三角形 OAB において、$OA = 3$、$OB = t$、$\angle AOB$ は鋭角である。点 A から直線 OB に下ろした垂線の足を C とし、$OC = 1$ である。線分 AB を 2:1 に内分する点を P とし、点 A から直線 OP に下ろした垂線の足を R とする。 (1) 内積 $\vec{OA} \cdot \vec{OB}$ を $t$ を用いて表す。 (2) 線分 OR の長さを $t$ を用いて表す。 (3) 線分 OB の中点を M とする。点 R が線分 MB 上にあるとき、$t$ のとりうる値の範囲を求める。

幾何学ベクトル内積垂線線分比三角不等式
2025/7/12

1. 問題の内容

三角形 OAB において、OA=3OA = 3OB=tOB = tAOB\angle AOB は鋭角である。点 A から直線 OB に下ろした垂線の足を C とし、OC=1OC = 1 である。線分 AB を 2:1 に内分する点を P とし、点 A から直線 OP に下ろした垂線の足を R とする。
(1) 内積 OAOB\vec{OA} \cdot \vec{OB}tt を用いて表す。
(2) 線分 OR の長さを tt を用いて表す。
(3) 線分 OB の中点を M とする。点 R が線分 MB 上にあるとき、tt のとりうる値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

(1) 内積 OAOB\vec{OA} \cdot \vec{OB} の計算
内積の定義より、OAOB=OAOBcosAOB\vec{OA} \cdot \vec{OB} = |\vec{OA}| |\vec{OB}| \cos{\angle AOB} である。
また、cosAOB=OCOA=13\cos{\angle AOB} = \frac{OC}{OA} = \frac{1}{3} である。
したがって、OAOB=3t13=t\vec{OA} \cdot \vec{OB} = 3 \cdot t \cdot \frac{1}{3} = t
(2) 線分 OR の長さの計算
点 P は線分 AB を 2:1 に内分するので、
OP=OA+2OB2+1=13OA+23OB\vec{OP} = \frac{\vec{OA} + 2\vec{OB}}{2+1} = \frac{1}{3}\vec{OA} + \frac{2}{3}\vec{OB}
点 R は直線 OP 上にあるので、OR=kOP=k3OA+2k3OB\vec{OR} = k\vec{OP} = \frac{k}{3}\vec{OA} + \frac{2k}{3}\vec{OB} と表せる。
また、点 R は直線 OB 上にあるので、OR=lOB\vec{OR} = l\vec{OB} と表せる。
よって、k3OA+2k3OB=lOB\frac{k}{3}\vec{OA} + \frac{2k}{3}\vec{OB} = l\vec{OB}
OA\vec{OA}OB\vec{OB} は一次独立なので、k3=0\frac{k}{3} = 0 かつ 2k3=l\frac{2k}{3} = l でなければならないが、k3=0\frac{k}{3} = 0 より k=0k = 0 となり、OR=0\vec{OR} = \vec{0} となってしまうため、これは誤り。
点 A から直線 OP に下ろした垂線の足が R であることから、AROP\vec{AR} \perp \vec{OP} である。
AR=OROA=lOBOA\vec{AR} = \vec{OR} - \vec{OA} = l\vec{OB} - \vec{OA} である。
AROP=0\vec{AR} \cdot \vec{OP} = 0 より、
(lOBOA)(13OA+23OB)=0(l\vec{OB} - \vec{OA}) \cdot (\frac{1}{3}\vec{OA} + \frac{2}{3}\vec{OB}) = 0
l3OBOA+2l3OB213OA223OAOB=0\frac{l}{3}\vec{OB} \cdot \vec{OA} + \frac{2l}{3}|\vec{OB}|^2 - \frac{1}{3}|\vec{OA}|^2 - \frac{2}{3}\vec{OA} \cdot \vec{OB} = 0
l3t+2l3t213923t=0\frac{l}{3}t + \frac{2l}{3}t^2 - \frac{1}{3}9 - \frac{2}{3}t = 0
lt+2lt292t=0lt + 2lt^2 - 9 - 2t = 0
l(t+2t2)=9+2tl(t + 2t^2) = 9 + 2t
l=9+2tt+2t2=9+2tt(1+2t)l = \frac{9 + 2t}{t + 2t^2} = \frac{9+2t}{t(1+2t)}
したがって、OR=OR=lOB=lOB=lt=9+2t1+2tOR = |\vec{OR}| = |l\vec{OB}| = |l||\vec{OB}| = |l|t = \frac{9+2t}{1+2t}
(3) tt の値の範囲を求める。
点 R が線分 MB 上にあるとき、M=12OBM = \frac{1}{2}OB であるから、t2ORt\frac{t}{2} \le OR \le t である。
t29+2t1+2tt\frac{t}{2} \le \frac{9+2t}{1+2t} \le t
まず、t29+2t1+2t\frac{t}{2} \le \frac{9+2t}{1+2t} より、t(1+2t)2(9+2t)t(1+2t) \le 2(9+2t)
t+2t218+4tt + 2t^2 \le 18 + 4t
2t23t1802t^2 - 3t - 18 \le 0
(2tα)(tβ)0(2t - \alpha)(t - \beta) \le 0
α=3+9+1444=3+1534,β=31534\alpha = \frac{3 + \sqrt{9 + 144}}{4} = \frac{3 + \sqrt{153}}{4}, \beta = \frac{3 - \sqrt{153}}{4}
31534t3+1534\frac{3-\sqrt{153}}{4} \le t \le \frac{3+\sqrt{153}}{4}
t>0t > 0 より 0<t3+15343.840 < t \le \frac{3+\sqrt{153}}{4} \approx 3.84
次に、9+2t1+2tt\frac{9+2t}{1+2t} \le t より、9+2tt(1+2t)9+2t \le t(1+2t)
9+2tt+2t29 + 2t \le t + 2t^2
2t2t902t^2 - t - 9 \ge 0
t=1±1+724=1±734t = \frac{1 \pm \sqrt{1+72}}{4} = \frac{1 \pm \sqrt{73}}{4}
t1+734t \ge \frac{1+\sqrt{73}}{4} or t1734t \le \frac{1-\sqrt{73}}{4}
t>0t > 0 より、t1+7342.39t \ge \frac{1+\sqrt{73}}{4} \approx 2.39
また、AOB\angle AOB が鋭角より、0<cosAOB=13<10 < \cos\angle AOB = \frac{1}{3} < 1
OC=1<OB=tOC = 1 < OB = t である必要がある。
1<t1 < t
したがって、1+734t3+1534\frac{1+\sqrt{73}}{4} \le t \le \frac{3+\sqrt{153}}{4}

3. 最終的な答え

(1) OAOB=t\vec{OA} \cdot \vec{OB} = t
(2) OR=9+2t1+2tOR = \frac{9+2t}{1+2t}
(3) 1+734t3+1534\frac{1+\sqrt{73}}{4} \le t \le \frac{3+\sqrt{153}}{4}

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