(1) $x>0$のとき、$\log x \le \frac{x}{e}$ が成り立つことを証明する。 (2) $x>0$のとき、$\log(1+x) < x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3}$ が成り立つことを証明する。

1. 問題の内容

(1) $x>0$のとき、$\log x \le \frac{x}{e}$ が成り立つことを証明する。

(2) $x>0$のとき、$\log(1+x) < x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3}$ が成り立つことを証明する。

2. 解き方の手順

(1)

関数 $f(x) = \frac{x}{e} - \log x$ を定義する。

$f'(x) = \frac{1}{e} - \frac{1}{x}$

$f'(x) = 0$ となるのは $x=e$ のとき。

$f'(x) > 0$ となるのは $x > e$ のとき。

$f'(x) < 0$ となるのは $0 < x < e$ のとき。

したがって、$f(x)$ は $x=e$ で最小値をとる。

$f(e) = \frac{e}{e} - \log e = 1 - 1 = 0$

よって、$f(x) \ge 0$ が成り立つので、$\frac{x}{e} - \log x \ge 0$

したがって、$\log x \le \frac{x}{e}$ が成り立つ。

(2)

関数 $f(x) = x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} - \log(1+x)$ を定義する。

$f'(x) = 1 - x + x^2 - \frac{1}{1+x}$

$f'(x) = \frac{(1-x+x^2)(1+x) - 1}{1+x} = \frac{1+x-x-x^2+x^2+x^3-1}{1+x} = \frac{x^3}{1+x}$

$x>0$ のとき、$f'(x) > 0$ であるから、$f(x)$ は単調増加である。

$f(0) = 0 - 0 + 0 - \log(1) = 0$

したがって、$x>0$ のとき、$f(x) > 0$ であるから、

$x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} - \log(1+x) > 0$

$\log(1+x) < x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3}$

3. 最終的な答え

(1) $x>0$のとき、$\log x \le \frac{x}{e}$ が成り立つ。

(2) $x>0$のとき、$\log(1+x) < x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3}$ が成り立つ。