2点A(1, 3, 0), B(0, 4, -1)を通る直線を$l$とし、点C(-1, 3, 2)を通り、$\vec{d} = (-1, 2, 0)$に平行な直線を$m$とする。 (1) $l$と$m$は交わらないことを示せ。 (2) $l$上の点Pと$m$上の点Qの距離PQの最小値を求めよ。

1. 問題の内容

2点A(1, 3, 0), B(0, 4, -1)を通る直線を$l$とし、点C(-1, 3, 2)を通り、$\vec{d} = (-1, 2, 0)$に平行な直線を$m$とする。

(1) $l$と$m$は交わらないことを示せ。

(2) $l$上の点Pと$m$上の点Qの距離PQの最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $l$と$m$が交わらないことを示す。

まず、直線$l$の方向ベクトル$\vec{v}$を求める。

$\vec{v} = \vec{AB} = (0-1, 4-3, -1-0) = (-1, 1, -1)$

次に、直線$l$上の任意の点Pと直線$m$上の任意の点Qをパラメータ表示する。

直線$l$上の点Pは、$P = A + s\vec{v} = (1-s, 3+s, -s)$ (sは実数)と表せる。

直線$m$上の点Qは、$Q = C + t\vec{d} = (-1-t, 3+2t, 2)$ (tは実数)と表せる。

$l$と$m$が交わると仮定すると、$P = Q$となるs, tが存在する。

$1-s = -1-t$

$3+s = 3+2t$

$-s = 2$

3つ目の式から$s = -2$。

これを2つ目の式に代入すると、$3-2 = 3+2t$ より $1 = 3+2t$だから、$2t = -2$となり、$t = -1$。

$s = -2, t = -1$を1つ目の式に代入すると、$1-(-2) = -1-(-1)$ つまり、$3 = 0$。これは矛盾。

したがって、$l$と$m$は交わらない。

(2) 距離PQの最小値を求める。

$\vec{PQ} = Q - P = (-1-t-(1-s), 3+2t-(3+s), 2-(-s)) = (-2-t+s, 2t-s, 2+s)$

$\vec{PQ}$が$\vec{v}$と$\vec{d}$の両方に垂直であるとき、PQは最小となる。

$\vec{PQ} \cdot \vec{v} = (-2-t+s)(-1) + (2t-s)(1) + (2+s)(-1) = 2+t-s+2t-s-2-s = 3t-3s = 0$

$\vec{PQ} \cdot \vec{d} = (-2-t+s)(-1) + (2t-s)(2) + (2+s)(0) = 2+t-s+4t-2s = 5t-3s+2 = 0$

$3t = 3s$ より $t = s$

$5t - 3t + 2 = 0$ より $2t = -2$ だから $t = -1$

したがって、$s = -1, t = -1$

$\vec{PQ} = (-2-(-1)+(-1), 2(-1)-(-1), 2+(-1)) = (-2, -1, 1)$

$PQ = |\vec{PQ}| = \sqrt{(-2)^2 + (-1)^2 + 1^2} = \sqrt{4+1+1} = \sqrt{6}$

3. 最終的な答え

(1) $l$と$m$は交わらない（証明終わり）

(2) $\sqrt{6}$