$M$ を2以上の整数とし、袋の中に0から $M$ までの数字が一つずつ書かれた $M+1$ 枚のカードが入っている。 操作Tは、袋の中から同時に3枚のカードを取り出し、取り出された3枚のカードに書かれた数字のうち、最小のものを $X$、最大のものを $Y$ とし、取り出した3枚のカードを袋に戻す。 (1) $M=4$ のとき、Tを1回行う場合の、確率変数 $X$ の確率分布、平均、分散を求め、さらに確率変数 $Y-X$ の平均、分散を求める。 (2) $M=6$ のとき、Tを1回行う場合の、$P(Y-X=6)$ を求める。

確率論・統計学確率分布期待値分散組み合わせ
2025/7/13

1. 問題の内容

MM を2以上の整数とし、袋の中に0から MM までの数字が一つずつ書かれた M+1M+1 枚のカードが入っている。
操作Tは、袋の中から同時に3枚のカードを取り出し、取り出された3枚のカードに書かれた数字のうち、最小のものを XX、最大のものを YY とし、取り出した3枚のカードを袋に戻す。
(1) M=4M=4 のとき、Tを1回行う場合の、確率変数 XX の確率分布、平均、分散を求め、さらに確率変数 YXY-X の平均、分散を求める。
(2) M=6M=6 のとき、Tを1回行う場合の、P(YX=6)P(Y-X=6) を求める。

2. 解き方の手順

(1) M=4M=4 のとき、袋の中には0, 1, 2, 3, 4の5枚のカードが入っている。3枚のカードの選び方は 5C3=543321=10{}_5C_3 = \frac{5 \cdot 4 \cdot 3}{3 \cdot 2 \cdot 1} = 10 通りである。
- P(X=0)P(X=0) を求める。
X=0X=0 となるのは、取り出す3枚のカードに0が含まれる場合である。
0を含む3枚の選び方は、残りの2枚を1, 2, 3, 4から選ぶので、4C2=4321=6{}_4C_2 = \frac{4 \cdot 3}{2 \cdot 1} = 6 通り。
よって、P(X=0)=610=35P(X=0) = \frac{6}{10} = \frac{3}{5}
- P(X=1)P(X=1) を求める。
X=1X=1 となるのは、取り出す3枚のカードに1が含まれ、0が含まれない場合である。
1を含む3枚の選び方は、最小値が1なので、選ぶ3枚は1, 2, 3, 4のいずれかである。また、0を含まない必要があるので、残り2枚は2, 3, 4から選ぶ。3C2=3221=3{}_3C_2 = \frac{3 \cdot 2}{2 \cdot 1} = 3通り。
よって、P(X=1)=310P(X=1) = \frac{3}{10}
- P(X=2)P(X=2) を求める。
X=2X=2 となるのは、取り出す3枚のカードに2が含まれ、0, 1が含まれない場合である。
2を含む3枚の選び方は、最小値が2なので、選ぶ3枚は2, 3, 4のいずれかである。また、0, 1を含まない必要があるので、残り2枚は3, 4から選ぶ。2C2=1{}_2C_2 = 1通り。
よって、P(X=2)=110P(X=2) = \frac{1}{10}
- XX の平均(期待値)E[X]E[X] を求める。
E[X]=0P(X=0)+1P(X=1)+2P(X=2)=035+1310+2110=0+310+210=510=12E[X] = 0 \cdot P(X=0) + 1 \cdot P(X=1) + 2 \cdot P(X=2) = 0 \cdot \frac{3}{5} + 1 \cdot \frac{3}{10} + 2 \cdot \frac{1}{10} = 0 + \frac{3}{10} + \frac{2}{10} = \frac{5}{10} = \frac{1}{2}
- XX の分散 V[X]V[X] を求める。
E[X2]=02P(X=0)+12P(X=1)+22P(X=2)=035+1310+4110=0+310+410=710E[X^2] = 0^2 \cdot P(X=0) + 1^2 \cdot P(X=1) + 2^2 \cdot P(X=2) = 0 \cdot \frac{3}{5} + 1 \cdot \frac{3}{10} + 4 \cdot \frac{1}{10} = 0 + \frac{3}{10} + \frac{4}{10} = \frac{7}{10}
V[X]=E[X2](E[X])2=710(12)2=71014=1420520=920V[X] = E[X^2] - (E[X])^2 = \frac{7}{10} - (\frac{1}{2})^2 = \frac{7}{10} - \frac{1}{4} = \frac{14}{20} - \frac{5}{20} = \frac{9}{20}
- YXY-X の平均 E[YX]E[Y-X] を求める。
YY の取りうる値は2, 3, 4である。
P(Y=4)=4C210=610=35P(Y=4) = \frac{{}_4C_2}{10} = \frac{6}{10} = \frac{3}{5}
P(Y=3)=3C210=310P(Y=3) = \frac{{}_3C_2}{10} = \frac{3}{10}
P(Y=2)=2C210=110P(Y=2) = \frac{{}_2C_2}{10} = \frac{1}{10}
E[Y]=2110+3310+4610=2+9+2410=3510=72E[Y] = 2 \cdot \frac{1}{10} + 3 \cdot \frac{3}{10} + 4 \cdot \frac{6}{10} = \frac{2 + 9 + 24}{10} = \frac{35}{10} = \frac{7}{2}
E[YX]=E[Y]E[X]=7212=62=3E[Y-X] = E[Y] - E[X] = \frac{7}{2} - \frac{1}{2} = \frac{6}{2} = 3
3枚選んだ時の組み合わせをすべて書き出す。
0, 1, 2 Y-X = 2
0, 1, 3 Y-X = 3
0, 1, 4 Y-X = 4
0, 2, 3 Y-X = 3
0, 2, 4 Y-X = 4
0, 3, 4 Y-X = 4
1, 2, 3 Y-X = 2
1, 2, 4 Y-X = 3
1, 3, 4 Y-X = 3
2, 3, 4 Y-X = 2
平均 (2+3+4+3+4+4+2+3+3+2)/10 = 30/10 = 3
- YXY-X の分散 V[YX]V[Y-X] を求める。
E[(YX)2]=22+32+42+32+42+42+22+32+32+2210=4+9+16+9+16+16+4+9+9+410=9610=9.6E[(Y-X)^2] = \frac{2^2+3^2+4^2+3^2+4^2+4^2+2^2+3^2+3^2+2^2}{10} = \frac{4+9+16+9+16+16+4+9+9+4}{10} = \frac{96}{10} = 9.6
V[YX]=E[(YX)2](E[YX])2=9.632=9.69=0.6=610=35V[Y-X] = E[(Y-X)^2] - (E[Y-X])^2 = 9.6 - 3^2 = 9.6 - 9 = 0.6 = \frac{6}{10} = \frac{3}{5}
(2) M=6M=6 のとき、袋の中には0, 1, 2, 3, 4, 5, 6の7枚のカードが入っている。3枚のカードの選び方は 7C3=765321=35{}_7C_3 = \frac{7 \cdot 6 \cdot 5}{3 \cdot 2 \cdot 1} = 35 通りである。
P(YX=6)P(Y-X=6) を求める。これは、選んだ3枚のカードが0と6を含み、それ以外の1枚が1, 2, 3, 4, 5のいずれかである場合である。
よって、5通りの選び方がある。
したがって、P(YX=6)=535=17P(Y-X=6) = \frac{5}{35} = \frac{1}{7}

3. 最終的な答え

(1)
P(X=0)=35P(X=0) = \frac{3}{5}
P(X=1)=310P(X=1) = \frac{3}{10}
P(X=2)=110P(X=2) = \frac{1}{10}
XX の平均 (期待値) は 12\frac{1}{2}
XX の分散は 920\frac{9}{20}
YXY-X の平均 (期待値) は 33
YXY-X の分散は 35\frac{3}{5}
(2)
P(YX=6)=17P(Y-X=6) = \frac{1}{7}

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