関数 $f(x, y)$ が点 $(0, 0)$ で全微分可能かどうかを調べる問題を2つ解きます。 (1) $ f(x, y) = \begin{cases} \frac{x|y|}{\sqrt{x^2+y^2}} & (x, y) \neq (0, 0) \\ 0 & (x, y) = (0, 0) \end{cases} $ (2) $ f(x, y) = \begin{cases} xy \arcsin \frac{x^2 - y^2}{x^2 + y^2} & (x, y) \neq (0, 0) \\ 0 & (x, y) = (0, 0) \end{cases} $
2025/7/13
1. 問題の内容
関数 が点 で全微分可能かどうかを調べる問題を2つ解きます。
(1)
f(x, y) = \begin{cases}
\frac{x|y|}{\sqrt{x^2+y^2}} & (x, y) \neq (0, 0) \\
0 & (x, y) = (0, 0)
\end{cases}
(2)
f(x, y) = \begin{cases}
xy \arcsin \frac{x^2 - y^2}{x^2 + y^2} & (x, y) \neq (0, 0) \\
0 & (x, y) = (0, 0)
\end{cases}
2. 解き方の手順
関数が全微分可能であるためには、以下の条件を満たす必要があります。
1. 偏微分可能であること。
2. 偏導関数が連続であること。
(1)
まず、偏微分係数を計算します。
したがって、偏微分係数は存在します。
次に、偏導関数を計算します。
,
偏導関数が原点で連続かどうかを調べます。極座標で表すと なので
のとき偏微分はは0にならないため、連続ではありません。
全微分可能ではありません。
(2)
まず、偏微分係数を計算します。
したがって、偏微分係数は存在します。
次に、偏導関数を計算します。
偏導関数が原点で連続かどうかを調べます。
極座標で表すと なので
のとき、偏微分係数は0に近づくので、連続です。
次に、全微分可能かどうかを定義に従って確認します。
ここで、
でなければなりません。
つまり、
よって、全微分可能です。
3. 最終的な答え
(1) 全微分可能ではない。
(2) 全微分可能である。