$x = (x_1, ..., x_n)$, $y = (y_1, ..., y_n)$, $z = (z_1, ..., z_n) \in \mathbb{R}^n$ に対し、距離 $d_1(x, y)$, $d_2(x, y)$, $d_\infty(x, y)$ について、以下の問いに答える。 (1) 任意の $x, y, z \in \mathbb{R}^n$ に対し、$d_\infty(x, y) \le d_\infty(x, z) + d_\infty(z, y)$ が成り立つことを示す。 (2) 「任意の $x, y \in \mathbb{R}^n$ に対し、$d_1(x, y) \le C_1 d_2(x, y)$ が成り立つ」ような $C_1 > 0$ で最も小さい定数を求める。 (3) (1) で求めた $C_1 > 0$ に対し、等式が成り立つ $x, y \in \mathbb{R}^n$ を具体的に一つ挙げる。 (4) 「任意の $x, y \in \mathbb{R}^n$ に対し、$d_\infty(x, y) \le C_2 d_2(x, y)$ が成り立つ」ような $C_2 > 0$ で最も小さい定数を求める。 (5) (3) で求めた $C_2 > 0$ に対し、等式が成り立つ $x, y \in \mathbb{R}^n$ を具体的に一つ挙げる。
2025/7/14
## 2.6の問題
1. 問題の内容
, , に対し、距離 , , について、以下の問いに答える。
(1) 任意の に対し、 が成り立つことを示す。
(2) 「任意の に対し、 が成り立つ」ような で最も小さい定数を求める。
(3) (1) で求めた に対し、等式が成り立つ を具体的に一つ挙げる。
(4) 「任意の に対し、 が成り立つ」ような で最も小さい定数を求める。
(5) (3) で求めた に対し、等式が成り立つ を具体的に一つ挙げる。
2. 解き方の手順
(1) なので、三角不等式を利用する。
任意の に対して、
よって、
(2) , である。
Cauchy-Schwarzの不等式より、.
したがって、 が最も小さい定数。
(3) , のとき、, 。
が成り立つのは、 のときのみ。
, とすると、、なので、 が成り立つ。
(4) , である。
任意の に対し、 であるから、
.
よって、. つまり、とするととなる。
なので、が成り立つ。
, のとき、, 。この時、となる。
, のとき、, 。この時、となる。
したがって、 が最も小さい定数。
(5) , のとき、, 。 が成り立つ ()。
3. 最終的な答え
(1)
(2)
(3) 例: ,
(4)
(5) 例: ,