$a$ を正の実数とする。2つの曲線 $C_1: y = ax^3$ ($x \ge 0$) と $C_2: y = x\log x$ ($x \ge 1$) が点Pを共有し、Pにおけるそれぞれの接線が一致している。 (1) 点Pの座標と $a$ の値を求めよ。 (2) 曲線 $C_1$ と $C_2$ はP以外に共有点をもたないことを示せ。 (3) 曲線 $C_1, C_2$、および $x$ 軸で囲まれた図形の面積Sを求めよ。

解析学微分積分接線対数関数面積
2025/7/13

1. 問題の内容

aa を正の実数とする。2つの曲線 C1:y=ax3C_1: y = ax^3 (x0x \ge 0) と C2:y=xlogxC_2: y = x\log x (x1x \ge 1) が点Pを共有し、Pにおけるそれぞれの接線が一致している。
(1) 点Pの座標と aa の値を求めよ。
(2) 曲線 C1C_1C2C_2 はP以外に共有点をもたないことを示せ。
(3) 曲線 C1,C2C_1, C_2、および xx 軸で囲まれた図形の面積Sを求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 点Pの座標を (t,at3)(t, at^3) とおく。ただし、t1t \ge 1 である。
C1C_1 の導関数は y=3ax2y' = 3ax^2 なので、点Pにおける接線の傾きは 3at23at^2 である。
C2C_2 の導関数は y=logx+1y' = \log x + 1 なので、点Pにおける接線の傾きは logt+1\log t + 1 である。
点Pにおける接線が一致するので、以下の2式が成り立つ。
at3=tlogtat^3 = t\log t
3at2=logt+13at^2 = \log t + 1
最初の式から、a=logtt2a = \frac{\log t}{t^2} となる。
これを2番目の式に代入すると、
3logtt2t2=logt+13 \cdot \frac{\log t}{t^2} \cdot t^2 = \log t + 1
3logt=logt+13\log t = \log t + 1
2logt=12\log t = 1
logt=12\log t = \frac{1}{2}
t=e12=et = e^{\frac{1}{2}} = \sqrt{e}
a=logtt2=1/2e=12ea = \frac{\log t}{t^2} = \frac{1/2}{e} = \frac{1}{2e}
したがって、点Pの座標は (e,e/(2e))=(e,12e)( \sqrt{e}, \sqrt{e}/(2e) ) = (\sqrt{e}, \frac{1}{2\sqrt{e}}) であり、a=12ea = \frac{1}{2e} である。
(2) C1C_1C2C_2の式をイコールで結ぶと、ax3=xlogxax^3=x \log xとなり、x>0x>0の範囲で議論できる。
a=12ea=\frac{1}{2e}を代入すると、12ex3=xlogx\frac{1}{2e}x^3=x \log xより、x(12ex2logx)=0x(\frac{1}{2e}x^2-\log x)=0
x=0x=0x1x \ge 1の条件を満たさない。
12ex2logx=0\frac{1}{2e}x^2-\log x=0つまり12ex2=logx\frac{1}{2e}x^2=\log x
f(x)=12ex2,g(x)=logxf(x)=\frac{1}{2e}x^2, g(x)=\log xとおく。
f(x)=1ex,g(x)=1xf'(x)=\frac{1}{e}x, g'(x)=\frac{1}{x}
f(x)=1e>0,g(x)=1x2<0f''(x)=\frac{1}{e}>0, g''(x)=-\frac{1}{x^2}<0
f(x)f(x)は下に凸、g(x)g(x)は上に凸である。
f(e)=g(e)f(\sqrt{e})=g(\sqrt{e})より、e\sqrt{e}以外に交点を持たない。
したがって、C1C_1C2C_2 はP以外に共有点をもたない。
(3) 求める面積Sは、
S=1exlogxdx0e12ex3dxS = \int_1^{\sqrt{e}} x\log x \, dx - \int_0^{\sqrt{e}} \frac{1}{2e}x^3 \, dx
xlogxdx=12x2logx12x21xdx=12x2logx14x2\int x\log x \, dx = \frac{1}{2}x^2\log x - \int \frac{1}{2}x^2 \cdot \frac{1}{x} \, dx = \frac{1}{2}x^2\log x - \frac{1}{4}x^2
1exlogxdx=(12e1214e)(014)=18e+14\int_1^{\sqrt{e}} x\log x \, dx = (\frac{1}{2}e \cdot \frac{1}{2} - \frac{1}{4}e) - (0 - \frac{1}{4}) = \frac{1}{8}e + \frac{1}{4}
0e12ex3dx=12e[14x4]0e=12e14e2=18e\int_0^{\sqrt{e}} \frac{1}{2e}x^3 \, dx = \frac{1}{2e} [\frac{1}{4}x^4]_0^{\sqrt{e}} = \frac{1}{2e} \cdot \frac{1}{4}e^2 = \frac{1}{8}e
S=(18e+14)18e=14S = (\frac{1}{8}e + \frac{1}{4}) - \frac{1}{8}e = \frac{1}{4}

3. 最終的な答え

(1) P(e,12e)(\sqrt{e}, \frac{1}{2\sqrt{e}}), a=12ea = \frac{1}{2e}
(2) 省略
(3) S=14S = \frac{1}{4}

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