$m < n$ のとき、$n$ 変数で $m$ 個の方程式からなる同次連立一次方程式は、非自明な解をもつことを定理 2-9 などを利用して証明する。
2025/7/13
1. 問題の内容
のとき、 変数で 個の方程式からなる同次連立一次方程式は、非自明な解をもつことを定理 2-9 などを利用して証明する。
2. 解き方の手順
同次連立一次方程式は、必ず自明な解 を持ちます。したがって、非自明な解を持つかどうかを調べることは、解が一意でないことを示すことと同値です。
個の 変数の同次連立一次方程式は、行列を用いて と表すことができます。ここで、 は 行列、 は 次元列ベクトル、 は 次元零ベクトルです。
行列 の階数 (rank) を とします。階数 は、行列 の線形独立な行ベクトルの最大数、または線形独立な列ベクトルの最大数です。階数の定義から、 および が成り立ちます。
の解空間の次元は、 です。これは、線形代数の基本的な定理です(次元定理)。
問題の条件 より、 なので、 となります。したがって、解空間の次元 は正の数であり、解空間は自明な解 以外のベクトルを含みます。これは、 が非自明な解を持つことを意味します。
3. 最終的な答え
のとき、 変数で 個の方程式からなる同次連立一次方程式は、非自明な解をもつ。