表が出る確率が1/3、裏が出る確率が2/3であるコインを10枚投げます。表が出れば1点、裏が出れば-1点を得ます。10枚のコインを同時に投げて得られる点数の和を確率変数 $X$ とするとき、$X$ の期待値 $E[X]$ を求めます。

確率論・統計学期待値分散確率変数線形性
2025/7/15
## 問題2

1. 問題の内容

表が出る確率が1/3、裏が出る確率が2/3であるコインを10枚投げます。表が出れば1点、裏が出れば-1点を得ます。10枚のコインを同時に投げて得られる点数の和を確率変数 XX とするとき、XX の期待値 E[X]E[X] を求めます。

2. 解き方の手順

各コインの期待値を求め、それらを合計することで XX の期待値を求めます。
1枚のコインを投げたときの得点を確率変数 YY とします。YY は以下の値を取ります。
- 表が出た場合: Y=1Y = 1 (確率 1/31/3)
- 裏が出た場合: Y=1Y = -1 (確率 2/32/3)
YY の期待値 E[Y]E[Y]
E[Y]=113+(1)23=1323=13E[Y] = 1 \cdot \frac{1}{3} + (-1) \cdot \frac{2}{3} = \frac{1}{3} - \frac{2}{3} = -\frac{1}{3}
XX は10枚のコインの得点の和なので、X=Y1+Y2++Y10X = Y_1 + Y_2 + \cdots + Y_{10} と表せます。ここで、YiY_iii 番目のコインの得点です。
期待値の線形性より、
E[X]=E[Y1+Y2++Y10]=E[Y1]+E[Y2]++E[Y10]E[X] = E[Y_1 + Y_2 + \cdots + Y_{10}] = E[Y_1] + E[Y_2] + \cdots + E[Y_{10}]
各コインの期待値はすべて等しく E[Y]=13E[Y] = -\frac{1}{3} なので、
E[X]=10E[Y]=10(13)=103E[X] = 10 \cdot E[Y] = 10 \cdot \left(-\frac{1}{3}\right) = -\frac{10}{3}

3. 最終的な答え

103-\frac{10}{3}
## 問題3

1. 問題の内容

ある駅の売店で新聞を売っています。1日の販売部数 XX は確率変数で、期待値が100部、分散が100です。1部当たりの利益が20円、固定的にかかる費用が1日当たり500円のとき、1日あたりの利益額の分散を求めます。

2. 解き方の手順

1日の利益額を確率変数で表し、その分散を求めます。
1日の販売部数を XX とし、XX の期待値を E[X]=100E[X] = 100、分散を V[X]=100V[X] = 100 とします。
1部当たりの利益は20円なので、1日の売上による利益は 20X20X 円です。
固定費用が500円なので、1日の利益額 YYY=20X500Y = 20X - 500 と表せます。
分散の性質より、
V[aX+b]=a2V[X]V[aX + b] = a^2 V[X] (ここで aabb は定数)
したがって、
V[Y]=V[20X500]=202V[X]=400100=40000V[Y] = V[20X - 500] = 20^2 \cdot V[X] = 400 \cdot 100 = 40000

3. 最終的な答え

40000

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