実数 $k$ を定数とする。方程式 $x^3 - 3x^2 - k = 0$ が異なる3つの実数解 $\alpha, \beta, \gamma$ ($\alpha < \beta < \gamma$)を持つとき、以下の問いに答える。 (1) $k$ のとり得る値の範囲を求めよ。 (2) $\alpha$ のとり得る値の範囲を求めよ。

解析学三次関数微分増減極値実数解
2025/7/14

1. 問題の内容

実数 kk を定数とする。方程式 x33x2k=0x^3 - 3x^2 - k = 0 が異なる3つの実数解 α,β,γ\alpha, \beta, \gammaα<β<γ\alpha < \beta < \gamma)を持つとき、以下の問いに答える。
(1) kk のとり得る値の範囲を求めよ。
(2) α\alpha のとり得る値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
f(x)=x33x2f(x) = x^3 - 3x^2 とおく。
f(x)=3x26x=3x(x2)f'(x) = 3x^2 - 6x = 3x(x-2)
f(x)=0f'(x) = 0 となるのは x=0,2x = 0, 2
増減表は以下のようになる。
| x | ... | 0 | ... | 2 | ... |
|------|-----|----|-----|----|-----|
| f'(x)| + | 0 | - | 0 | + |
| f(x) | ↑ | 0 | ↓ | -4 | ↑ |
x33x2k=0x^3 - 3x^2 - k = 0 が異なる3つの実数解を持つためには、y=f(x)y = f(x) のグラフと y=ky = k のグラフが異なる3点で交わる必要がある。したがって、 4<k<0-4 < k < 0 である。
(2)
f(x)=x33x2f(x) = x^3 - 3x^2 のグラフを考える。α\alphaf(x)=kf(x) = k の最小の解である。
f(x)=kf(x) = k が異なる3つの実数解を持つとき、x=0x = 0 で極大値 00 をとり、x=2x = 2 で極小値 4-4 をとるので、f(x)f(x) のグラフは、x=0x=0 の左側から増加してきて、極大値00をとった後、減少して、x=2x=2で極小値4-4をとって、再び増加していく。
したがって、kk の値が 4<k<0-4 < k < 0 の範囲にあるとき、α\alpha は常に x<0x < 0 の範囲に存在する。
x33x2=4x^3 - 3x^2 = -4 を解くと、
x33x2+4=0x^3 - 3x^2 + 4 = 0
(x+1)(x2)2=0(x+1)(x-2)^2 = 0
x=1,2x = -1, 2
kkが-4に近づくとき、3つの解のうちの2つはx=2x=2に近づき、残りの1つはx=1x=-1に近づく。
f(x)=0f(x)=0を解くと、x33x2=0x^3-3x^2=0より、x2(x3)=0x^2(x-3)=0なので、x=0,3x=0,3
kkが0に近づくとき、3つの解のうち2つはx=0x=0に近づき、残りの1つはx=3x=3に近づく。
α<β<γ\alpha < \beta < \gamma なので、α\alpha は最小の解である。
したがって、1<α<0-1 < \alpha < 0 である。

3. 最終的な答え

(1) 4<k<0-4 < k < 0
(2) 1<α<0-1 < \alpha < 0

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