複素数平面上に異なる3点 $z, z^2, z^3$ がある。 (1) $z, z^2, z^3$ が同一直線上にあるような $z$ をすべて求めよ。 (2) $z, z^2, z^3$ が二等辺三角形の頂点になるような $z$ の全体を複素数平面上に図示せよ。また、$z, z^2, z^3$ が正三角形の頂点になるような $z$ をすべて求めよ。

はい、承知いたしました。問題を解いていきます。

1. 問題の内容

複素数平面上に異なる3点 $z, z^2, z^3$ がある。

(1) $z, z^2, z^3$ が同一直線上にあるような $z$ をすべて求めよ。

(2) $z, z^2, z^3$ が二等辺三角形の頂点になるような $z$ の全体を複素数平面上に図示せよ。また、$z, z^2, z^3$ が正三角形の頂点になるような $z$ をすべて求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $z, z^2, z^3$ が同一直線上にある条件は、

$\frac{z^2 - z}{z^3 - z} = \frac{z(z-1)}{z(z^2 - 1)} = \frac{z-1}{(z-1)(z+1)} = \frac{1}{z+1}$ が実数であることである。

ただし、$z \neq 0, z \neq 1, z \neq -1$ である。

$\frac{1}{z+1}$ が実数であるとき、$z+1$ も実数であるから、$z$ の虚部が0である。

よって、$z$ は実数である。

$z, z^2, z^3$ が異なる点であることから、$z \neq 0, 1, -1$ である。

したがって、$z$ は $0, 1, -1$ 以外の実数である。

(2) $z, z^2, z^3$ が二等辺三角形の頂点になる条件を考える。

(i) $|z - z^2| = |z^2 - z^3|$ のとき、

$|z(1-z)| = |z^2(1-z)|$ より $|z| = |z^2|$ となり、$|z| = |z|^2$ である。

$z \neq 0$ より、$|z| = 1$ である。

(ii) $|z - z^2| = |z^3 - z|$ のとき、

$|z(1-z)| = |z(z^2 - 1)|$ より $|1-z| = |(z-1)(z+1)|$ となり、$|1-z| = |z-1||z+1|$ である。

$|1-z| = |z-1| = |z-1||z+1|$ より $|z+1| = 1$ である。

これは、中心 $-1$, 半径 1 の円である。

(iii) $|z^2 - z^3| = |z^3 - z|$ のとき、

$|z^2(1-z)| = |z(z^2 - 1)|$ より $|z(1-z)| = |(z-1)(z+1)|$ となり、$|z| = |z+1|$ である。

これは、$z=0$ と $z=-1$ の垂直二等分線であり、実部が $-\frac{1}{2}$ の直線である。

$z, z^2, z^3$ が正三角形の頂点になる条件は、$z^2 = z e^{\pm i \frac{\pi}{3}} + z^3 e^{\mp i \frac{\pi}{3}}$となることである。

$z, z^2, z^3$ が正三角形の頂点になるとき、$z + \omega z^2 + \omega^2 z^3 = 0$ または $z + \omega^2 z^2 + \omega z^3 = 0$ を満たす。ここで $\omega = e^{\frac{2 \pi i}{3}}$ は1の原始3乗根である。

$z(1 + \omega z + \omega^2 z^2) = 0$ または $z(1 + \omega^2 z + \omega z^2) = 0$ である。

$z \neq 0$ なので、$1 + \omega z + \omega^2 z^2 = 0$ または $1 + \omega^2 z + \omega z^2 = 0$ となる。

$z = \frac{-\omega \pm \sqrt{\omega^2 - 4 \omega^2}}{2 \omega^2} = \frac{-\omega \pm \sqrt{-3 \omega^2}}{2 \omega^2} = \frac{-\omega \pm i \sqrt{3} \omega}{2 \omega^2} = \frac{-1 \pm i \sqrt{3}}{2 \omega} = \omega^2 \frac{-1 \pm i \sqrt{3}}{2} = \frac{1}{2} (1 \pm i \sqrt{3})$ または $z = \frac{1}{2} (1 \mp i \sqrt{3})$である。

3. 最終的な答え

(1) $z$ は $0, 1, -1$ 以外の実数。

(2) 二等辺三角形になる $z$ は、複素数平面上で $|z| = 1$, $|z+1| = 1$, 実部が $-\frac{1}{2}$ の直線上にある。

正三角形になる $z$ は、$\frac{1}{2} (1 + i \sqrt{3})$ と $\frac{1}{2} (1 - i \sqrt{3})$ である。