次の二つの極限が与えられています。 (1) $\lim_{x \to -1} \frac{x^2 + ax + b}{x + 1} = 2$ (2) $\lim_{x \to \infty} (\sqrt{4x^2 + ax} - bx) = -1$ これらの極限が成り立つように、定数 $a$ と $b$ の値を定める問題です。

1. 問題の内容

次の二つの極限が与えられています。

(1) $\lim_{x \to -1} \frac{x^2 + ax + b}{x + 1} = 2$

(2) $\lim_{x \to \infty} (\sqrt{4x^2 + ax} - bx) = -1$

これらの極限が成り立つように、定数 $a$ と $b$ の値を定める問題です。

2. 解き方の手順

(1) $\lim_{x \to -1} \frac{x^2 + ax + b}{x + 1} = 2$ について

$x \to -1$ のとき、分母が $0$ に近づくので、極限値が存在するためには、分子も $0$ に近づく必要があります。

したがって、

$(-1)^2 + a(-1) + b = 0$

$1 - a + b = 0$

$b = a - 1$

これを元の式に代入します。

$\lim_{x \to -1} \frac{x^2 + ax + (a - 1)}{x + 1} = 2$

分子を因数分解します。

$x^2 + ax + (a - 1) = (x + 1)(x + a - 1)$

よって、

$\lim_{x \to -1} \frac{(x + 1)(x + a - 1)}{x + 1} = 2$

$\lim_{x \to -1} (x + a - 1) = 2$

$-1 + a - 1 = 2$

$a - 2 = 2$

$a = 4$

$b = a - 1 = 4 - 1 = 3$

(2) $\lim_{x \to \infty} (\sqrt{4x^2 + ax} - bx) = -1$ について

$\lim_{x \to \infty} (\sqrt{4x^2 + ax} - bx) = -1$

$x \to \infty$ のとき、$\sqrt{4x^2 + ax}$ は $2x$ に近い値をとるので、$b = 2$ である必要があります。そうでないと、極限は $\pm \infty$ になってしまいます。

したがって、$b = 2$ とします。

$\lim_{x \to \infty} (\sqrt{4x^2 + ax} - 2x) = -1$

有理化します。

$\lim_{x \to \infty} \frac{(\sqrt{4x^2 + ax} - 2x)(\sqrt{4x^2 + ax} + 2x)}{\sqrt{4x^2 + ax} + 2x} = -1$

$\lim_{x \to \infty} \frac{(4x^2 + ax) - (4x^2)}{\sqrt{4x^2 + ax} + 2x} = -1$

$\lim_{x \to \infty} \frac{ax}{\sqrt{4x^2 + ax} + 2x} = -1$

$x$ で割ります。

$\lim_{x \to \infty} \frac{a}{\sqrt{4 + \frac{a}{x}} + 2} = -1$

$\frac{a}{\sqrt{4 + 0} + 2} = -1$

$\frac{a}{2 + 2} = -1$

$\frac{a}{4} = -1$

$a = -4$

3. 最終的な答え

(1) $a = 4$, $b = 3$

(2) $a = -4$, $b = 2$