箱Aには白玉1個、黒玉2個が、箱Bには白玉2個、黒玉1個が入っている。箱Aと箱Bからそれぞれ1個ずつ玉を取り出す。取り出した玉の色が同じなら、取り出した玉を元の箱に戻す。色が異なるなら、取り出した玉を相手の箱に入れる。 (1) 操作を1回行った後、箱Aに入っている白玉の個数が0個となる確率と1個となる確率を求める。 (2) 操作を2回行った後、箱Aに入っている白玉の個数が1個となる確率を求める。 (3) 操作を2回行った後、箱Aに入っている白玉の個数をXとすると、Xの期待値を求める。

確率論・統計学確率期待値確率分布条件付き確率
2025/7/12

1. 問題の内容

箱Aには白玉1個、黒玉2個が、箱Bには白玉2個、黒玉1個が入っている。箱Aと箱Bからそれぞれ1個ずつ玉を取り出す。取り出した玉の色が同じなら、取り出した玉を元の箱に戻す。色が異なるなら、取り出した玉を相手の箱に入れる。
(1) 操作を1回行った後、箱Aに入っている白玉の個数が0個となる確率と1個となる確率を求める。
(2) 操作を2回行った後、箱Aに入っている白玉の個数が1個となる確率を求める。
(3) 操作を2回行った後、箱Aに入っている白玉の個数をXとすると、Xの期待値を求める。

2. 解き方の手順

(1) 箱Aの白玉の個数が0になるのは、Aから白玉を取り出し、Bから黒玉を取り出す場合。
箱Aの白玉の個数が1になるのは、
(i) Aから白玉を取り出し、Bから白玉を取り出す場合。
(ii) Aから黒玉を取り出し、Bから黒玉を取り出す場合。
(iii) Aから黒玉を取り出し、Bから白玉を取り出し、次に操作を行ったときにAに白玉を戻す場合。
(2) 操作を2回行った後、箱Aの白玉が1個になるのは、(1)の結果を使って計算する。
(3) 箱Aに入っている白玉の個数Xは0, 1, 2のいずれか。それぞれの確率を求めて期待値を計算する。
まず、1回の操作後の箱Aの状態について考える。
* 箱Aの白玉が0個になる確率:
Aから白玉を取り出す確率は 1/31/3、Bから黒玉を取り出す確率は 1/31/3。よって確率は (1/3)×(1/3)=1/9(1/3) \times (1/3) = 1/9
* 箱Aの白玉が1個になる確率:
(i) Aから白玉を取り出す確率は 1/31/3、Bから白玉を取り出す確率は 2/32/3。よって確率は (1/3)×(2/3)=2/9(1/3) \times (2/3) = 2/9
(ii) Aから黒玉を取り出す確率は 2/32/3、Bから黒玉を取り出す確率は 1/31/3。よって確率は (2/3)×(1/3)=2/9(2/3) \times (1/3) = 2/9
よって箱Aの白玉が1個になる確率は 2/9+2/9=4/92/9 + 2/9 = 4/9
* 箱Aの白玉が2個になる確率:
Aから黒玉を取り出す確率は 2/32/3、Bから白玉を取り出す確率は 2/32/3。よって確率は (2/3)×(2/3)=4/9(2/3) \times (2/3) = 4/9
したがって、操作を1回行った後、箱Aに白玉が0個になる確率は 1/91/9、1個になる確率は 4/94/9、2個になる確率は 4/94/9 である。
(2) 操作を2回行った後、箱Aに白玉が1個になる確率を求める。
初期状態(白玉1個)から、
(i) 1回目の操作で白玉が0個になり、2回目の操作で白玉が1個になる。確率は (1/9)×(2/3×2/3)=4/81(1/9) \times (2/3 \times 2/3) = 4/81
(ii) 1回目の操作で白玉が1個のままで、2回目の操作でも白玉が1個のまま。確率は (4/9)×(4/9)=16/81(4/9) \times (4/9) = 16/81
(iii) 1回目の操作で白玉が2個になり、2回目の操作で白玉が1個になる。確率は (4/9)×(1/3×1/3)=4/81(4/9) \times (1/3 \times 1/3) = 4/81
よって、操作を2回行った後、箱Aに白玉が1個となる確率は 4/81+16/81+4/81=24/81=8/274/81 + 16/81 + 4/81 = 24/81 = 8/27
1回操作後の白玉の個数の変化:
0 -> 1: 4/9
1 -> 0: 1/9
1 -> 1: 4/9
1 -> 2: 4/9
2 -> 1: 1/9
つまり
P(X2=1)=P(X1=0)P(10)+P(X1=1)P(11)+P(X1=2)P(12)P(X_2=1) = P(X_1=0)P(1|0) + P(X_1=1)P(1|1) + P(X_1=2)P(1|2)
P(X2=1)=(1/9)(4/9)+(4/9)(4/9)+(4/9)(1/9)=(4+16+4)/81=24/81=8/27=32/81P(X_2=1) = (1/9)(4/9) + (4/9)(4/9) + (4/9)(1/9) = (4+16+4)/81 = 24/81 = 8/27 = 32/81
(3) 操作を2回行った後の白玉の個数Xの期待値を求める。
P(X2=0)=(1/9)(5/9)+(4/9)(1/9)+(4/9)(0)=9/81=1/9P(X_2=0) = (1/9)(5/9) + (4/9)(1/9) + (4/9)(0) = 9/81 = 1/9
P(X2=2)=(1/9)(0)+(4/9)(4/9)+(4/9)(8/9)=48/81=16/27=48/81P(X_2=2) = (1/9)(0) + (4/9)(4/9) + (4/9)(8/9) = 48/81=16/27 = 48/81
E[X]=0(9/81)+1(32/81)+2(40/81)=32/81+80/81=112/81E[X] = 0 * (9/81) + 1 * (32/81) + 2 * (40/81) = 32/81+80/81 = 112/81
箱Aに白玉が0個となる確率は 1/91/9
箱Aに白玉が1個となる確率は 4/94/9
箱Aに白玉が1個となる確率は 32/8132/81
期待値E[X]=xipi=0P(X=0)+1P(X=1)+2P(X=2)E[X]= \sum x_i p_i = 0*P(X=0) + 1*P(X=1)+2*P(X=2).
P(X=0)=1959+4919+490=981=19P(X=0)=\frac{1}{9}\cdot\frac{5}{9}+\frac{4}{9}\cdot\frac{1}{9}+\frac{4}{9}\cdot 0 = \frac{9}{81}=\frac{1}{9}
P(X=1)=3281P(X=1)=\frac{32}{81}
P(X=2)=1193281=8193281=4081P(X=2)=1-\frac{1}{9}-\frac{32}{81} = \frac{81-9-32}{81}=\frac{40}{81}
E[X]=0+13281+24081=32+8081=11281E[X]=0+1\cdot\frac{32}{81}+2\cdot \frac{40}{81}=\frac{32+80}{81} = \frac{112}{81}
期待値は112/81

3. 最終的な答え

19: 1/91/9
20: 4/94/9
21: 32/8132/81
22: 112/81112/81

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