終了)
* A1A6A1A1A_1 \to A_6 \to A_1 \to A_1も同様
* ゆえに1回移動して隣の頂点に移動後、2回連続同じ方向に移動するというパターンはありえない。
* A1A2A1A_1 \to A_2 \to A_1は、26×36=636\frac{2}{6} \times \frac{3}{6} = \frac{6}{36}
* A1A6A1A_1 \to A_6 \to A_1は、26×36=636\frac{2}{6} \times \frac{3}{6} = \frac{6}{36}
* 上記の2パターンでA1A1A_1 \to A_1となるので,確率は636+636=1236=13\frac{6}{36} + \frac{6}{36} = \frac{12}{36}=\frac{1}{3}
(3) 4回以内の移動で点PがA1A_1の位置に到達する確率
* 2回でA1A_1に到達確率は0
* 3回でA1A_1に到達確率は1/3
* 4回でA1A_1に到達パターンを考える
* 1回目A2A_2, 2回目A3A_3, 3回目A2A_2, 4回目A1A_1: 26×26×36=12216\frac{2}{6} \times \frac{2}{6} \times \frac{3}{6} = \frac{12}{216}
* 1回目A6A_6, 2回目A5A_5, 3回目A6A_6, 4回目A1A_1: 26×26×36=12216\frac{2}{6} \times \frac{2}{6} \times \frac{3}{6} = \frac{12}{216}
* 1回目A2A_2, 2回目A1A_1, 3回目A2A_2, 4回目A1A_1: 26×36×26=12216\frac{2}{6} \times \frac{3}{6} \times \frac{2}{6} = \frac{12}{216}
* 1回目A6A_6, 2回目A1A_1, 3回目A6A_6, 4回目A1A_1: 26×36×26=12216\frac{2}{6} \times \frac{3}{6} \times \frac{2}{6} = \frac{12}{216}
* 上記の4パターンでA1A_1に到達するので,確率は12216+12216+12216+12216=48216=29\frac{12}{216} + \frac{12}{216}+\frac{12}{216} + \frac{12}{216} = \frac{48}{216}=\frac{2}{9}
* 4回以内でA1A_1に到達する確率は13+29=39+29=59\frac{1}{3} + \frac{2}{9} = \frac{3}{9} + \frac{2}{9} = \frac{5}{9}
(4) 4回以内の移動で点PがA1A_1の位置に到達したとき、3回目に点PがOOの位置にあった条件付き確率
* 4回以内の移動でA1A_1に到達した確率は5/9
* 3回目にOOにいたということは,2回目にA1A_1にいて,3回目にOOにいる状態
* 3回目にOOにいるケースを考える
* 1回目A2A_2, 2回目A1A_1, 3回目OO:26×36×13=118\frac{2}{6} \times \frac{3}{6} \times \frac{1}{3}=\frac{1}{18}
* 1回目A6A_6, 2回目A1A_1, 3回目OO:26×36×13=118\frac{2}{6} \times \frac{3}{6} \times \frac{1}{3}=\frac{1}{18}
* 3回目にOOにいた確率118+118=218=19\frac{1}{18}+\frac{1}{18} = \frac{2}{18} = \frac{1}{9}
* 条件付き確率は (19)/(59)=15(\frac{1}{9}) / (\frac{5}{9}) = \frac{1}{5}
(5) このゲームにおいて、4回以内の移動で点PがA1A_1の位置に到達したときには、次のように賞金を受け取ることができる。
2回の移動でA1A_1の位置に到達すると 1000円
3回の移動でA1A_1の位置に到達すると
500円
4回の移動でA1A_1の位置に到達すると 300円
その他の場合の賞金は0円とする。
このゲームの参加料が200円であるとき、賞金額の期待値を考えると、このゲームに参加することはテ
* 2回でA1A_1に到達する確率は0なので、賞金1000円はありえない
* 3回でA1A_1に到達する確率は13\frac{1}{3}なので、賞金500円の期待値は 13×500=5003\frac{1}{3} \times 500 = \frac{500}{3}
* 4回でA1A_1に到達する確率は29\frac{2}{9}なので、賞金300円の期待値は 29×300=6009\frac{2}{9} \times 300 = \frac{600}{9}
* 期待値の合計: 5003+6009=15009+6009=21009=7003233.3\frac{500}{3}+\frac{600}{9} = \frac{1500}{9} + \frac{600}{9} = \frac{2100}{9} = \frac{700}{3} \fallingdotseq 233.3
* 参加料200円なので、期待値が上回るので,参加することは得である
## 最終的な答え
(1) ア: 1/9
(2) オ: 1/3
(3) シス: 5/9
(4) チ: 1/5
(5) テ: 得である

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