連立一次方程式 $Ax = b$ が不定解を持たない(一意解を持つか不能解になる)ことを確定させる条件を、(あ)〜(う)の中から全て選ぶ問題です。

代数学線形代数連立一次方程式rank解の存在解の一意性
2025/7/15

1. 問題の内容

連立一次方程式 Ax=bAx = b が不定解を持たない(一意解を持つか不能解になる)ことを確定させる条件を、(あ)〜(う)の中から全て選ぶ問題です。

2. 解き方の手順

(あ)rankArankAAA の行の数と等しい場合:
AAm×nm \times n 行列とします。rankArankAAA の行の数 mm と等しい場合、つまり rankA=mrankA = m である場合、AA の全ての行が線形独立であることを意味します。このとき、mnm \le n であり、もし bbAA の列ベクトルによって張られる空間に含まれていれば、解は存在します。しかし、n>mn > m であれば、解は一意には定まりません。m=nm=n のとき、解が一意に定まるか、または解が存在しないかのどちらかになります。
(い)rankArankAAA の列の数と等しい場合:
rankArankAAA の列の数 nn と等しい場合、つまり rankA=nrankA = n である場合、AA の全ての列が線形独立であることを意味します。このとき、mnm \ge n であり、解が存在すればそれは一意解となります。もし bbAA の列ベクトルによって張られる空間に含まれていなければ、解は存在しません。この条件は、Ax=bAx = b が不定解を持たないことを保証します。
(う)bb がゼロベクトルである場合:
bb がゼロベクトルの場合、Ax=0Ax = 0 という同次方程式になります。この場合、必ず自明な解 x=0x = 0 が存在します。もし rankA=nrankA = n であれば、自明な解のみが存在し、一意解となります。しかし、rankA<nrankA < n であれば、非自明な解が存在し、解は一意ではありません。b=0b=0 の場合は不定解を持つこともあり得ます。
結論として、連立一次方程式 Ax=bAx = b が不定解を持たないことを確定させる条件は、(い)rankArankAAA の列の数と等しい場合です。

3. 最終的な答え

(い)

「代数学」の関連問題

次の漸化式で定義される数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めます。 (1) $a_1 = 3, a_{n+1} = a_n + 2$ (2) $a_1 = -4, a_{n+1} = 3a_n$ (...

数列漸化式等差数列等比数列階差数列特性方程式
2025/7/16

次の式の値を計算し、$\square + \square \sqrt{\square}$ の形式で表す問題です。 $\frac{1}{2-\sqrt{3}} + \frac{\sqrt{3}+1}{\...

式の計算分母の有理化平方根
2025/7/16

数列$\{a_n\}$の初項から第$n$項までの和を$S_n = (n+1)^2$とするとき、以下の問いに答えます。 (1) 一般項$a_n$を求めます。 (2) $\sum_{k=1}^{n} \f...

数列級数一般項和の公式
2025/7/16

$a_1, ..., a_n, b$ を $\mathbb{R}^m$ のベクトルとし、$A = [a_1, ..., a_n]$ を $m \times n$ 行列とします。このとき、以下の3つの条...

線形代数ベクトル行列一次結合次元同値性連立方程式
2025/7/16

線形写像 $f: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}^m$ が与えられたとき、$\mathbb{R}^n$ のある基底 $\{a_1, \dots, a_n\}$ と $\math...

線形写像表現行列基底標準形線形代数
2025/7/16

線形写像 $f: \mathbb{R}^n \rightarrow \mathbb{R}^m$ が与えられたとき、$\mathbb{R}^n$ のある基底 $\{a_1, ..., a_n\}$ と ...

線形代数線形写像表現行列基底標準形ランク
2025/7/16

$f: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}^m$ を任意の線形写像とします。このとき、$\mathbb{R}^n$ のある基底 $\{a_1, \dots, a_n\}$ と $\...

線形写像線形代数基底表現行列標準形
2025/7/16

与えられた行列の等式 $AX = B$ を満たす正方行列 $X$ を求める問題です。ここで、$A = \begin{pmatrix} 1 & -3 & 3 \\ 1 & -2 & 1 \\ -3 & ...

線形代数行列逆行列連立一次方程式
2025/7/16

線形変換 $f: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}^n$ について、以下の2点を証明する問題です。 (1) $f$ が単射であることと全射であることは同値である。 (2) $f$...

線形変換単射全射逆写像線形写像線形代数ランク・ヌラリティ定理
2025/7/16

線形写像 $f: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}^m$ と $\mathbb{R}^m$ の基底 $\{b_1, \dots, b_m\}$ について、$f(a_i) = b_...

線形写像線形代数全射一次独立ベクトル空間
2025/7/16