問題5の(1)(2)(3)を解きます。 (1) $\lim_{n\to\infty} (1 + \frac{x}{n})^n$ を求めます。 (2) $e^x$ のマクローリン展開を求め、それを用いて $e^{0.1}$ の近似値を求めます(2次までの項で打ち切る)。 (3) 元本100万円、年利10%の連続複利を考える。期間 $\frac{1}{n}$ 年毎に利率 $\frac{10}{n}\%$で金利を受け取るとすると、1年後の元利合計 (元本と利息の合計)の $n \to \infty$ とした極限を求めます。

解析学極限指数関数マクローリン展開連続複利
2025/7/13

1. 問題の内容

問題5の(1)(2)(3)を解きます。
(1) limn(1+xn)n\lim_{n\to\infty} (1 + \frac{x}{n})^n を求めます。
(2) exe^x のマクローリン展開を求め、それを用いて e0.1e^{0.1} の近似値を求めます(2次までの項で打ち切る)。
(3) 元本100万円、年利10%の連続複利を考える。期間 1n\frac{1}{n} 年毎に利率 10n%\frac{10}{n}\%で金利を受け取るとすると、1年後の元利合計 (元本と利息の合計)の nn \to \infty とした極限を求めます。

2. 解き方の手順

(1)
limn(1+xn)n=ex\lim_{n\to\infty} (1 + \frac{x}{n})^n = e^x は指数関数の定義として知られています。
(2)
exe^x のマクローリン展開は以下のようになります。
ex=1+x+x22!+x33!+e^x = 1 + x + \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} + \dots
e0.1e^{0.1} の近似値を求めるために、2次までの項で打ち切ります。
e0.11+0.1+(0.1)22=1+0.1+0.012=1+0.1+0.005=1.105e^{0.1} \approx 1 + 0.1 + \frac{(0.1)^2}{2} = 1 + 0.1 + \frac{0.01}{2} = 1 + 0.1 + 0.005 = 1.105
(3)
元本を PP とし、年利率を rr とすると、1n\frac{1}{n} 年毎に rn\frac{r}{n} の利率を受け取る場合、1年後の元利合計は以下の式で表されます。
P(1+rn)nP(1 + \frac{r}{n})^n
nn \to \infty の極限を考えると、これは連続複利の式となります。
limnP(1+rn)n=Per\lim_{n\to\infty} P(1 + \frac{r}{n})^n = P e^r
この問題では、P=100P = 100万円、r=0.1r = 0.1 なので、
limn100(1+0.1n)n=100e0.1\lim_{n\to\infty} 100(1 + \frac{0.1}{n})^n = 100 e^{0.1}
e0.11.105e^{0.1} \approx 1.105 (上記で計算済み) を使うと、100e0.1100×1.105=110.5100 e^{0.1} \approx 100 \times 1.105 = 110.5 万円となります。

3. 最終的な答え

(1) exe^x
(2) ex=1+x+x22!+x33!+e^x = 1 + x + \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} + \dots , e0.11.105e^{0.1} \approx 1.105
(3) およそ110.5万円

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