多項式 $P(x)$ があり、$P(x)$ は $x-1$ で割り切れ、$x+2$ で割った余りが 9 である。$P(x)$ のすべての項の係数は実数である。 (1) $P(1)$, $P(-2)$ の値をそれぞれ求めよ。 (2) $P(x)$ を $x^2+x-2$ で割った余りを求めよ。 (3) $P(x)$ は 3 次の項の係数が 1 である 3 次式であり、方程式 $P(x)=0$ が異なる実数解をちょうど 2 個もつ。$P(x)$ を求めよ。

1. 問題の内容

多項式 $P(x)$ があり、$P(x)$ は $x-1$ で割り切れ、$x+2$ で割った余りが 9 である。$P(x)$ のすべての項の係数は実数である。

(1) $P(1)$, $P(-2)$ の値をそれぞれ求めよ。

(2) $P(x)$ を $x^2+x-2$ で割った余りを求めよ。

(3) $P(x)$ は 3 次の項の係数が 1 である 3 次式であり、方程式 $P(x)=0$ が異なる実数解をちょうど 2 個もつ。$P(x)$ を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $P(x)$ は $x-1$ で割り切れるので、$P(1)=0$ である。

$P(x)$ を $x+2$ で割った余りが 9 なので、剰余の定理より $P(-2)=9$ である。

(2) $x^2+x-2 = (x-1)(x+2)$ である。

$P(x)$ を $x^2+x-2$ で割った余りを $ax+b$ とおくと、

$P(x) = (x^2+x-2)Q(x) + ax+b$ と表せる。ここで $Q(x)$ は商である。

$P(1) = a(1)+b = a+b = 0$

$P(-2) = a(-2)+b = -2a+b = 9$

この連立方程式を解くと、

$-2a+b = 9$

$a+b = 0$ より $b = -a$

$-2a-a = 9$

$-3a = 9$

$a = -3$

$b = 3$

よって、余りは $-3x+3$ である。

(3) $P(x)$ は 3 次の項の係数が 1 である 3 次式であり、$P(x)=0$ が異なる実数解をちょうど 2 個持つ。

$P(x)$ は $x-1$ で割り切れるので、$P(x)=(x-1)(x^2+cx+d)$ と表せる。

$P(x)=0$ が異なる実数解をちょうど 2 個持つので、$x^2+cx+d=0$ が $x=1$ を解に持つか、重解を持つかのいずれかである。

i) $x^2+cx+d=0$ が $x=1$ を解に持つとき、$1+c+d=0$ より $d = -c-1$。

このとき、$P(x) = (x-1)(x^2+cx-c-1) = (x-1)^2(x+c+1)$

$P(-2) = (-2-1)^2(-2+c+1) = 9(c-1) = 9$

$c-1 = 1$ より $c = 2$

$P(x) = (x-1)^2(x+3) = (x^2-2x+1)(x+3) = x^3+3x^2-2x^2-6x+x+3 = x^3+x^2-5x+3$

ii) $x^2+cx+d=0$ が重解を持つとき、$D = c^2-4d = 0$ より $d = \frac{c^2}{4}$

このとき、$P(x)=(x-1)(x^2+cx+\frac{c^2}{4}) = (x-1)(x+\frac{c}{2})^2$

$P(-2) = (-2-1)(-2+\frac{c}{2})^2 = -3(-2+\frac{c}{2})^2 = 9$

$(-2+\frac{c}{2})^2 = -3$

これは実数解を持たない。

したがって、$P(x) = x^3+x^2-5x+3$

3. 最終的な答え

(1) $P(1) = 0$, $P(-2) = 9$

(2) $-3x+3$

(3) $P(x) = x^3+x^2-5x+3$