(1) $0 \le x \le \pi$ において、$|\cos x| = \sin x$ を満たす $x$ を求め、同じ範囲で $\cos(\cos x)$ と $\cos(\sin x)$ の大小を比較する。 (2) $\alpha \ge 0$, $\beta \ge 0$, $\alpha + \beta < \frac{\pi}{2}$ のとき、$\cos \alpha > \sin \beta$ となることを示し、$0 \le x \le \pi$ において、$\cos(\cos x) > \sin(\sin x)$ を示す。
2025/7/13
1. 問題の内容
(1) において、 を満たす を求め、同じ範囲で と の大小を比較する。
(2) , , のとき、 となることを示し、 において、 を示す。
2. 解き方の手順
(1)
まず、 を満たす を求める。
であるから、 である。
(i) のとき、 なので となり、 を解けばよい。これは である。
(ii) のとき、 なので となり、 を解けばよい。これは と同値であり、 である。
したがって、 を満たす は である。
次に、 と の大小を比較する。
において、 かつ である。
において、 は で最大値1を取り、それ以外では である。一方、 は で最大値1を取り、 で最小値-1を取る。
ここで、 は、 付近では減少関数である。
において、 と である。
は が増加するにつれて減少する。一方、 は で増加し、 で減少する。
のとき、 かつ である。また、 は減少関数なので、 ならば である。
において、常に が成り立つ。また、 である。
の最大値は 1 であり、 の最大値は 1 である。
と の大小関係を考えると、区間によって異なる。
では
では
では
では
関数 は 近傍で減少関数である。
において、 は最大でも1なので、が成り立つ。
と を比較する。 は が小さいほど大きくなる。
は が小さいほど大きくなる。
のとき、 であり、 である。
であるから、 である。
(2)
, , のとき、 を示す。
である。したがって、 を示せばよい。
より、 である。
は で減少関数であるから、 ならば が成り立つ。したがって、 である。
次に、 において、 を示す。
と とおく。
より、 かつ である。
のとき、 であるから となる。
のとき、 である。
を示す必要がある。 と であるから、 を示す。
である。 より である。
なので、 である。
であるから、 である。したがって、 が成り立つ。
が示された。
3. 最終的な答え
(1) を満たす は である。また、 である。
(2) である。